【韓国ドラマ・映画】コロナで家から出れないので最近観た作品を語っていく【ネタバレあり】

【注意!】【ネタバレあり!】
この記事には!!!ネタバレ!!!が含まれます!
【注意!】【ネタバレあり!】

こんにちは。最近は韓国でもコロナウイルスのせいで大騒ぎ…外出も気軽にできなくなって大変です。

不要不急の外出を避けて家で出来る娯楽の一つが、Netflix(ネットフリックス)などで動画を楽しむことですよね。私も最近は家にいる時はネットフリックスばかり観ています!

そこで最近観て面白かった映画やドラマを紹介したいと思います。なお、この記事はいわゆるネタバレが含まれます。作品をまだご覧になっておらず、結末を知ってしまうのは困るという方は作品を観てから読んでくださいね~

今回おすすめする作品は、以下の3つです。

おすすめ その1:『FLU 運命の36時間(“감기”)

コロナで騒然とした今だからこそ!の映画です。謎の感染症が韓国に広まりだす。きっかけは、ある事件なのですが、チャンヒョク演じる主人公のジグ(救助隊員)が映画の冒頭で医者のイネ(女優スエが演じる)を救助する所から始まります。

医者であるイネと救助隊員のジグは、ストーリーが進むにつれて意外なところで再会することになります。

韓国に入ってきた謎の感染症は致死率100%という恐ろしい病気なのですが、これがブンダンというソウル近郊の街に広がってしまいます。ちなみに、ブンダンは韓国を代表するIT企業が集まっていることでも知られます。(Naver/ネイバーなど)

事態を重く見た韓国政府は、軍隊を動員してブンダンを閉鎖。全住民を隔離します。主人公イネも、娘のミルと一緒にこの中に取り残されてしまいます。

ところがこの隔離キャンプがまたとんでもない施設で、隔離した感染者を治療もせず(まあ治療法もないのですが)、亡くなった人も亡くなりそうな人(=亡くなっていない人)も巨大な穴に埋めるだけという地獄。その実態に気が付いた感染していない住民たちは怒りに震え、軍隊の封鎖に立ち向かうことになります。ほぼ丸腰の市民と、完全武装の特殊部隊の軍人たち。この対立構図は明らかに韓国民主化運動のターニングポイントの一つである光州事件を意識していると思いますが、絶体絶命の市民たちを救ったのは医者であるイネが、娘のミル(感染していた…)に施した抗体と、それを知った大統領の決断でした。救助隊員のジグは何してたんだよという声が聞こえてきそうですが、ジグはジグでミルを助けたり色々忙しい。

結局、ミルの血から抗体を作ろうという大統領の決断と行動により、主人公もブンダンの市民も救われ、ハッピーエンドとなります。

この映画を観た感想なのですが、うーん。。。ちょっと今の時期に観るには重すぎました(笑)

韓国はかなり手際よく今回のコロナウイルスに対処しているのですが、その背景にはSARSやMERSなどの感染症に苦しめられた反省があるということは既に色々な人が指摘しています。映画が作られたのは2013年ということで、SARSの流行から10年ほど後です。

なのでもちろん感染症との闘いというテーマも含まれているのですが、私はどちらかというと前述した「武装した軍隊 VS. 丸腰の市民」という、民主化運動を彷彿とさせる構図が印象的でした。

国家の側から見れば、ブンダンを封鎖しないと全国に感染が広まってしまう。一方市民からしてみればそんなことは関係なく自分の命が助かりたい。そういう双方の利害がぶつかり合うわけですが、結局それは舞台設定以上のものではなく、製作陣が本当に描きたかったのはやはり国家とは何かという問いかけだと思いました。ストーリーの中で大統領は終始、抗体を確保してブンダンの封鎖をすぐにでも解除する考えを持っていたのに対し、韓国軍、韓国軍の意を汲んだ首相、そして駐韓米軍の司令官はブンダンの見殺しを強硬に主張します。ここには朝鮮戦争以来の韓国軍と駐韓米軍の間の「戦時作戦統制権問題」というのも絡んでいます(朝鮮半島でまた戦争が起きた場合、米韓のリーダーシップは米軍がとる、という問題)。ブンダンを見殺しにして韓国を助けたい強硬派も、実は韓国を見殺しにして世界を助けたいと考える米軍の影から逃れられないという構図。

最終的にはハッピーエンドとなるわけですが、国際政治とは、国家とは、軍隊とは、市民の権利とは、という重い主題が詰まっている作品でした!

おすすめ その2:『愛の不時着(“사랑의 불시착”)

このドラマは本当に面白かった!ソン・イェジン演じる財閥令嬢にしてファッションブランドの社長でもあるユン・セリは、新製品であるパラグライダーのテスト飛行に自ら挑みます。ところが、意図せぬ竜巻により大きく飛ばされてしまい、気が付くとパラグライダーは木の枝に引っかかった状態で辛うじて墜落を免れていました。見慣れぬその森は、なんと軍事境界線を越えた向こう側=北朝鮮でした。そこに、朝鮮人民軍大尉であり、最前線の部隊の中隊長でもあるヒョンビン演じるリ・ジョンヒョクがユン・セリを見つけてしまいます。色々な偶然に助けられながらその場を逃げ出したユン・セリは森を走り抜け、無事に韓国側にたどり着いた…と思いきやそこはまだ北朝鮮の村だった、という展開。結局ユン・セリは北朝鮮で隠れながら、現地の人たちと交流したりしつつリ・ジョンヒョクとの愛を深めます。

のっけの展開から「ありえねー」という感じがするかも知れませんが、実は結構綿密な取材がなされているそうです。韓国の人が偶然北朝鮮側に行ってしまうという事件は実際にあったことでもあります(その時は空ではなく海、韓国西海岸の島嶼地帯でボートに乗っていた観光客が流されて北朝鮮側に一瞬入ってしまいました)。また、パラグライダーは無動力なのでエンジンがレーダーに捕捉されることもなく、理論的には南北両軍に感知されることなく北側に侵入してしまうことはありうるそうです。本当に「ありえねー」な展開はむしろ北側に入ってしまってからどんどん起こるのですが、多すぎて書ききれないので是非一回観てくださいとしか言えません。

個人的には、ドラマの中で描かれる北朝鮮の農村が、古き良き田園地帯という感じがしてグッとくるものがありました。あと、北朝鮮訛りの韓国語(朝鮮語)も、ヒョンビンはじめ俳優たちが一生懸命再現しているのもドラマの雰囲気を盛り上げてくれています。

また、キム・ジョンウン体制になり急速に資本主義を受け入れつつある北朝鮮社会も象徴的に描かれています。ユン・セリとリ・ジョンヒョクのカップル以外にも、もう一組南北朝鮮のカップルが登場するのですが、その舞台が北朝鮮の首都平壌で大きなデパートを経営する、トンジュと呼ばれる新興資本家階級の登場です。英語を話し、中国やヨーロッパとも貿易をしているらしい、今までの北朝鮮のイメージとはかけ離れた新しい風を象徴しています。ほかにも、南出身のユン・セリのご先祖様は北側出身、北出身のリ・ジョンヒョクのご先祖様は南側出身というように、南北朝鮮は分断されていても一つの民族、というようなメッセージは随所に散りばめられています。

ドラマの中でユン・セリとリ・ジョンヒョクは実はスイスで以前に出会っていたということが徐々に明らかになるのですが、スイスに限らず北朝鮮が国交を持つ国と言うのは実は世界のほとんどを占めていて(例外は韓国、日本、米国ぐらい)、中国をはじめとしたアジア諸国、ヨーロッパ、中東アフリカには北朝鮮の人は往来ができるので、考えてみれば南の人と北の人が海外で出くわしていた、ということは実は結構あるようです。ここ数年来の南北融和の流れの影響を強く受けたドラマであるという印象を持ちましたが、政治的なメッセージだけでなくドラマとしてストーリーも面白く、ついつい観てしまいます。

おすすめ その3:『サバイバー 60日間の大統領(“60일, 지정생존자”)

同じくネットフリックスで観れるアメリカの人気ドラマ『サバイバー 宿命の大統領(Designated Survivor)』の韓国版です。

アメリカ版と同じく、ドラマは冴えない大臣が大統領に解雇されるところから始まります。ミセモンジ(=PM2.5のような大気汚染)問題を解決することを期待され、韓国の名門大学であるカイスト(KAIST,韓国科学技術院)の教授ながら大統領によって環境部長官(日本で言うなら環境大臣)に任命されたパク・ムジンは、長官就任6か月目にして学者気質が抜けない、素人政治家。アメリカとの環境問題の交渉中、汚染物質のサンプルをアメリカ代表にぶちまけてしまうというスキャンダルまで起こし、その責任を取る形で大統領に解雇を申し渡されてしまいます。その日の午後、家族と一緒にいる時にに国会議事堂が爆破されてしまい、演説中の大統領、政府要員、多くの議員たちが一瞬にして命を奪われてしまいます。

衝撃を受けながらも国会議事堂に駆け付けたパク・ムジンを、青瓦台(チョンワデ、韓国の大統領府。アメリカで言うならホワイトハウスに相当)のSPが出迎え、大韓民国憲法の規定に基づき、落命した大統領の権限代行として韓国政府のトップに立つことになってしまいます。前代未聞のテロで混乱する政府と、北朝鮮による犯行であることを強硬に主張する軍部を率いることを突然求められるパク・ムジン権限代行。一気に緊張が高まる朝鮮半島領海に、日本が軍艦を侵入させるという緊急事態まで発生し、いきなり難しい決断を求められます。

アメリカ版と基本的な流れは同じですが、舞台を韓国、朝鮮半島にしたことで、アメリカ版とはまた違ったリアリティを持たせることに成功していると思いました。また、アメリカ版も韓国版も、「突然一国のリーダーになった時、人はどうすればいいのか」という主題を扱っている点では共通しています。安全保障の問題、権力闘争の暗部などを描きつつ、国会議事堂テロ事件の真相に迫るというサスペンス的な要素も両立させる力量は圧巻です。

こうして書いてみると私がハマるドラマや映画は、国家や安全保障をテーマとしたコンテンツに偏っている気がしてきました…今後は恋愛とかもっと明るい話を選んで観てみようと思います!

Published by Atsushi

I am a Japanese blogger in Korea. I write about my life with my Korean wife and random thoughts on business, motivation, entertainment, and so on.

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: