【韓国】【民主主義】光州5.18民主化運動40周年について

本日5月18日は韓国にとって特別な日だ。今からちょうど40年前の1980年5月18日、韓国南部の光州(クァンジュ)という街で、軍部の独裁に反対する市民たちを戒厳軍が無慈悲に虐殺するという悲劇が起こった。

韓国はそれまで20年近く軍事独裁によって国を率いてきた朴正煕大統領が前年に暗殺されたばかりだった。独裁が終わるかという国民の期待もむなしく、権力は新たな軍部によって掌握され、新しい独裁が始まった。それに対抗して民主化を求める市民たちの動きを、国家の暴力機構が残虐に弾圧したのが光州事件である。

今日、韓国は公休日ではなかったものの、大統領が直接光州を訪れ、記念式典が開催された。式典の模様はテレビやインターネットで中継され、私もインターネットで見ることができた。

テレビ中継された式典の様子。余談だが、ソーシャル・ディスタンスをしっかり守っている。

国歌斉唱に始まり、大学生らによる事件への想いの朗読、関連映画のシーンの紹介(口述)、事件の犠牲者遺族による演説に続いて、文在寅(ムンジェイン)大統領からの演説があった。演説の全文を、「ニュースタンス」の徐台教(ソテギョ)代表が日本語訳して記事を発表されていたので、リンクを貼ろうと思う。

https://www.thenewstance.com/news/articleView.html?idxno=2852

演説の中で印象的だったのは、文大統領が当時の国家としての過ちを認めたうえで、真相究明を力強く宣言したことだ。文大統領は軍事独裁時代は人権派弁護士として民主化運動に多大な貢献をした人である。一人の人間の生き方としても首尾一貫しているし、韓国が難しい歴史と正面から向かい合っているのがよく分かる。

私は、大韓民国に暮らす一人の移民として、韓国の人たちが社会を良くしようとしている姿にとても感銘を受けている。植民地や分断、戦争、軍事独裁といった過酷な歴史を持ち、経済格差や人権問題を抱えながらもそれらを解決していく様子がとても印象的だ。日本語で韓国に関する情報を検索すると、ネガティブなことばかりヒットするが、実際にはそのネガティブな現実をダイナミックに解決する様子が見て取れる。個人的にはそうした肯定的な動きを、このブログで伝えていければいいと思う。

さて、光州民主化運動を含む韓国の近代史を知るための韓国映画をいくつか紹介して記事の締めくくりとしたい。

韓国を20年近く軍事独裁で率いた朴正煕の、最期の日々と側近たちとの葛藤を描いた『南山の部長たち』。イ・ビョンホン主演で、長期独裁末期の沈鬱な雰囲気を粛々と描き出す渋い作品である。この作品のクライマックスで朴正煕が暗殺され、側近の一人である全斗煥(チョン・ドゥファン)将軍が新軍部独裁体制を築いてゆく。

https://www.netflix.com/kr/title/81259473

518事件を光州の人たちの視点で描いた『華麗なる休暇』は、生々しいが是非観てほしい作品だ。平凡な市民たちが、軍部による市民の弾圧に怒りを爆発させて武器庫を襲撃して武装し、市民軍を結成する。一時は光州市街中心部から軍を追い出すが、最終的には玉砕してしまう。市民たちの犠牲を生々しく描写している。

https://www.netflix.com/kr/title/70138960

そんな光州での出来事を、外からの取材者の視点から描いたのが『タクシー運転手』だ。ソンガンホ主演で、日本でも有名だが、ドイツのジャーナリストが光州での事件を取材にいくのを手伝うタクシー運転手や光州の人たちの視点から悲劇を描き出す。「どうか生き延びて、外の世界にここで起きていることを伝えてくれ」というメッセージは、事件を韓国の外や未来の世代に伝えたいという、韓国の人たちの心の叫びにも聞こえる。

https://www.netflix.com/kr/title/80200945

光州とは直接の関係は無いものの、『弁護人』は軍事独裁時代の雰囲気を知るために是非観てほしい。これまたソンガンホ主演だが、これには深い縁があるので別の記事で書こうと思う。ソンガンホが演じる主人公は、いわゆる銭ゲバの弁護士だった。ところが、知り合いの学生が軍部に連行され、拷問の末北朝鮮のスパイということにされそうになる。義憤を爆発させた主人公は弁護を引き受け、軍事独裁を支える検察や警察に立ち向かっていく。この裁判をきっかけに民主化運動に身を投じた主人公自身も逮捕されるが、弁護士たちは主人公のために共に立ち上がることになる。盧武鉉(ノムヒョン)大統領をモデルにしているこのストーリーは、まさに民主化を今日まで貫く正義についての訴えである。

https://www.netflix.com/kr/title/80200945

Published by Atsushi

I am a Japanese blogger in Korea. I write about my life with my Korean wife and random thoughts on business, motivation, entertainment, and so on.

2 thoughts on “【韓国】【民主主義】光州5.18民主化運動40周年について

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