読みたい本はたくさんあっても時間は限られているので、宣言することで自分を追い込もうと思う。
来たる2月7日(日曜日)に当ブログにて、以下の書籍を紹介する予定である。著者のイ・グゥアンフィ教授はソウル大学経済学部の教授であり、金融理論、中でも「空売り」に関する研究では世界的な権威である。私もソウル大学MBA時代に教授の授業を受講し、それまでよく知らなかった空売りについての体系的な説明に初めて接し、感銘を受けたものである。
イ・グゥアンフィ『これが空売りだ』21世紀ブックス、2019年(韓国語書籍)
https://book.naver.com/bookdb/book_detail.nhn?bid=15373384
韓国金融当局は2021年3月に空売りを再び解禁する方針だが、今後の動向が注目される。特に、2021年1月に米国個人投資家が機関投資家の空売りに対抗して米国ゲーム会社の株価を暴騰させた事件の後、空売りの是非に関する注目が韓国内でも再び高まっている。韓国では2020年に国内不動産保有に関する規制が強化された後、個人投資家が不動産から株に資金を振り返る傾向が強まり、サムスン電子などを含む国内株式保有率の個人投資家率が大幅に増えているためだ。空売りが韓国で解禁された場合、米国同様に「機関投資家による空売り」対「個人投資家による買い支え」のような株式市場の狂乱が再現されかねない。
このように激しく変化する株式市場における空売りの意味を正確に理解するためにも、イ・グゥアンフィ教授の『これが空売りだ』は必読書である。
이관휘, “이것이 공매도다” 21세기북스, 2019년
イ・グゥアンフィ『これが空売りだ』21世紀ブックス、2019年(韓国語書籍)
目次
1部 空売りとは何でないか
空売りについてのよくある誤解
・空売り、その正体は何なのか
・ネーミングの失敗と誤解の始まり
・韓国及び米国における空売りの現状
・空売りをめぐる制度の変化
2部 空売りの悲哀
批判ばかりされがちな空売りのための弁論
・空売りに一石を投じるのは誰か
・「空売りが株価を下落させる」?
・「空売りが株価変動の元になる」?
・価格操作という刺激的な誘惑?
・未公開情報を利用する空売り?
3部 これが「本当の」空売りだ
予測と洞察で金融エコシステムを守る
・空売りの最大の長所:価格効率性
・市場における異常事態と空売り
・空売りは流動性を供給する
・空売りは嘘つきに噛みつくハンターである
・多様な投資とヘッジ戦略の手段
4部 空売りは絶対に必要である
グローバル株式市場に答えを求めて
・空売りと価格効率性に対するグローバル実証研究
・金融危機を悪化させた「空売り禁止」
・香港の空売り規制を通じて分かること
・グローバル市場での空売り規制の回避は可能か?
著者について
イ・グゥアンフィ(이관휘)
空売り及び株式流動性に関する世界的権威。ソウル大学経済学部教授。
ソウル大学経済学部、米国ノースカロライナ大学、オハイオ州立大学で学んだ後、韓国に帰国し高麗大学教授などを歴任後現職。韓国国内で金融理論に関する数々の活動への受賞歴あり。
“Short-Sale Strategies and Return Predictability” “It’s SHO Time! Short-Sale Price Tests and Market Quality”など、金融経済学に関する論文は世界的に評価を得ている。
2020年に韓国金融当局が空売り規制をした際に、イ・グゥアンフィ教授は空売りの是非をめぐる研究を依頼されたと報道された。同様に依頼を受けた同じくソウル大学教授であるアン・ドンヒョン教授が空売り規制派であるのに対し、イ・グゥアンフィ教授は空売り擁護派として知られる。
韓国金融当局は2021年3月に空売りを再び解禁する方針だが、今後の動向が注目される。特に、2021年1月に米国個人投資家が機関投資家の空売りに対抗して米国ゲーム会社の株価を暴騰させた事件の後、空売りの是非に関する注目が韓国内でも再び高まっている。韓国では2020年に国内不動産保有に関する規制が強化された後、個人投資家が不動産から株に資金を振り返る傾向が強まり、サムスン電子などを含む国内株式保有率の個人投資家率が大幅に増えているためだ。空売りが韓国で解禁された場合、米国同様に「機関投資家による空売り」対「個人投資家による買い支え」のような株式市場の狂乱が再現されかねない。
このように激しく変化する株式市場における空売りの意味を正確に理解するためにも、イ・グゥアンフィ教授の『これが空売りだ』は必読書である。
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