Yahooニュース「鈴置高史」インタビュー記事『戒厳令が宣布されても「韓国すごい」「米国人や日本人より民度が高い」と誇る韓国人』を批判する

1. 民主主義の本質を無視した主張

「民度を自賛」した?

• 韓国社会が誇りを持つのは、右派政治家による危険行動に対し、市民が警戒心を持ち、民主主義を守ろうとする意識の現れであり、軽薄な「自賛」ではありません。この文章はこの点を軽視し、韓国社会全体を侮蔑する態度を取っています。

「政争」として片付ける誤解

• 戒厳令に反対した市民や議員の行動を「政争」と断じるのは誤りです。戒厳令軍による国会占拠という明らかな民主主義への侵害に立ち向かったのは、国会議員や市民の当然の義務であり、これを「左派活動家の行動」として矮小化するのは、民主主義を軽視するフレームです。

2. 韓国の歴史と現代民主主義への偏見

「韓国人が有頂天」?

• 韓国人が経済や政治の発展を誇りに思うことは当然の権利です。この文章での「戦前の日本は世界の5大国」などの記述は、歴史的事実をゆがめています。戦前の日本は経済的に脆弱であり、大日本帝国のプロパガンダによる過大評価に過ぎません。このような主張は、韓国への批判というより、日本の歴史認識の誤りを露呈しています。

「緩い地盤の民主主義」?

• 韓国は三・一独立運動、4.19革命、87年の民主化運動といった、市民の血と努力による民主主義の歴史を持っています。むしろ、こうした運動を経た韓国市民の民主主義意識は、日本よりもはるかに深く根付いています。この文章は、韓国の民主主義を評価せず、日本による植民地支配や右派政治家の行動がもたらした混乱を無視しています。

3. 日本との比較による矮小化

「韓国は西欧型の民主国家にならない」?

• 民衆によるデモやストライキが頻繁に行われる韓国の民主主義は、西欧型民主主義により近いです。一方、日本はデモや市民運動が乏しく、むしろ封建的な要素が根強く残っています。この比較を誤解し、「韓国が日本に及ばない」と結論付けるこの文章は、不正確かつ偏見に満ちています。

4. 歴史と法治主義への無理解

「法治主義が欠如」?

• 韓国における戒厳令のような問題は、右派政治家による暴挙が原因であり、それを民主主義全体の欠陥にすり替えるのは不公平です。むしろ、こうした危機に対し市民が立ち上がったことこそ、韓国の民主主義の強さを証明しています。

「闘争史観」批判

• 韓国が民主主義を勝ち取る過程で、闘争が重要な役割を果たしたのは歴史的事実です。それを「マルクス主義的」などと揶揄するのは、歴史の正当な評価を歪める意図があるとしか思えません。

結論

この文章は韓国の民主主義を評価せず、偏見と無知に基づいた批判を展開しています。韓国社会が直面している課題を捉えつつも、その歴史的背景や民主主義の発展に対する公正な評価を欠いています。さらに、日本との比較を用いて韓国を矮小化しようとする態度は、健全な批評とは言えません。

このような不正確なフレームを取り払うことで、より正確で公正な議論が可能になるでしょう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bb714061c4406b0484290f93f2279e2c187a11b2?page=1

Published by Atsushi

I am a Japanese blogger in Korea. I write about my life with my Korean wife and random thoughts on business, motivation, entertainment, and so on.

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