営業の仕事に6年携わってきて、僕はようやく一つの結論にたどり着いた。
営業は、テクニックよりも「心の透明度」で決まる。
商品知識でも値段でもロジックでもない。
調達の裏側やサプライチェーンの複雑さでもない。
最終的に勝つのは「綺麗な心を持ち続けられる人」だ。
なぜそう言い切れるのか。
僕自身、その理由を人生の中で徐々に理解し始めている。
この記事では、
営業の成果の9割を決める「綺麗な心」のつくり方を、
僕自身の実践から抽象化して共有したい。
細かいテクニックは後回しでいい。
まずは “内側のOS”を設計することがすべての始まり だからだ。
1. 営業の目的は「未来を軽くすること」
心が濁る時というのは決まって
・焦り
・不安
・承認欲
が膨らんでいる時だ。
だが、営業本来の目的はそんなところにはない。
「自分の力で誰かの問題を小さくし、未来の選択肢を大きくする」
これだけだ。
この“目的の軸”があるだけで、心は驚くほど透明になる。
メールの文章も、声も、提案の重さも変わる。
毎朝の問いはたった一つでいい。
「今日、自分は誰の未来を少しでも軽くする?」
これだけで仕事に入る前の“心のノイズ”がほぼ消える。
2. 綺麗な心は「仕組み」で作るもの
感情論ではない。
“清らかであるべき”という道徳でもない。
綺麗な心は、次の3層の構造で維持できる。
1)第一層:自分の澄み(Self-Clarity)
・今日の目的
・大事にしたい姿勢
・自分の弱さの認識
これがあると、人に振り回されなくなる。
2)第二層:相手の利他(Other Elevation)
相手の立場・制約・言えない本音を理解する力。
綺麗な心の営業は、相手の“説明しづらい苦しみ”を理解しにいく。
3)第三層:誠実の積み重ね(Integrity)
小さな約束を守り続けるだけ。
最も地味だが、長期戦では最も強い。
僕の場合、この第三層はもともと強い。
だからこそ、第一層の「澄み」を整えると飛躍が起こる。
3. 毎日のOSメンテナンス(たった3つで十分)
綺麗な心を維持するのに、特別な習慣は不要だ。
必要なのは 「心のOSの再起動」 だけ。
① 今日の目的
「誰の未来を軽くするか?」
② 今日の感謝
「誰に支えられているか?」
③ 今日の誠実
「何を守ると自分は強くなるか?」
これだけで、営業の“迷い”と“雑念”の7割は消える。
4. 綺麗な心は最高の営業武器になる
綺麗な心を持つ営業は、全方位で強い。
1)相手が安心する
営業の本質は「相手の不安を消すこと」。
透明な心は、声・表情・メール文の端々まで滲み出る。
2)長期戦で勝てる
裏表がないから、紹介や指名が増える。
3)意思決定が速い
心が澄んでいると判断が痛くない。
迷わない。
変に悩まない。
5. 僕自身の構造(個人OS)
僕は、誠実さと粘り強さに強みがある。
これは綺麗な心の第三層を既にクリアしているということだ。
だから大事なのは、第一層の「澄み」を毎朝整えること。
これさえすれば、
提案の質、メールの一文、会話のトーンまで
自然と透明になる。
努力の手触りがなくなり、“勝手に成果が伸びる”状態が作れる。
6. 最後に:綺麗な心とは努力ではなく「方向」
綺麗な心とは、良い人ぶることじゃない。
怒らない、焦らないということでもない。
「相手の未来を軽くするために、自分の心を澄ませる」という方向性そのものだ。
この方向で立ち続ければ、
どれだけ荒れた案件でも、値下げ要求でも、急なRFQでも、
心が濁らない。
そして心の透明度が高い営業は、
どこの世界でもトップを獲る。
僕はそのための“心のOS”を、これからも毎朝再起動し続ける。
読んでくれた誰かの未来が少しでも軽くなれば嬉しい。