私は韓国に住む日本人である。妻も韓国人だし、韓国人の友人も多い。古い友人になるともう15年近くつきあっている。 1980年代生まれの私の世代は、いわゆるドラゴンボール世代よりは少し下である。が、一般教養としてドラゴンボールをはじめとするマンガやアニメの知識は持っている。それは韓国でも同じで、私と同世代の友人たちは日本のマンガに詳しい人が多かった。ドラゴンボール、スラムダンク、幽遊白書、るろうに剣心などの少年ジャンプ系統が多かった気がする。NARUTO、ワンピース、その他たくさんの作品が共通の話題としてあった。 たいていの作品は名前を聞けば分かるものだったが、中には全く分からないものもあった。 「お前は『ミスター寿司王(미스터 초밥왕)』を知っているか?」 ある友人の発言である。私はそういわれてもさっぱり分からなかった。 ミスター寿司王とは『将太の寿司』という日本マンガのことだったのだ。前述の例えばドラゴンボールのように、人口に膾炙しているマンガほどの知名度ではないと思うのだが(関係者の方すいません…)、韓国では『将太の寿司』を日本人が知らないなんてあり得ないと皆が断言するほど有名な作品なのである。日本と言えば寿司、寿司と言えば『将太の寿司』ということなのだろうか。 ある種のカルチャーは、自国よりも外国でメジャーになるというケースがあるらしい。ヨン様ことペ・ヨンジュン氏が、韓国よりも日本で人気が出たように。『将太の寿司』はその逆パターンだと言えるだろうか。 メディアではないが、料理でも似た現象がある。韓国で日本料理と言えばラーメンや牛丼といったいわゆるB級料理が人気である。日本で人気の韓国料理の、例えばビビンバやスンドゥブチゲは、韓国ではブンシクチプといって、気楽に食べれるこれまたB級料理に近い存在だと思う。 誓って言うが私は『将太の寿司』が他のマンガに比べて劣っているとか、B級であるとか言う意図は全くない。まだ読んだことがないので、楽しみにしているくらいである。ここで言いたいのは、ホームグラウンドを離れた場所で、コンテンツが受容されていくそのダイナミズムが面白いということなのだ。私も、異国の地に暮らす日本人として、祖国の食の魅力をこの国の人たちに伝えてくれている『将太の寿司』に感謝しつつ、作品を読んでみたいと思う。
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【韓国】【コロナ】集団感染を防ぐ希望の光
久しぶりにカフェに来た。アイスコーヒーを注文したところ、ストローの先っぽにかぶせるようにビニール袋が付いてきた。 ストローの先が空気に露出し続けるのを防ぐ工夫のようである。これもコロナの感染を少しでも防ごうという努力なのだと思う。 カフェのような、不特定多数の人が出入りする場所では、このような組織的な防疫努力が不可欠だと思う。 同じ日、韓国政府から韓国に住む人全員に、以下のようなショートメッセージが来た。 「マスク着用で集団感染を防ぐことができます。密閉された施設や、人同士の近接接触がある場所では必ずマスクをしてください。」 という内容である。 “感染を防げます”ではなく”集団感染を防げます”という文章に知性を感じる。散発的な感染は防げなくても、集団が感染するのは防げそうだ、ということである。 この背景には、先日ソウルの梨泰院(イテウォン)というところのクラブで大量感染者が発生したことがあるのだろう。この事件では、性的少数者の人権保護という観点からも大きな話題になっている。 同クラブで感染したソウル近郊の仁川(インチョン)在住の塾講師の若者が、職場に解雇されるのを恐れて当局の調べに対して「自分は無職である」と虚偽の供述をしたことが問題になった。しかも、彼が感染した状態で仁川の教会に通い、200人と接触していたことが明らかになり、韓国社会が一時騒然としたのである。 ところが、同教会は普段からマスク配布、体温監視、定期消毒などの防疫手続きを徹底していたことから、なんと感染者が一人も発生しなかったのである。 上述の「マスク着用で集団感染を防ぐことができます。密閉された施設や、人同士の近接接触がある場所では必ずマスクをしてください。」 という韓国政府のメッセージは、仮に感染者が発生しても、不特定多数が出入りする場所において徹底した防疫措置を持続することによって、少なくとも集団感染は防ぐことができるはずだ、という韓国政府の自信を反映しているのではないだろうか。 コロナに関連して、韓国では2月以降、南部の大邱(テグ)宗教施設における集団感染を抑え切ったこと、4月前半の2週間にわたる国会総選挙を集団感染無しにやり切ったこと、そして5月のクラブ集団感染者の特定と仁川教会での模範的な防疫事例などから、徐々にコロナとの戦い方について当局が自信を深めつつあるというのが筆者の感想である。 まだまだ油断がならないコロナ事態だが、筆者は韓国社会の一員として是非とも前向きに乗り切れることを願ってやまない。今回の仁川での事例は、小さな希望の光を感じさせるに十分だった。 参考:【コロナ】韓国の「新しい日常」のためのソーシャル・ディスタンス指針【日本語訳】 https://goseoulblog.wordpress.com/2020/04/27/%e3%80%90%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%80%91%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e6%97%a5%e5%b8%b8%e3%80%8d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b7/ via @wordpressdotcom
【コロナ】韓国の「新しい日常」のためのソーシャル・ディスタンス指針【日本語訳】
新型コロナウイルスに関連して韓国政府は4月24日、徐々に社会的・経済的生活を再起動させていくためのソーシャル・ディスタンスに関する指針を発表した。専門家は2年ほどこうした「新しい日常」を続ける必要があると見ている。日本でもコロナ後の「新しい日常」をデザインする上で参考になるかも知れないので、日本語訳を以下に掲載する。 https://www.newsis.com/view/?id=NISX20200424_0001005082# 生活の中でのソーシャル・ディスタンス重要分野 細部指針 (韓国 疾病管理本部中央防疫対策本部より) 【全体】 ・発熱・呼吸器症状がある、および14日以内海外旅行をした場合は人と会わない ・列に並ぶ場合は2メートル(少なくとも1メートル)以上の間隔を保つ ・マスク着用、症状の有無や発熱のチェックに協力する ・唾が飛ぶような行為は自制する。症状がある人は即時帰宅する ・保健所担当者の連絡網確保など、防疫協力体制を構築する 【職場等】 ・発熱(37.5C以上)、呼吸器症状(せき、のどの痛み等)がある場合は家で休む ・柔軟な勤務体制、休暇制度の積極的活用する ・研修などはオンラインまたは映像教育を利用する ・座る方向を調整したり、空いているスペースを利用したりして労働者同士の間隔を2メートル(最低でも1メートル)以上維持する ・国内外出張を最少化する 【公共交通】 ・マスクを着用し、せきのマナーを遵守する ・不要な対話・通話を自制する ・車内混雑時は次の便を利用する 【大型交通施設】 ・最少人数でのショッピングを心がける ・化粧品見本に触れての使用を自制する ・会計時には電子決済を利用する ・顧客について歩かないように職員を指導する ・文化センター、子供の広場等は最少化する 【結婚式等の家族行事】 ・施設管理者は防疫指針を遵守する ・他者と は2メートル(最低1メートル)以上の間隔を維持する ・同じ方向に向かって座る、あるいはジグザグに座って食事する ・食事でなく答礼品を提供する 【宗教施設】 ・合唱、スローガン、身体接触を自制する ・団体食事を自制する ・個人の用品(本など)を使用する ・オンライン等、非対面・非接触宗教行事を活用する ・入退場時間を分散させる 【公共トイレ】 ・清潔な使用を徹底遵守する ・便器の蓋をおろした状態で水を流す ・スプレーを使用した消毒剤の噴射禁止(感染性物質がエアゾール化する可能性あり) ・石けん、ハンドタオル、洗浄剤等を配備する 【動物園】 ・入場券は現場販売より事前販売を ・予約制度の運営等観覧客数を制限する ・人気動物のガラス等に距離維持の位置を表示する Continue reading “【コロナ】韓国の「新しい日常」のためのソーシャル・ディスタンス指針【日本語訳】”
【健康】ぎっくり腰と付き合う
私は腰痛持ちである。もともと腰が弱かったが、20代前半に大けがをして以来定期的にぎっくり腰が来るようになった。 20代前半、私はテコンドーという韓国の格闘技を練習していた時期がある。その練習中に、いきなり背中から腰にかけて激痛が走り、動けなくなった。難易度の高い技を練習していたのは確かだ。右ミドル、左ミドル、右ミドル、ジャンプからの左ハイ(ジャンプした脚でそのままハイキックするのだ)というコンボを、脚を換えてひたすら繰り返していた。その程度の技なら練習ではよくあることだった。にも拘わらず、その日私は激痛に襲われた。 心当たりがないわけでは無い。その前週、私は東京マラソンに出場し、フルマラソンを完走していた。足腰にかなり疲労がたまっていたのは事実だ。その状態で難易度が高いテコンドーの技を練習した結果、腰が限界を迎えたのだろう。その日は這うようにして家に帰り、次の日から会社に謝りの電話を入れ、休養を取った。よく休ませてもらえたと思う。もっとも出社しろと言われても出社できる状態ではなかったが。寝返りも打てない状態が数日続いた後、整形外科に行った。レントゲン撮影の結果、幸いにして骨や神経に異常はないとのことだった。物理治療(マッサージ等)を数週間受けたが、以前のようには自信をもって運動に挑めなくなった。1年ほどは、運動らしい運動もせずに生活するようになったと思う。テコンドーはもちろん、ジョギングすら数キロ走るだけで腰が痛くなり、しまいには怖くてできなくなった。 この文章は懺悔の文章である。愚かだった若いころの自分を振り返って、反省文を書いているのである。当時の私は、テコンドーという本格的な格闘技に挑むだけの十分な肉体的準備が出来ていたとは言い難い。酒は飲む。ジョギングのような有酸素運動は好きだが、筋トレを含む無酸素運動は碌にやらなかった。ストレッチも、自分の体の特性を理解して行っていたとは言い難い。それら準備不足すべてが、ぎっくり腰に繋がったと言える。 今では私は普通の日常生活を送ることができる。それはこのいわば「テコンドー・ショック」から今に至るまで、少しずつ腰や身体全体の管理方法を見つけてきたからだ。それは、自分自身の体についての「発見」の過程であったと言える。ここからは、ぎっくり腰に悩む人や、体が弱い人、そして何より自分自身のために「ぎっくり腰に関する発見」を書いていきたい。 発見その1:世の中には腰の強い人と腰の弱い人が存在する 当たり前じゃないかと言われるかもしれない。だが、個人差というのは本当に大きいものだ。例えば、中学の部活などでやった(はずの)「腹筋運動」を思い出してもらいたい。仰向けになり、膝を立てた状態で上体を起こすあの運動だ。私は腹筋運動をするだけで腰が痛くなったものだ。ぎっくり腰になる前までは、自分の筋力不足だと思っていたが、色々な運動を行った結果、私は「上半身を前方に曲げる」動作全てが腰痛に直結する体質なのだと分かった。 今では私は、腹筋を鍛えるためにあの上体起こしは行わないようにしている。代わりにスクワット等別の運動を行っている。腰の強い人にとっては何でもない運動も、腰の弱い人には致命的になりうるので、自分自身の体質を見極めたうえで、自分にあった運動を”取捨選択”していくことが重要だと思う。 発見その2:ぎっくり腰は「決して無くならない」。だが、「痛みを減らす」「治りを早くする」ことは可能である。 体質なのか、私の怪我が深刻すぎたのか、テコンドーでの大怪我以来、私は定期的にぎっくり腰を発症する。頻度は1年に2回くらいである。一生この痛みと付き合っていかなければならないのかと考えると憂鬱になるが、いいニュースもある。それは、後述する運動を日常的に行うようになったことで、半年に1回訪れるぎっくり腰の「痛みが減った」ことと、「治りが早くなった」ことだ。 テコンドーの練習中に激痛に襲われたときは、本当に寝返りも打てない状態が3日くらい続いたと思う。もっとも、強烈すぎて記憶が変わっている可能性もあるが。だが、適切なストレッチや筋トレを行うようになった今では、寝返りも打てない状態というのは1日も続かなくなった。日常生活に復帰するまでの時間も、3日程度まで縮まった(以前は1週間)。何よりも、自分の体について知ることで、体のどの部分をどう動かせば痛いのか痛くないのかが分かるので、心に余裕が生まれた。ぎっくり腰というのは筋肉の炎症なので、究極的には時間が薬であるのは変わらないが、自信をもってぎっくり腰が収まるのを待てるようになった。 発見その3:「腰」は常に被害者である。加害者は人体の2大関節(股関節と肩関節)である。2大関節のメンテナンスを通じて、腰への被害を最小化することができる。 考えてほしいのだが、腰そのものを使う運動というのはほとんど無い。それは、腰というのは上半身と下半身の連結部分であり、運動機能を持たないからである。そして、上半身と下半身での血流が滞ると、次第に腰への負担が溜まっていく。最終的には些細な動きが”the last straw”(最後の一撃)となり、ぎっくり腰が発症するのだ。その意味で、腰とは上半身と下半身の機嫌に左右される可哀そうな弱者であるということができる。 では、腰を守る方法は無いのだろうか?そんなことはない。上半身と下半身での血流が滞ることがぎっくり腰に繋がるのであれば、ぎっくり腰を防ぐためには上半身と下半身の血流を良く保てばいいのだ。血流を保つためにはどうすればいいのか?定期的なストレッチと筋トレ、これを行うしかない。特に、関節部の状態を良く保つことが重要だ。上半身なら肩甲骨の関節、下半身なら股関節が、人体最大の関節である。これら関節に適切な運動を行うことで、腰への負担を最小化することができる。 1.肩関節のストレッチ(画像が無くてすいません…): 1-1.正座をし、バンザイの姿勢で上体を床に(前に)倒す。無理のない範囲で出来るだけ腕を前に伸ばし、その状態を30秒ほどキープする。礼拝みたいなイメージ。 1-2.1-1の状態から、右腕を引いて、右手の甲をおでこの下に置く。すると左手がさらに前に伸ばせるので、伸ばす。左の肩甲骨が引っ張られるのを感じながら、30秒ほどキープする。反対の腕でも同様に行う。 1-3.1-1の状態から、右腕を引いて、胸の前で左腕とクロスさせるように左側に倒す(右腕は左腕の下に来る)。右の肩甲骨が引っ張られるのを感じながら、30秒ほどキープする。反対の腕でも同様に行う。 2.股間のストレッチ(画像がなくてすいません): 2-1.アキレス腱伸ばし。自然に歩く姿勢から、右脚を一歩前に出す。左足は進行方向まっすぐ前を向ける。右脚を曲げ、左脚のアキレス腱をゆっくり伸ばす。30秒ほどキープ。反対側も同様に行う。筋肉は繋がっているので、腰から一番遠いアキレス腱や足首の筋肉をストレッチすることで、腰への負担も減らせる。 2-2.股割。両脚を肩幅よりも大きめに開く。両足を外に向ける。ゆっくり腰を落とし、両膝が90度になるくらいまで落とす。その状態で15秒ほどキープ。数回繰り返す。野球選手のイチロー氏が、バッターボックスに入る前にこのストレッチを行うのをご存じの方も多いと思う。 2-3.尻のストレッチ。仰向けに寝る。右脚を立てる。左脚を右脚の上に乗せる(仰向けの状態で、足を組むイメージ)。右ひざの前で両手を組む。この時、左手は左脚の下をくぐるようにする。その状態でゆっくり両脚を右側に倒していく。すると左お尻の筋肉が引っ張られる。その状態で30秒ほどキープ。反対側も同様に行う。このストレッチをすると本当に劇的に腰痛が改善される。 3.上半身と下半身の両方に効くストレッチ(画像なし) 床に座る。左脚を伸ばし、右脚は閉じる(右足が股の前にくる)。両手を組んだ状態で両腕を頭の上にあげ、左脚に向かって上体をゆっくり倒す。すると左脚の裏(ハムストリングス)が伸びるのを感じる。また、右の肩甲骨や、右の脇腹の筋肉が伸びるのを感じる。30秒ほどキープする。反対側も同様に行う。 以上のストレッチを行うと上半身、下半身の血流が劇的に良くなり、腰痛が緩和されるだけでなく日常生活も快適に送れるようになる。これに加えて筋トレ(無酸素運動)を定期的に行うことで、さらに恒常的な健康増進が実現できる。 最後に繰り返し述べると、以上のようなストレッチを行っても、ぎっくり腰そのものは定期的にやってくる。これは体質上避けられないようだ。だが、それでも「自分の体調は自分でコントロールできる」という自信を得られることは、ぎっくり腰と今後の人生も付き合っていく上で、この上ない財産である。
検証の支配
『法の支配』の時代は終わり、『検証の支配』の時代が始まる。 暴力に裏打ちされた国家機構達は解体され、数学に基づいた相互”不”信頼のネットワークが人類を結びつけることになる。 その核心技術こそ #ブロックチェーン であり、人類の歴史を前に進める原動力である。 あなたは人類の進歩の側に立つのか? 妨害する側なのか? 選択の時が来た。
【コロナ】マスクをしよう:韓国・大邱(テグ)の看護師からの伝言
私の妻は韓国人である。出身地は南部の大邱(テグ)という街である。そう、今回のコロナウイルスの感染が爆発的に広がったことで韓国だけでなく世界的に有名になった、あの大邱である。 妻の母、すなわち私の義理の母はその大邱の小さな病院で看護師をしている。先日、妻の母と電話をする機会があり、ぜひ伝えたいことがあると言われた。それは、「マスクをしろ、マスクの効果は劇的だ。」というものだった。 妻の母の勤務する小さな病院にも、ついにコロナ患者が入院してきた。妻の母は仕事なのでコロナ患者の世話をした。身体的な接触(服などを触る)も行った。妻の母だけでなく、ほかの多くの医師や看護師も同様にコロナ患者と接触した。当然、濃厚接触者に該当するため皆検査を受けた。幸い、妻の母は二回検査を受けて二回とも陰性(コロナではないという結果)だった。 妻の母曰く、あれほど小さな病院にコロナ患者がおり、毎日接触せざるを得ない環境にある医療スタッフがコロナに感染しない理由は、「コロナの感染者がマスクをしているから」としか考えられないとのことだった(もちろん、手洗いも全員徹底的にしている)。「だから」と妻の母は言う。「感染者がマスクをすればコロナが広がるのを遅らせられるはず。問題は、誰が感染者かすぐには分からないこと。だからとりあえずみんなでマスクをするしかない。」 妻の母の論理を社会全体に広げてみると、「誰がコロナ感染者か分からない状況では、広く社会全体の全員がマスクをするべき」という結論に至らざるを得ない。もちろん、「マスクでコロナは防げない」という指摘があることも十分認識している。しかしながら、未知のウイルスでもあり、まさに研究が進んでいる最中でもあることから、少しでも可能性があるならできる人は必ずマスクをするのは重要なのではないだろうか。 もちろん、「コロナの感染者はそもそも外出をすべきでない」というのも正しい。感染していると分かったら無条件で家にいるべきだ。感染が分からない状況では、無自覚なまま他人に感染させることを防ぐためにマスクをすべきということだ。これは特に、検査体制を拡大しないことに決めた日本社会に当てはまるのではないだろうか。 (4月3日追記) 大邱(テグ)の義母と再び電話して、病院でどのようなマスクを使っているか確認した。大邱では、医療関係者も一般人も皆KF94というフィルタ付きのマスクを使っているそうだ。 義母によれば、最初はデンタルマスクを使っていたのだが、コロナを防ぐ効果が無いと判断されたため途中から一斉にKF94へと切り替えたらしい。 今では大邱の街中では誰もがこのKF94を着用しているとのこと。そして、KF94を皆が着用するようになって大邱ではようやくコロナが沈静化したらしい。ちなみに、4月3日に発表された前日の大邱の新規感染者はわずか9名だった。 なお、義母の個人的な意見として付け加えておくと、「布マスク」は感染を防ぐ効果が無いとみなされているらしい。医療関係者は誰も布マスクをしないそうだ。
【コロナ対応】世界に評価される韓国、危険視される日本
見識のある人たちの間ではすでにツイッター上で共通認識になりつつあることも、ツイッターの性質上時間が経つにつれて見えにくくなってしまうため、書き残しておく必要があると思いこの記事を作成した。 コロナウイルスへの対応をめぐり、韓国の対応は世界的に評価され、日本の対応は危険視されている。このことが日本語の報道だけ見ていると見えにくいと思ったので後世のために書き残す。 米紙Bloombergは、欧米諸国はコロナが最初に流行したアジアの対応を見習うべきだと主張した。同紙は、見習うべき数多くのポイントのうち、真っ先に韓国での大量検査体制を紹介した。 South Korea, which has the highest infection tally in Asia outside of China, is testing more than 10,000 people a day, the fastest pace globally. Researchers there began developing a virus test kit at the end of January — when Korea had less than 10 infections — aided by a fast-track regulatory approval systemContinue reading “【コロナ対応】世界に評価される韓国、危険視される日本”
【ヤフー嫌韓記事を添削する】2020年3月16日:信州大学経済学部 真壁 昭夫教授の記事
信州大学経済学部 真壁 昭夫教授の記事『新型コロナショック、いよいよ韓国の「資金流出」が止まらない…(原文ママ)』(2020/3/16(月) 7:01配信)の中で、どの部分が客観的でどの部分が個人の意見なのかを腑分けしていく。 結論から言えば、一般論と推測による部分がほとんどであることが良く分かった。 (記事リンク) https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200316-00071130-gendaibiz-kr (引用開始) 韓国の金融市場は、パンデミックに伴う混乱もありすでに非常事態を迎えている。 ↑非常事態の定義は?いきなり印象操作的。 投資資金の資金流出が止まらないことが主な原因だ。 ↑真壁氏の推測 2月末から3月12日までに韓国ウォンは米ドルに対して約2.3%下落した。 ↑2月末とはいつの時点だろうか?以下のBloombergによるチャートを見ると、2月24日から3月5日にかけてむしろウォン高が進み、3月5日に底を打って3月12日までウォン安に戻っている。真壁氏の言う「3月12日」の時点でウォンがドルに対して下落したのかどうかは、「2月末」をいつとするかによってだいぶ印象が変わるが、そこを明確にさせないまま議論を展開しようとしているのは何故だろうか? 同期間、韓国株価総合指数(KOSPI)は7%超下落した。 ↑これは大体正しい。が、やはり「2月末」の定義は相変わらず不明。 新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大などを受け、多くの投資家が同国に対するリスクを急速に削減し始めているとみられる。 ↑真壁氏の推測 過去、世界経済が大きく混乱したケースでは、韓国はドルを中心に経済運営に必要な資金を確保することが難しくなった。 ↑事実 足許、価値が安定しているといわれる金価格まで下落している。 ↑事実 投資家が価格変動リスクのある資産を手放し、資産を守ろうと必死だ。 ↑真壁氏の推測 韓国はマクロ経済運営の難局を迎えつつあるように見える。 ↑真壁氏の推測 文在寅(ムン・ジェイン)政権が、株式市場などからの資金流出を食い止めようと必死だ。 ↑真壁氏の推測 3月上旬、韓国株式市場における空売り金額は、昨年の一日平均の2倍に膨れ上がった。 3月11日、韓国政府は株式市場の安定を目指して株式の空売りを規制し始めた。 ↑事実 更に、12日にはプログラム売買の制限措置である“サイドカー”まで発動された。 ↑事実 この状況に関して、ある市場参加者は、「韓国政府はなりふり構わない姿勢で市場の売り圧力を封じようとしているようだ」、と指摘した。 ↑「ある市場参加者」とは誰のことか?少額投資しているデイトレーダーも「市場参加者」になりうる。信頼できるソースか? 見方を変えれば、韓国は政府の力によってアルゴリズムなどを用いてプログラム売買を行うファンド勢を中心に市場参加者の売り注文を抑え込み、何とかして資金の流出を抑えたいのだろう。 ↑真壁氏の推測 しかし、相場のエネルギーを政府の力で抑えようとすればするほど、たまったマグマが噴き出すかのように売り圧力は高まりやすい。 ↑一般論 禁止されると、どうしてもそれにあらがいたくなるのが人情でもある。 ↑一般論。しかも雑。人情? 一例に、2015年夏、中国政府は株価の急落を受けて売買の停止に踏み切り、売り圧力を強制的に排除しようとした。 それでも、株価下落は続いた。 ↑事実 その後、中国の株価が上値の重い展開となったことを振り返ると、ひとたび政府が強制的に市場参加者の行動を押さえつけると、金融市場に資金が戻りづらくなる。 ↑真壁氏の推測 重要なのは暴力的なまでの売り圧力から市場の安定を守ることと、自由な取引維持のバランスだ。 ↑一般論 矢継ぎ早に株式取引への規制をかける文政権にこのバランス感覚があるか否かは気になる。 ↑真壁氏の意見。「気になる」というお気持ち表明。 文政権の株式取引規制の強化を受けて、大手投資家の中には韓国の市場管理姿勢を不安視する者がいる。 ↑だから誰?「大手投資家」とは? 過度に売り圧力を抑制すると、売買自体が成立しづらくなり市場の流動性が枯渇する恐れがある。 ↑一般論 多くの投資家がリスクを削減し韓国から資金が流出する中で流動性が枯渇すれば、経済全体での資金繰りに無視できない影響が出る可能性がある。 ↑一般論Continue reading “【ヤフー嫌韓記事を添削する】2020年3月16日:信州大学経済学部 真壁 昭夫教授の記事”
【韓国 コロナ】公式情報・ファクトチェックまとめ
この記事では韓国でのコロナウイルスの発生状況、医療状況を正しく知るためのサイトを紹介する。内容は大きく二つに分かれる。一つは、最新状況を知るための総合サイト(政府による公的サイト)。もう一つは、デマや流言飛語を検証するファクトチェックに特化したサイトである。 目次 1.コロナウイルスの発生状況のページ 1.1 韓国政府によるコロナウイルス関連の最新情報まとめページ 1.2 韓国政府・疾病管理本部(KCDC)のページ 2.ファクトチェック関連のページ 2.1 韓国政府によるコロナウイルス関連のファクトチェック 2.2 感染が急増した大邱(テグ)広域市によるファクトチェック 2.3 最高学府・国立ソウル大学によるファクトチェック 1.コロナウイルスの発生状況のページ 1.1 韓国政府によるコロナウイルス関連の最新情報まとめページ まずはコロナの発生状況の概観を把握できるページを紹介する。韓国政府(中央政府)によるコロナウイルス関連の最新情報まとめページである。 http://ncov.mohw.go.kr/ 内容:概要(確診患者数・完治者数・対前日増減・韓国全土の発生状況など)更新:1日1回(午前零時基準)言語:韓国語のみ。英語と中国語を作成予定(3月15日時点)。 参考までに、3月13日の時点でのサイトを日本語訳してみたので、以下ご覧いただきたい。関連情報を整理したダッシュボードの形式で見える化されていることが分かる。 1.2 韓国政府・疾病管理本部(KCDC)のページ 続いて、疾病管理本部(KCDC)のページを紹介する。こちらは、コロナウイルスをはじめとする公衆衛生全体を統括する公的機関である。感染症予防など全般的な知識を検索するのに便利である。韓国語と英語の両方で公開されている。 http://www.cdc.go.kr/cdc_eng/ 2.ファクトチェック関連のページ続いて、流言飛語に惑わされないために、政府・大学機関などが、報道内容を検証するいわゆる「ファクトチェック」のページを紹介する。 2.1 韓国政府によるコロナウイルス関連のファクトチェック まずは、上記1.1のコロナウイルスまとめページの中にあるファクトチェックを紹介する。コロナウイルスの発生状況を中心とした報道内容のファクトチェックである。 2.2 感染が急増した大邱(テグ)広域市によるファクトチェック 続いて、2月に感染が急拡大した、韓国南部の大都市である大邱(テグ)広域市が市のホームページ上で行っているファクトチェックのページを紹介する。日本では「医療崩壊」と煽られている同市だが、実際のところはどうなのかを冷静に見るために是非ご覧いただきたい。 http://www.daegu.go.kr/dgcontent/index.do?menu_id=00936591 2.3 最高学府・国立ソウル大学によるファクトチェック 最後に、韓国の最高学府である国立ソウル大学の言論情報研究所が行っているファクトチェックのページを紹介する。同ページは韓国国内のジャーナリズムと連携して、コロナに限らず政治・経済・社会その他さまざまな分野でのファクトチェックを実施している。 http://factcheck.snu.ac.kr/ 以上、流言飛語に惑わされないよう正確なソースおよび情報の検証(ファクトチェック)を行う一助になれば幸いである。
【読書】ジム・ロジャーズ『これから5年の韓半島投資シナリオ』【日本語未訳】
この記事ではジム・ロジャーズ『これから5年の韓半島投資シナリオ』(日本語訳無し)の内容のまとめと感想を紹介したい。ジム・ロジャーズ氏はヘッジファンドでの伝説的なリターンや、中国の台頭を予言したこと、シンガポールに移住したこと、最近では北朝鮮の経済発展に楽観的であること等、何かと話題の多い人物である。日本語での刊行物も数多く存在する。この記事で紹介する本書は、今のところ(2020年3月現在)韓国語版しか入手できず、日本語版はおろか英語版も存在しない。にもかかわらず、特に日本人にとっては衝撃的な予測が含まれることから、著作権を尊重しつつ私の能力の及ぶ範囲で、主に本書の構成に沿いながらその内容を紹介したい。なお、タイトルにある「韓半島」という単語は英語ではKorean Peninsulaとなり、日本語では慣習的に「朝鮮半島」と訳されるが、本記事内では原著の表記を尊重し「韓半島」で統一した。 本書について 基本情報 짐 로저스, 백우진 “짐 로저스 앞으로 5년 한반도 투자 시나리오”, 비즈니스북스, 2019년 ジム・ロジャーズ、ぺ・ウジン著『ジム・ロジャーズ これから5年の韓半島投資シナリオ』ビジネスブックス、2019年(※ただし、日本語訳は2020年3月2日時点では出ていない。) Jim Rogers and Woo Jin Baek,“Jim Rogers’ Big Picture:Why Han Ban Do is Going to be the Most Exciting Place in the World for the Next 10-20 Years”The Business Books and Co., Ltd., Seoul, 2019(※英語版も2020年3月2日時点では確認できない。) 筆者ジム・ロジャーズ氏について ジム・ロジャーズ(Jim Rogers)氏はアメリカ出身の投資家で、ロジャーズ・ホールディングス会長である。1973年、ジョージ・ソロス(GeorgeContinue reading “【読書】ジム・ロジャーズ『これから5年の韓半島投資シナリオ』【日本語未訳】”
【韓国ドラマ・映画】コロナで家から出れないので最近観た作品を語っていく【ネタバレあり】
【注意!】【ネタバレあり!】この記事には!!!ネタバレ!!!が含まれます!【注意!】【ネタバレあり!】 こんにちは。最近は韓国でもコロナウイルスのせいで大騒ぎ…外出も気軽にできなくなって大変です。 不要不急の外出を避けて家で出来る娯楽の一つが、Netflix(ネットフリックス)などで動画を楽しむことですよね。私も最近は家にいる時はネットフリックスばかり観ています! そこで最近観て面白かった映画やドラマを紹介したいと思います。なお、この記事はいわゆるネタバレが含まれます。作品をまだご覧になっておらず、結末を知ってしまうのは困るという方は作品を観てから読んでくださいね~ 今回おすすめする作品は、以下の3つです。 おすすめ その1:『FLU 運命の36時間(“감기”)』 おすすめ その2:『愛の不時着(“사랑의 불시착”)』 おすすめ その3:『サバイバー 60日間の大統領(“60일, 지정생존자”)』 おすすめ その1:『FLU 運命の36時間(“감기”)』 コロナで騒然とした今だからこそ!の映画です。謎の感染症が韓国に広まりだす。きっかけは、ある事件なのですが、チャンヒョク演じる主人公のジグ(救助隊員)が映画の冒頭で医者のイネ(女優スエが演じる)を救助する所から始まります。 医者であるイネと救助隊員のジグは、ストーリーが進むにつれて意外なところで再会することになります。 韓国に入ってきた謎の感染症は致死率100%という恐ろしい病気なのですが、これがブンダンというソウル近郊の街に広がってしまいます。ちなみに、ブンダンは韓国を代表するIT企業が集まっていることでも知られます。(Naver/ネイバーなど) 事態を重く見た韓国政府は、軍隊を動員してブンダンを閉鎖。全住民を隔離します。主人公イネも、娘のミルと一緒にこの中に取り残されてしまいます。 ところがこの隔離キャンプがまたとんでもない施設で、隔離した感染者を治療もせず(まあ治療法もないのですが)、亡くなった人も亡くなりそうな人(=亡くなっていない人)も巨大な穴に埋めるだけという地獄。その実態に気が付いた感染していない住民たちは怒りに震え、軍隊の封鎖に立ち向かうことになります。ほぼ丸腰の市民と、完全武装の特殊部隊の軍人たち。この対立構図は明らかに韓国民主化運動のターニングポイントの一つである光州事件を意識していると思いますが、絶体絶命の市民たちを救ったのは医者であるイネが、娘のミル(感染していた…)に施した抗体と、それを知った大統領の決断でした。救助隊員のジグは何してたんだよという声が聞こえてきそうですが、ジグはジグでミルを助けたり色々忙しい。 結局、ミルの血から抗体を作ろうという大統領の決断と行動により、主人公もブンダンの市民も救われ、ハッピーエンドとなります。 この映画を観た感想なのですが、うーん。。。ちょっと今の時期に観るには重すぎました(笑) 韓国はかなり手際よく今回のコロナウイルスに対処しているのですが、その背景にはSARSやMERSなどの感染症に苦しめられた反省があるということは既に色々な人が指摘しています。映画が作られたのは2013年ということで、SARSの流行から10年ほど後です。 なのでもちろん感染症との闘いというテーマも含まれているのですが、私はどちらかというと前述した「武装した軍隊 VS. 丸腰の市民」という、民主化運動を彷彿とさせる構図が印象的でした。 国家の側から見れば、ブンダンを封鎖しないと全国に感染が広まってしまう。一方市民からしてみればそんなことは関係なく自分の命が助かりたい。そういう双方の利害がぶつかり合うわけですが、結局それは舞台設定以上のものではなく、製作陣が本当に描きたかったのはやはり国家とは何かという問いかけだと思いました。ストーリーの中で大統領は終始、抗体を確保してブンダンの封鎖をすぐにでも解除する考えを持っていたのに対し、韓国軍、韓国軍の意を汲んだ首相、そして駐韓米軍の司令官はブンダンの見殺しを強硬に主張します。ここには朝鮮戦争以来の韓国軍と駐韓米軍の間の「戦時作戦統制権問題」というのも絡んでいます(朝鮮半島でまた戦争が起きた場合、米韓のリーダーシップは米軍がとる、という問題)。ブンダンを見殺しにして韓国を助けたい強硬派も、実は韓国を見殺しにして世界を助けたいと考える米軍の影から逃れられないという構図。 最終的にはハッピーエンドとなるわけですが、国際政治とは、国家とは、軍隊とは、市民の権利とは、という重い主題が詰まっている作品でした! おすすめ その2:『愛の不時着(“사랑의 불시착”)』 このドラマは本当に面白かった!ソン・イェジン演じる財閥令嬢にしてファッションブランドの社長でもあるユン・セリは、新製品であるパラグライダーのテスト飛行に自ら挑みます。ところが、意図せぬ竜巻により大きく飛ばされてしまい、気が付くとパラグライダーは木の枝に引っかかった状態で辛うじて墜落を免れていました。見慣れぬその森は、なんと軍事境界線を越えた向こう側=北朝鮮でした。そこに、朝鮮人民軍大尉であり、最前線の部隊の中隊長でもあるヒョンビン演じるリ・ジョンヒョクがユン・セリを見つけてしまいます。色々な偶然に助けられながらその場を逃げ出したユン・セリは森を走り抜け、無事に韓国側にたどり着いた…と思いきやそこはまだ北朝鮮の村だった、という展開。結局ユン・セリは北朝鮮で隠れながら、現地の人たちと交流したりしつつリ・ジョンヒョクとの愛を深めます。 のっけの展開から「ありえねー」という感じがするかも知れませんが、実は結構綿密な取材がなされているそうです。韓国の人が偶然北朝鮮側に行ってしまうという事件は実際にあったことでもあります(その時は空ではなく海、韓国西海岸の島嶼地帯でボートに乗っていた観光客が流されて北朝鮮側に一瞬入ってしまいました)。また、パラグライダーは無動力なのでエンジンがレーダーに捕捉されることもなく、理論的には南北両軍に感知されることなく北側に侵入してしまうことはありうるそうです。本当に「ありえねー」な展開はむしろ北側に入ってしまってからどんどん起こるのですが、多すぎて書ききれないので是非一回観てくださいとしか言えません。 個人的には、ドラマの中で描かれる北朝鮮の農村が、古き良き田園地帯という感じがしてグッとくるものがありました。あと、北朝鮮訛りの韓国語(朝鮮語)も、ヒョンビンはじめ俳優たちが一生懸命再現しているのもドラマの雰囲気を盛り上げてくれています。 また、キム・ジョンウン体制になり急速に資本主義を受け入れつつある北朝鮮社会も象徴的に描かれています。ユン・セリとリ・ジョンヒョクのカップル以外にも、もう一組南北朝鮮のカップルが登場するのですが、その舞台が北朝鮮の首都平壌で大きなデパートを経営する、トンジュと呼ばれる新興資本家階級の登場です。英語を話し、中国やヨーロッパとも貿易をしているらしい、今までの北朝鮮のイメージとはかけ離れた新しい風を象徴しています。ほかにも、南出身のユン・セリのご先祖様は北側出身、北出身のリ・ジョンヒョクのご先祖様は南側出身というように、南北朝鮮は分断されていても一つの民族、というようなメッセージは随所に散りばめられています。 ドラマの中でユン・セリとリ・ジョンヒョクは実はスイスで以前に出会っていたということが徐々に明らかになるのですが、スイスに限らず北朝鮮が国交を持つ国と言うのは実は世界のほとんどを占めていて(例外は韓国、日本、米国ぐらい)、中国をはじめとしたアジア諸国、ヨーロッパ、中東アフリカには北朝鮮の人は往来ができるので、考えてみれば南の人と北の人が海外で出くわしていた、ということは実は結構あるようです。ここ数年来の南北融和の流れの影響を強く受けたドラマであるという印象を持ちましたが、政治的なメッセージだけでなくドラマとしてストーリーも面白く、ついつい観てしまいます。 おすすめ その3:『サバイバー 60日間の大統領(“60일, 지정생존자”)』 同じくネットフリックスで観れるアメリカの人気ドラマ『サバイバー 宿命の大統領(Designated Survivor)』の韓国版です。 アメリカ版と同じく、ドラマは冴えない大臣が大統領に解雇されるところから始まります。ミセモンジ(=PM2.5のような大気汚染)問題を解決することを期待され、韓国の名門大学であるカイスト(KAIST,韓国科学技術院)の教授ながら大統領によって環境部長官(日本で言うなら環境大臣)に任命されたパク・ムジンは、長官就任6か月目にして学者気質が抜けない、素人政治家。アメリカとの環境問題の交渉中、汚染物質のサンプルをアメリカ代表にぶちまけてしまうというスキャンダルまで起こし、その責任を取る形で大統領に解雇を申し渡されてしまいます。その日の午後、家族と一緒にいる時にに国会議事堂が爆破されてしまい、演説中の大統領、政府要員、多くの議員たちが一瞬にして命を奪われてしまいます。 衝撃を受けながらも国会議事堂に駆け付けたパク・ムジンを、青瓦台(チョンワデ、韓国の大統領府。アメリカで言うならホワイトハウスに相当)のSPが出迎え、大韓民国憲法の規定に基づき、落命した大統領の権限代行として韓国政府のトップに立つことになってしまいます。前代未聞のテロで混乱する政府と、北朝鮮による犯行であることを強硬に主張する軍部を率いることを突然求められるパク・ムジン権限代行。一気に緊張が高まる朝鮮半島領海に、日本が軍艦を侵入させるという緊急事態まで発生し、いきなり難しい決断を求められます。 アメリカ版と基本的な流れは同じですが、舞台を韓国、朝鮮半島にしたことで、アメリカ版とはまた違ったリアリティを持たせることに成功していると思いました。また、アメリカ版も韓国版も、「突然一国のリーダーになった時、人はどうすればいいのか」という主題を扱っている点では共通しています。安全保障の問題、権力闘争の暗部などを描きつつ、国会議事堂テロ事件の真相に迫るというサスペンス的な要素も両立させる力量は圧巻です。 こうして書いてみると私がハマるドラマや映画は、国家や安全保障をテーマとしたコンテンツに偏っている気がしてきました…今後は恋愛とかもっと明るい話を選んで観てみようと思います!
ツイッターの分散化に関する記事を読んでの所感
Noteで「SNSが変わろうとしている:Twitterの分散化方針をアナタは知っているか」という記事を読みました。ブロックチェーンやウェブ動向一般に興味を持つ身として、簡単に所感をメモしておきます。(それこそツイッターに書くことのリスクを感じたため。) ・ツイッターの創業者であるジャック・ドーシーは分散化プラットフォームの立ち上げに動いている。その理由は全世界を統括する一つのプラットフォームの限界を認識したこと、ブロックチェーンという分散化に適した技術が出現したことにある。 ・国家や地域単位だけでなく、サーバー単位でのルール管理が可能になる。しかし、特定の思想に偏ったサーバーが乱立し、相互にブロックし合う可能性も生まれる。例えば日本国内ユーザーが中心の複数のサーバー同士が対立した場合、「結果的に本家(引用者注:アメリカ)Twitterサーバーから『破門』された双方は、争いをしない善良なサードパーティTwitterサーバーユーザーの目に入らなくなっていく。」という可能性もある。 ・ツイッターは、ほかのスマホアプリのユーザー間のチャットツールのようなサブコンテンツにその姿を変えていく可能性もある。 ・すでにツイッターは、いくつかの国では使用そのものがブロックされている。(例:中国)他方で、ユーザー単位では対立する思想の持主によるアカウントブロック合戦が激しく行われている。サーバー単位で独自の生態系が生まれるのだとしたら、おそらく今はユーザー単位で行われているブロック合戦がサーバー単位に拡大するのだろう。 ・僕が「個人単位での内戦の時代」と表現する現象が、さらに拡大すると考える。個人単位での内戦の時代とは、政治的に対立する意見の持主とのバトルが、これまでの政党単位から個人単位になる状況を表現したものである。 ・ブロックチェーンは癖のある技術だが、金融やジャーナリズムのような、抽象化が可能な領域における適応にはかなり相性がいい。ジャック・ドーシーの進めるツイッターの分散化も、おそらく実現してしまうと思う。