
ヤバい博物館に行ってきた。韓国のかつての独裁者、朴正熙大統領の生家である。
なお、今回の記事には非民主的な事件が記述されているので、読者には気を付けていただきたい。私には朴将軍の業績を一切称賛するつもりは無い旨を予めご了承頂きたい。これは、いわゆるダークツーリズムの一種である。
さて、朴正熙大統領(以下、朴将軍)の生家は、韓国東南部の慶尚北道、亀尾(「かめお」ではなく「クミ」)市にある。

入り口で、セマウル運動を模した銅像が出迎えてくれる。
セマウル運動といえば、朴将軍が推進した農村改革の富国強兵策のひとつである。そうそう、この記念館のある場所は、目の前の道路がなんと「朴正熙路」、もうひとつが「セマウル路」だった。








朴将軍の生家は小さな農家風の建物だった。貧しい生まれということ。




朴将軍の生家すぐ裏は山だった。



生家には廟堂が付設されている。


保守王国として知られる、この慶尚道では、朴将軍にシンパを感じる人が今でも多い。妻は大邱の出身だが、妻の母上は「あの人は立派な人、貧しかった韓国を取り合えず食えるようにしてくれた」と言っている。この生家の展示を見ると、実際貧しさから身を起こして国家発展のために生涯を捧げた立派な人に見えなくもない。だが、そんな精一杯好意的に見ようとする試みも一瞬で打ち砕かれる偏向展示が私を待ち受けていた。
生家の隣には「民族中興館」なる名前の博物館があった。展示内容はひどく偏ったものだった。





朴将軍と言えば1961年の軍事クーデターであるが、この記念館にはクーデターという単語は使われていない。5•16革命という名で美化されている。



また、朴将軍と言えば言わずと知れた親日派(チニルパ)である。日本陸軍士官学校や満州軍官学校を出て将校勤務をしたことを知らぬものはいない。が、ここでは一切そんな記述は見られない。小学校で教職を勤めて辞めた後、何かいきなり光復を迎えることになっている。



とにかく偏った記念館だった。芳名録も完全に朴将軍に私淑する親日右翼コメントばかりだった。

韓国語が読めない人のために、資料として日本語パンフレットを掲載しておく。親日右翼がこういう世界観であると知っておくことで、韓国や日本で反共を煽っているのがどういう人間なのか少しはわかるかもしれない。
(以下も閲覧注意)









