米国の個人投資家が証券投資アプリ「ロビンフッド」を使って特定の銘柄を集団で買い注文を入れる運動が起きたというニュースを見て考え込んでしまった。 https://jp.reuters.com/article/retail-trading-robinhood-anger-idJPKBN29Y0AZ このニュースによると、同銘柄は機関投資家が空売りするのを察知した個人投資家の有志達が、インターネットで情報交換をしながら買いの注文を一斉に入れ、同銘柄の価格が暴騰したということのようである。空売りというのは価格が下がる方に賭ける行為なので、空売りを仕掛けた機関投資家は大損をしたはずということである。 米国ではコロナ以降、給付金を貰って手元に現金が舞い込んできたうえにロックダウンで時間を持て余した若者が、ロビンフッドのような手数料無しの証券投資アプリで株売買を行うのが流行しているというのは私も聞き及んではいた。「ロビンフッド族」という言葉も知ってはいた。 しかし、このニュースが興味深いのは、明らかに個人投資家のちょっとした小銭稼ぎとは違う次元での盛り上がりを感じることである。 「機関投資家のような金融エリートをぎゃふんと言わせたい」 「価格の乱高下で多少損をしても、この祭りに参加して盛り上がりたい」 何というかそういうイベント性を感じる。特に前者は、2008年のリーマンショックで高い失業率に苦しんだ今の30代くらい(まさに私の世代だが)による復讐のような情緒を感じる。政治的には正反対だろうが、「ウォール街を占拠せよ」運動にすら近いものを感じた。 金融市場への向き合い方と、政治的な傾向というのは、昔はパターンが決まっていた。金融と言えば資本主義の中の資本主義であり、そこに関わる人間はバリバリの市場原理主義者・リバタリアン・または完全なるノンポリという人が中心だったのではあるまいか。 ところが最近は上述の米国のロビンフッド族もそうだが、何となく政治的には反資本主義の人間でも、(背に腹は代えられないからか)金融市場のゲームに参加するパターンが増えてきた気がする。 実は韓国でも、こうしたロビンフッド族的な動きがある。「東学アリ」というのがそれである。 「東学アリ」というのは、 ・東学=東学農民革命(日帝時代の暴政に対して韓国人が英雄的に抵抗した故事) ・アリ=力のない、多くの個人投資家を指す投資業界の俗語。日本語だと「イナゴ」だろうか の合成語である。割と最近できた言葉である。 この「東学アリ」たちが、2021年の韓国証券市場に過熱感を与えている。 つい先日、1月の半ばにもKOSPI指数が史上初めて3000を超えたというのが大きなニュースになった。サラリーマン出身で財閥トップまで上り詰めた、経済通が売りだった李明博大統領でも達成できなかったKOSPI3000突破を、市民活動家出身の文在寅大統領の時代に成し遂げたのである。 なぜわざわざ政治的な左右を対比させて書くのかというと、実際にこのKOSPIの上げに寄与しているのが、多くの韓国人国内個人投資家であるかららしいのだ。データはまだ確認していないが、一部報道によると韓国株の代表とも言えるサムスン電子の所有率は、2019年末には3%台だったのが、2020年末には7%ほどに急増しているという。 https://www.mk.co.kr/news/stock/view/2021/01/28950/ この個人投資家の熱心さの背景にはもちろん、不動産投資への規制という大環境の変化もあるだろうが、どうもロビンフッド族に似た情緒的なものもかなりあるような気がしている。ただ単に「アリ」と自嘲するのでなく、「東学アリ」というネーミングが付いていることからも感じる。東学農民革命は日本帝国主義に対する韓国人の一般大衆による英雄的な抵抗運動であった。 東学アリが行っている株投資は、韓国を代表する企業であるサムスン電子の株が半分以上が外国人投資家に所有されている状況に対する反乱であり、また、海外特に日本のような国に不当に貶められ低評価にさらされてきた韓国経済を自分たちで再評価していこうという一種の社会運動に近いのではないだろうか。そこに、(株式投資で)ウォール街を懲らしめてやろうというロビンフッド族に似た情緒を感じるのである。
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【書籍紹介】李正熙『韓半島華僑史』(韓国語書籍)
近代韓国には、最も多い時で8万人の中国人が暮らしていた。 従来の歴史研究では、韓半島から中国東北部(「満州」)への人的移動の研究は多くても、逆方向すなわち中国から韓半島への移住の動きについての研究はあまり多くなかった。 東アジア近代史を顧みる時、韓半島の華僑は多くの役割を果たしている。山東省(韓半島の華僑の8割は山東省出身)の資本が韓半島に流入し、東アジア域内通貨の移動を促進し、また、中国人商人・工人・農民が各種の技術を韓半島に伝播させた。野菜の栽培技術・中華料理・鋳物工場の技術などがそれである。 しかし、韓半島の華僑は、日中戦争と華僑排斥運動によって、日帝時代の後半までにはほぼ活発な経済主体としては消滅している。その経緯について、実証的なデータを基に検証した学術的な素晴らしい本が、この李正熙『韓半島華僑史』東アジア社、2018年出版(2021年現在、韓国語のみ)である。 李先生は日本の福知山大学でも教鞭をとられた、韓半島地域研究の専門家でいらっしゃるらしい。今は仁川大学にてやはり華僑史の研究をされているという。 https://book.naver.com/bookdb/book_detail.nhn?bid=14107798 https://blog.naver.com/atsushiseoul/222219746555
【書籍紹介】小島寛之『完全独数 統計学入門』と『完全独習 ベイズ統計学入門』
一つの発見を、本一冊丸々費やして丁寧に解説すると、ここまで分かりやすいのか。 小島寛之『完全独数 統計学入門』と『完全独習 ベイズ統計学入門』は、そういう感動のあるシリーズである。 『完全独数 統計学入門』では、一般的な統計学の基本定理である「t分布による区間推定」を紹介するために、本一冊200ページ丸々費やしている。 「t分布による区間推定」というのは、正体不明の集団を観察する時に、その中から一部のデータを取ってくる。そのデータだけを以て、正体不明の集団の平均値がどのくらいなのかをある程度の精度で推測することが出来る思考法である。それは一つの公式で表すことが出来る。 この本がすごいのは、その一つの公式を理解するために、本当に四則計算さえできれば誰でも分かるように順を追って解説しているところである。我々が学校教育で何かの数式を学ぶときに、ここまで丁寧に解説を受けることというのはほぼ無いと言っていいだろう。 『完全独習 ベイズ統計学入門』についても同様である。『完全独習 ベイズ統計学入門』では、ベイズ統計学の基本を解説している。ふたを開けてるまでどう転ぶか分からない世界で、ふたを開けることで我々人間は新たな情報を手に入れる。情報が手に入れられると、情報が無かったころに「あり得たかも知れない世界」を否定し、確率の精度を上げていくことができる。 この本がすごいのは、「あり得る世界」を面積図で表現することで(そしてそれは正確な表現である)、情報を得ることによって確率というのは変わっていくというのを視覚的に表現していることである。 小島寛之先生というのはすごい人だと思う。
今週の #韓国ブロックチェーン (2021年1月11日週)
#ブロックチェーン #コロナ #ワクチン
今週の #韓国ブロックチェーン (2020年12月13日週)
#韓国軍 #新韓銀行 #クレイトン #一級機密 #セウォル号 韓国軍の兵器システム獲得に関連して、今まで手書きが中心であった諸文書(企画、予算、試験評価等)をデジタル化、共有化するプロジェクトが開始される。2023年3月完成目標とのこと。 システムは外部業者である(株)ケイサインという企業が開発するという。ケイサインのホームページはこちら。 本件に関連して、軍の担当者(国防電算情報院長)が述べる「国防獲得情報システムが完成すれば、兵器システム調達事業に効率性と透明性がより一層向上する」というコメントについて、一点だけ補足したい。 2017年の韓国映画に『一級機密』という作品がある。 陸軍の将校が国防本部に転属になり、軍備の調達業務の責任者となる。最初はエリートコースへの栄転に喜んでいた主人公は、徐々に調達の不条理に気が付きだす。一部の業者に対して、不適切な厚遇がなされていたのである。 軍人、特に将校の世界は、とても居心地がいいらしい。家族(シック:食口と書く)という言葉で表現されるほど、細やかな人間関係が存在するという。そんな中で、軍が行っていた不条理(この場合は戦闘機の部品納入に関する一部業者の厚遇)により、部品の不具合で戦闘機が墜落し、パイロットが死亡する。不条理を告発しようとした主人公は、逆に軍に訴えられそうになる。心あるジャーナリストと組むことで、告発に成功する。 私がこの映画を観たときには、「渋い、硬派な映画だが、映画としてあまり盛り上がらないのではないか」と逆に心配するほどだった。だが、エンディングをみて衝撃を受けた。 映画が実際の事件を基にしていることは分かっていたが、こうした軍の不良品納品が横行することで、どうもセウォル号の沈没の救助に向かうはずだった軍艦が、動作不良で出動できなかったらしいという実際のTV報道がエンディングに挿入されているのである。つまり、こうした軍の不条理(韓国語ではピリ(非理、と書く))によって、あのセウォル号の子供たちが少しでも救えたかも知れなかったということがエンディングで明らかになるのだ。 社会の不正義は、必ず克服されるべきである。克服されなければ、罪のない命が失われるのである。そういう強烈なメッセージを感じ取れる作品であった。 冒頭の国防部の武器調達システムへのブロックチェーンの導入というのは、この『一級機密』で扱われた不正義を考えると深い意味があるように思われる。というのも、ブロックチェーンの最大の特徴として、一度承認された記録は事実上改竄できないということがあるのだ。つまり、武器の調達において、しかるべき入札が行われているかどうかを透明性を持って管理できるということでもある。ブロックチェーンの強みと、韓国社会における正義の追求という2つの要素がうまく融合する案件になれば面白いと思う。 韓国大手銀行の一つである新韓銀行は、医者向けローン商品をブロックチェーンを活用して運用していた。「ドクターローン」というサービスだが、もともと新韓銀行はアメリカのプログラマであるビタリック・ブテリン氏が中心となって開発されたイーサリアムというブロックチェーンを利用していた。 しかし、新韓銀行は今後「ドクターローン」をクレイトンという韓国発のブロックチェーン基盤に切り替えることを発表した。クレイトンは韓国大手であるカカオの子会社が開発したブロックチェーンである。新韓銀行もクレイトンも、韓国国内企業でブロックチェーンを活用するプレーヤーとしては最大級の存在である。今回の協業は、韓国ブロックチェーンの歴史の中でも特筆されるべき出来事なのかもしれない。 ちなみに、新韓銀行の「ドクターローン」は、医師を対象にしたローンの貸し出し管理アプリで、医師資格(国家資格)情報の確認プロセスをブロックチェーンを活用することで円滑化している。
「虚業」と「実業」が融合しつつあるという話:IT企業が製造業に本格進出する時代を考える
英『エコノミスト』誌の記事を読んで考え込んでしまった。「もしかしたら、バリュー(価値株)の時代が戻ってきたのかも知れない」という内容である。 ファイナンスの教科書のような丁寧な記事だが、個人的に一番勉強になったのははっきりとテック株(いわゆるGAFA等のIT企業銘柄)が過大評価されていると認識されていることである。テック企業の無形資産は空前の好況を(金融市場に)もたらしたが、根本的なところでは価値分析の意義は失われていない。もちろん、バリュー投資を提唱したグラハムらの活躍した20世紀初頭とは比較にならないほど現在の金融市場は複雑化したし、そのアップデートは誰かがしなければならないのだろう。 さて、こうしてIT企業の株価がうなぎ上りに上がり続けてきた金融市場だが、製造業の世界では、ITも金融も「虚業」と捉える暗黙の了解があるように感じる。汗をかいて物理的なモノを生み出すのが実業であり、「データをピコピコいじる」のは実業ではないのだ、という自負のようなものがあったのだと思う。上述の『エコノミスト』の表現を借用するなら「無形資産」をあまり評価していない風潮とも言える。 しかしながら、2020年の産業界の動きを振り返ってみると、その「虚業」が「実業」の世界に襲い掛かってくる予兆があちこちに見られるのである。それも、天文学的な資金を惜しげもなく投下して、である。 ビッグデータという言葉がある。スマホや、もっと小さな情報機器が社会の隅々にまでいきわたると、人間や社会の動きを逐一データとして拾ってくることにより、巨視的な予測が可能になるという状態を表現した言葉である。このビッグデータは、20世紀の「石油」に喩えられるほど貴重な資産であり、莫大な収益をもたらすと予想されている。ビッグデータは、グーグルやフェイスブックのようなIT企業が、アルゴリズムを駆使してすでに収集に成功している。というより、これら企業のビジネスモデルを世の中の人が必死で分析した結果、「データはカネになる」と気づいて命名したのがビッグデータなのかも知れない。 経済的に見ると、データ市場は400兆円ほどの規模を持つとも言われている。この400兆円市場をめぐって、半導体メーカーたちが巨額の企業合併を始めているのだ。AMDがザイリンクスを買収し、ADIがマキシムを買収し、SKハイニックスがインテルのメモリ事業を買収する。それだけではない。「虚業」であるはずのIT企業たちも、自ら半導体を製造すべく、開発を進めていると言われている。アップルがCPUを開発し、グーグルがサーバー向け半導体を開発するなど、IT企業は既に「データをピコピコいじっている」だけの存在ではなくなりつつある。 明らかに、世界的な規模で産業界に変化が起きつつある。IT企業はデータビジネスももちろんだが製造業としての顔を持つようになるだろう。一方で製造業も、データを売るための装置を開発するようになり、両社の境界は曖昧になっていくのかもしれない。冒頭の『エコノミスト』の話に戻ると、IT企業などのテック系株が「一段落」した後には、製造業系の企業が再評価されるのかも知れない。もしかしたら、中長期的にはITや製造業といった境目が無くなる分野も登場する可能性さえあると思う。 (参考)※すべて2020年12月12日アクセス The Economist, “Value investing is struggling to remain relevant” Nov 14th 2020 edition, https://www.economist.com/briefing/2020/11/14/value-investing-is-struggling-to-remain-relevant 「データ時代の盟主は誰に 半導体で吹き荒れる再編の嵐」『日本経済新聞』2020年11月20日 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66442640Z11C20A1X11000
【2021年と2022年の禁酒のお知らせ】「妊活」に伴う2年間の禁酒につきまして
2020年12月7日 各位 @AtsushiSeoul 【2021年と2022年の禁酒のお知らせ】 「妊活」に伴う2年間の禁酒につきまして 平素より大変お世話になっております。 皆様には日頃から会食などで私にお付き合い頂き、ご愛顧を賜り大変感謝しております。 さて、私事ではございますが、来る2021年1月1日から2022年12月31日までの2年間、禁酒(アルコールの含まれた飲食物を摂取しないこと)を実施させていただくことをお知らせします。 背景といたしましては、私共夫婦が妊娠出産及び育児を準備中であるため、妻だけでなく、予備父親たる私といたしましてもアルコール類を自制すべきであるとの結論に至った次第です。このため、自他ともに認める酒豪の私ではございますが、母子の健康のためにこの度の2年間の禁酒に踏み切ることとなりました。 禁酒期間を2年間としたのは、妊娠、出産、そして乳幼児の育児まで考慮した結果です。こちら韓国では男性は2年間の軍隊生活で強制的に禁酒をするということですが(外出休暇時を除く)、私も「入隊」したと思って2年間、アルコール類とのお付き合いをお断りさせて頂きたく存じます。皆様におかれましては、お酒のお誘いなど頂く機会は多くあると思いますが、何卒ご容赦くださいませ。 なお、先日風疹及び肝炎の予防注射を夫婦で受けた関係から、現在は避妊中でございまして、2020年12月いっぱいは飲酒可能でございます(避妊自体は3か月間続けます)。2020年12月31日を以て飲酒の「卒業式」を行わせていただきます。 コロナなどで会食はもともと難しい状況ではございますが、上記ご了承頂きたく告知させていただきます。 今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。 以上
韓国に学べ!
ブログのテーマを新しく変えてみた。 今までは「妻を追って韓国移住」だったが、これからは「韓国に学べ!」として運営してみたいと思う。 テーマを変えた理由についてだが、もともとこのブログは、男性が結婚移民者として韓国に暮らす上でのあれこれを書くことで、自分と同じような人の役にいつか立てばいいと思って始めたのである。その意図にはいまだに変わりはない。 一方で、そろそろ3年半韓国で暮らしながら、自分なりに考えてきたこともある程度まとめていきたいという気持ちが強くなっている。 私どもは、韓国に暮らす日韓夫婦である以上、日韓関係のような政治的動乱には無関心でいられない。他方で、日韓関係というのは才能の墓場であり、これまでに数々の優秀な、日韓フルバイリンガルの諸先輩方が誠心誠意努力しても、結局善意が浪費されるのを見てきた。何というか、考え方を根本的に変えなければならないのだと思う。その最も大事なポイントは、受け手の問題だと思う。 私は日本人であり、日本語母語話者でもあるので、自然と論考は日本語が中心になる。したがって日本語話者の大部分を占める日本人の思考方法について思いをめぐらせざるを得ない。日本人は、序列を好む。あまり褒められた話ではないが、特に最近はそれが顕著である。分かりやすく言えば、「相手が自分より格上かどうか」で対人関係をカスタマイズしている。国際関係においても、(実態がどうであれ)韓国を格下と見なすことで、外交や世論の前提としているように見える。 しかしながら、倫理的判断を別にしても、韓国を格下と見るのは日本のためにならない。気づく、気づかないに関係なしに、すでに民主主義・科学技術・芸術、多くの部分で日本は韓国に「負けて」いる。日本が韓国に負けたのが何が悪い、そもそも国対国で勝ち負けなど気にしていることのほうが前時代的だ、という反論もあり得よう。それはそれで構わない。 だが、日本が韓国に負けている分野というのは、同時に世界のほとんどの先進国に負けている分野でもある。権力者の恫喝で、デモや政府批判が出来ない民主主義は、民主主義と言えるだろうか?コロナ給付金の集計を役所がFAXで行い、人的ミスが多発するのが2020年の光景なのだろうか?英語さえできていればビルボード進出も夢じゃなかった、と若い歌手が発言するのが、果たして芸術を志す人たちの世界の健全な姿なのだろうか? もちろん、知性を蔑ろにしたばかりに、日本がコロナを完全に見くびり、医療崩壊を起こしつつあることで、このままじゃいけないと気づきだした人も多くいることは分かっている。しかしながら、そうした状況をもって、「コロナ対策で、日本は韓国に“さえ”負けている」といった言説を見聞するたびに、まだまだ先は長いと思わざるを得ないのである。 日本は韓国に「さえ」負けたのではない。日本は韓国に「だから」負けたのである。韓国がすごいから負けたのだ。その冷徹な事実を正面から直視しない限り、日本が極東の最貧国に逆戻りするまでの時間はどんどん短くなっていく。 日本より韓国のほうが格上なのである。韓国に学ばない限り、日本に未来は無い。 そうした意味を込めて、韓国に学ぶべきところを、社会・産業・芸術など、様々な面から観察し、このブログに記していきたいと思っている。
今週の #韓国ブロックチェーン (2020年11月29日週)
# アップビット #仮想通貨取引所 #トゥナム #中央銀行 #Defi #グランドX #カカオ #クレイトン
今週の #韓国ブロックチェーン (2020年11月22日週)
#新韓銀行 #新韓カード #クレジットカード #日本 #特許 https://n.news.naver.com/article/001/0012035832?l ポイント: ・新韓銀行の新韓カード(クレジットカード運営会社)がブロックチェーン基盤の特許を「日本で」登録した。同特許は韓国では2019年7月に登録済み。 ・特許名は「与信仮想通貨生成装置及び与信仮想通貨管理装置」 ・クレジットカード取引全般をブロックチェーンで実装する。クレジット限度別の仮想通貨発行、クレジット決済、店頭(加盟店)清算まですべてブロックチェーンで行う。 ・この特許により、クレジットカード加盟店やカード会社と客が直接取引ができ、中継機関は必要なくなるという。
記録論:ブロックチェーンと国家の「失業」について
新しい社会現象を的確に概念化した昔の知識人は偉かったと、つくづく思う。 ホッブズは『リバイアサン』の中で近代「国家」というものが如何に暴力をうまくコントロールするのに特化したかを描いたし、マルクスは『資本論』の中でお金がお金を生む生命体のような何かを「資本」と名付けた。 何も自分が偉い知識人になりたいと思ってるわけじゃなくて、単純に自分の生まれた時代にもどうやら似たような大変動が起こりつつあると気が付いて、それを描写するためには上述のような大碩学並みの力量が必要そうだ、と思いながら軽くため息をついているだけです。 その大変動とは何かというと、人によってはAIだという人もいるが、僕はブロックチェーンだと思う。ブロックチェーンをどう描写するか、それは本当に色々なやり方があると思うが、歴史学・社会学に関心のある自分から見ると、「中心の存在しない記録の連続体」とでも言えそうである。 詳しい技術のことは色々な本に書いてある。日本語にも結構いい本があるし、英語はもっと量がある。曰く、暗号学を駆使した脱中心的なネットワーク。曰く、金融の根幹を変えてしまう大発明。曰く、インターネット以来のdisruption。 どれも正しいとは思うのだが、技術だけでなく政治経済に絡めてブロックチェーンを語る書物も、何となく金融とか経済に焦点を当てることが多いように思う。それにはちゃんとした理由があって、そもそもサトシナカモトがビットコインの概念を提唱したときに、どうやら2008年前後の金融危機を受けた既存金融へのアンチテーゼとして提唱したらしいことは多くの人が指摘するところである。 ただ、僕が見るところ、ブロックチェーンが変えてしまう(可能性のある)事象というのは、金融というよりも国家の方なのだと思う。社会の血流が金融だとすれば、骨格にあたるのは国家なのである。金融機関の信頼というのも、21世紀の社会構造的には、国家の暴力を後ろ盾にしている部分が大きい。 ブロックチェーンは、誰にも異議の唱えようがないほどの正統性をもった記録を実現できる。その根幹となるのは数学理論だが、詳しく入っていく必要は無いと思う。 要は、 ・衆人環視の下で、 ・1+1=2のような自明の計算を基に、 ・記録の承認が続けられるシステム がブロックチェーンなので、もはや国家権力が警察力や軍事力という剥き出しの暴力を背景に官僚に記録をさせなくても、信頼するに足る記録体系がこの世に生まれてしまったということが大事なのである。 記録は、もう国家がやらなくてもよい。 そうなると、経済はだんだん国家に依存しなくなっていく。記録という大きな仕事を喪った(いわば「失業」した)国家は、次は何に存在意義を求めるだろうか? ホッブズは『リバイアサン』の中で、人間が人間を相手に戦い続ける状態を克服するための一つの概念として、社会契約の重要性に触れているわけだが、社会契約の担保として、リバイアサン(怪物)のような強大な権力を持った主体、すなわち国家が生まれうるとしている。 これはのちの政治哲学に大きな影響を与えていて、例えば国際関係論のような学問では、国際社会にはリバイアサンのような強大な統治者がいないために、基本的には合従連衡を繰り返すジャングルの掟の世界であるとする。要するに、人間社会のあらゆる約束を守らせるための最終的な担保は暴力以外には存在しない、という世界観である。こうした考え方はリアリズム(現実主義)とも呼ばれる。 リアリズムを一つの思想的背景として持つのが保守主義だが、保守主義というのは人間の本質というのは基本的にはずっと変わらないという立場でもある。そうすると、たとえブロックチェーンが「国家よりうまく」記録の管理をできる時代になっても、人間は「約束を守らせる力」としての国家の暴力を求め続けるであろう、という意見も出てくる。 これはこれで有力な議論だと思うし、僕も敢えて否定はしないが、一つだけ付け加えるとしたら、記録という仕事において、国家以上に国家の仕事をうまくできてしまうライバルが現れたら、国家には今まで以上の何かの付加価値を出していかないと、存在がアピールできなくなるということだ。つまり、無くてもいいのに維持するためのコストというのが、ちょっと信じられないくらい大きくなるのではないか、ということである。 議論に補助線を引くために、与那覇潤の『中国化する世界』(文藝春秋社、2011年)に紹介されていた話を紹介して、この記事を終わりにする。 東アジア(中国と韓国)では、宋や朝鮮の時代に身分制度が廃止されて、皇帝以外すべて平民という平等社会が現れた。一方で日本は江戸時代に突入し、逆に身分制度を固定する方向に走った。しかしながら、世界も経済も繋がっているので、「身分社会が要らない世界」で「身分制度を維持するコスト」というのが、陰に陽に江戸システムを圧迫し続け、最終的にはそれは西日本(人口圧力が強く、大都市が少ない)の下級武士の不満の爆発という形で崩壊した。 「要らないもの」を維持するためのコストというのは、必ず高くつく。ブロックチェーンが、ある意味国家を「要らなくする」と、国家の維持のために何らかのコストを払わざるを得ない時代になるのかも知れない。そのコストというのは、今まで以上の資本主義的な何かかもしれないし、戦争のような国家が最後まで手放さない特技なのかも知れない。
今週の #韓国ブロックチェーン (2020年11月8日週)
#特定金融情報法 #仮想通貨取引所 先週、こんなニュースがあったばかり。特定金融情報法という法律による、さらなる仮想通貨取引所の締め付け。 と思ったら今週、こんなニュースがあった。 대한블록체인조정협회, 독자적 거래소 ‘DBX’ 출범(파이낸셜뉴스) https://www.fnnews.com/news/202011151701134480 社団法人・大韓ブロックチェーン調整協会が、自前の仮想通貨取引所を立ち上げるというニュースである。取引所名はDBXであるという。一般企業ではなく社団法人であるということが少し気になった。国政では取引所を規制しつつ、こうした政府系の(?)法人を使って少しずつ仮想通貨取引所を運営していくということなのだろうか?