“There is some nuance here.” ― 「ニュアンスがある」では伝わらない英語

Harvard Business Reviewのポッドキャストを聞いていて、思わずメモした表現がある。

There is some nuance here.

一見すると簡単そうだ。

日本人なら誰でも

nuance = ニュアンス

と知っている。

だから

「ここにはニュアンスがあります」

と訳したくなる。

しかし実際にはそんな意味では使われていない。

「話はそんなに単純じゃない」

今回のHBRでは、司会者が

「結局、シングルタスクが一番良いということですよね?」

と確認した。

するとゲストはこう答えた。

There is some nuance here.

つまり、

「まあ、その理解は大筋では正しいんだけど、少し補足があるんだ」

という意味である。

日本語にすると、

  • 一概には言えない
  • 少し複雑なんです
  • 例外もあります
  • そこには但し書きがあります

といった感じになる。

英語圏ではよく使われる

例えば、

Remote work is better than office work.

と言われたとき、

There is some nuance here.

と返せば、

「いや、その話はそんなに単純じゃない」

という意味になる。

あるいは、

AI will replace all jobs.

と言われたら、

The reality is more nuanced.

とも言える。

こちらは

現実はもっと複雑だ

という意味だ。

The Economistでも頻繁に見かける表現である。

日本語の「ニュアンス」とは少し違う

日本語の「ニュアンス」は、

微妙な言葉の違い

という意味で使われることが多い。

しかし英語の nuance は、

物事の複雑さ
単純化できない部分
白黒つけられない点

を指すことが多い。

だから、

There is some nuance here.

は、

「ここには微妙なニュアンスがあります」

ではなく、

「話はそんなに単純じゃないんです」

と理解した方が自然だ。

おわりに

私はこの表現が好きだ。

なぜなら、仕事でも人生でも、

単純な答えがある問題は意外と少ないからだ。

誰かが自信満々に

「答えはこれだ」

と言ったとき、

少し立ち止まって

There is some nuance here.

と言える人の方が、現実を正確に見ていることが多い気がする。

Published by Atsushi

I am a Japanese blogger in Korea. I write about my life with my Korean wife and random thoughts on business, motivation, entertainment, and so on.

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