アメリカ系商社で働いて初めて気づいた「増加」の英語
英語学習をしていると、Increase という単語はかなり早い段階で習います。
Increase = 増加
中学校や高校でも出てくる基本単語です。
一方で、私がアメリカ系商社で働き始めてから頻繁に見かけるようになったのが Increment という単語でした。
辞書を引くと、どちらも「増加」と書いてあります。
しかし実際のビジネス現場では、かなり使い方が違います。
今日はその違いについて紹介したいと思います。
Increase は動詞でも名詞でも使える万能選手
まず Increase です。
Increase の強みは、動詞としても名詞としても自然に使えることです。
例えば動詞。
Prices increased by 10%.
(価格が10%上昇した)
Demand increased significantly.
(需要が大幅に増加した)
Supplier costs increased again this month.
(仕入れコストが今月も上昇した)
半導体業界では毎日のように目にする表現です。
次に名詞。
We received a price increase notice.
(値上げ通知を受領した)
The increase in demand caused shortages.
(需要増加によって供給不足が発生した)
このように Increase は、
「増える」
「増やす」
「増加」
のすべてを担当できる便利な単語です。
Increment は「増えた分」
一方の Increment。
こちらは少し性格が異なります。
Increment は、
「増加そのもの」
ではなく、
「増えた分」
「増分」
を表すことが多い単語です。
例えば、
The increment was 5%.
と言われた場合、
「5%増加した」
というより、
「増えた部分が5%だった」
というニュアンスになります。
数学的に言うと、
100 → 120
になった場合、
Increase = 100から120への増加
Increment = +20
です。
Increment は名詞として使われることが多い
ここが英語学習者にとって重要なポイントです。
Increase は動詞でも名詞でも頻繁に使われます。
しかし Increment は圧倒的に名詞として使われることが多いのです。
例えば、
Annual salary increment
(定期昇給額)
A 5% increment
(5%の増加分)
Incremental revenue
(追加で得られた売上)
などです。
逆に動詞として使うケースはかなり限定されます。
Increment を動詞で使うのはIT業界
私が Increment を動詞として見かけるのは、ほぼエンジニアとの会話です。
例えば、
Increment the value by 1.
(値を1増やしてください)
Increment the counter.
(カウンターを1増やしてください)
プログラマーならおなじみでしょう。
C言語などで、
i++;
という記述があります。
これは
i = i + 1;
つまり
「iを1増やす」
という意味です。
英語ではこの操作を Increment と呼びます。
商社では Price Increase は見るが Price Increment はほとんど見ない
私の仕事は半導体商社の営業です。
そのためメーカーや代理店からの値上げ通知を目にする機会が多くあります。
その時に使われる表現は、
Price Increase
です。
例えば、
Price Increase Notice
(価格改定通知)
Manufacturer Price Increase
(メーカー値上げ)
Supplier Cost Increase
(仕入れ価格上昇)
などです。
Price Increment という表現も文法的には間違いではありません。
しかし実務ではほとんど見ません。
少なくとも私がアメリカ系商社で働く中では、圧倒的に Price Increase の方が一般的です。
実務で覚えたシンプルな使い分け
現在の私の感覚では、
Increase = 増加
Increment = 増分
です。
そしてもう一つ覚えておくと便利なのが、
Increase = 動詞にも名詞にもなる
Increment = 主に名詞
という違いです。
そのため、
Prices increased.
は自然です。
しかし、
Prices incremented.
と言われると、少しプログラミングっぽい響きになります。
英語学習では辞書の訳語だけを覚えがちです。
しかし実際のビジネス現場では、
「その単語がどの品詞で使われることが多いのか」
まで知っていると、英語がぐっと自然になります。
こういう微妙な違いは、参考書よりも実際に海外企業で仕事をしていて学ぶことの方が多いなと感じています。