最近、Harvard Business Review(HBR)のポッドキャストを聞いていて、改めて印象に残った英語表現があります。
それが buy-in です。
実は私は現在アメリカ系の半導体商社で働いていますが、少なくとも記憶している限り、仕事のメールや会議でこの言葉に頻繁に出会ったことはありません。
もしかすると聞き流していただけかもしれませんし、別の表現に置き換えられていただけかもしれません。
しかし、HBRを読んだり聞いたりしていると、この言葉が組織論やリーダーシップの文脈でよく登場します。
今回はそんな buy-in という表現について紹介したいと思います。
Buy-inとは何か
HBRのインタビューでは、
get buy-in from stakeholders
という表現が出てきました。
stakeholder は「利害関係者」。
つまり直訳すると、
利害関係者からbuy-inを得る
となります。
では buy-in とは何でしょうか。
辞書的には
- 支持
- 賛同
- 受け入れ
などと訳されます。
しかし、それだけでは少し物足りません。
私が理解したニュアンスは、
「相手に腹落ちしてもらい、自発的な協力を得ること」
です。
Approvalとの違い
例えば、
We need management approval.
と言われたら、
「経営陣の承認が必要だ」
という意味です。
一方、
We need management buy-in.
と言われたら、
単なる承認ではありません。
経営陣が
「まあ好きにやっていいよ」
ではなく、
「その考えは良い。私も支援しよう」
という状態まで持っていくことを意味します。
承認よりも一歩深い概念です。
日本語なら「根回し」に近い?
この言葉を聞いて私が最初に思い浮かべたのは、日本企業の「根回し」でした。
新しい提案をする前に、
- 関係者に説明する
- 懸念点を聞く
- 事前に調整する
という行為です。
ただし、buy-in は根回しと完全には同じではありません。
根回しは「反対されない状態を作る」ことに重点がありますが、
buy-in は
「自分もこのプロジェクトを成功させたい」
と思ってもらうことに重点があります。
その意味では、
「根回し+納得+当事者意識」
を合わせたような概念だと感じます。
なぜHBRで頻繁に出てくるのか
HBRの記事やポッドキャストでは、
組織変革やリーダーシップが主要テーマです。
組織を変えようとすると、
命令だけでは人は動きません。
現場の社員
中間管理職
経営陣
顧客
パートナー企業
様々な人たちに、
「それは良いアイデアだ」
と思ってもらう必要があります。
だからこそ、
buy-in という言葉が頻繁に登場するのでしょう。
今日の英語
buy-in
意味:
「関係者から納得と支持を得ること」
例文:
We need buy-in from all stakeholders.
(すべての関係者の理解と支持を得る必要がある。)
私はまだ仕事でこの言葉を頻繁に使う場面には出会っていません。
しかし、HBRを通じて知ったことで、
アメリカのマネジメントや組織運営の考え方を表す重要な単語の一つだと感じています。
英語を学んでいると、単語だけでなく、その背後にある文化や価値観まで見えてくることがあります。
buy-in は、まさにそんな表現の一つでした。