先日、The Economistを読んでいて、こんな見出しに出会った。
A new golden age for Japanese banks comes with a catch.
最初に読んだとき、
「golden age(黄金時代)」は分かった。
日本の金利上昇によって、長年苦しんできた銀行業界に追い風が吹いている、という話だろう。
しかし、後半の
comes with a catch
がよく分からなかった。
catch と言えば、
- catch a ball(ボールを捕る)
- catch a train(電車に乗る)
- catch a cold(風邪をひく)
のような動詞のイメージが強い。
ところが、英語では名詞の a catch に
落とし穴
隠れた問題
裏条件
という意味がある。
たとえば、
This offer sounds great. What’s the catch?
「その提案、良すぎる話に聞こえるけど、何か裏があるんじゃないの?」
という意味になる。
つまり、The Economistの見出しは、
日本の銀行に新たな黄金時代が到来する
と言っているのではなく、
日本の銀行に新たな黄金時代が到来する。
ただし、そこには見過ごせない問題がある。
という意味だったのだ。
実際、記事の内容もその通りだった。
メガバンクは金利上昇の恩恵を受けて利益が急増している。
しかし地方銀行は、ゼロ金利時代に購入した低利回り国債の含み損を大量に抱えている。
つまり、
Good news… but there’s a catch.
という話だった。
英語の面白いところは、たった一語で文章全体の方向性が変わることだ。
もし catch の意味を知らなければ、
「銀行復活!めでたい!」
という記事だと思って読み進めるだろう。
しかし catch を知っていれば、
「なるほど。これは『ただし』が付く話なんだな」
と最初の一行で理解できる。
ちなみに、
What’s the catch?
はネイティブがよく使う表現だ。
投資話でも、営業でも、転職でも、人生でも。
あまりにも条件が良すぎる話を聞いたら、
Sounds great. What’s the catch?
と聞いてみるといい。
世の中、本当に catch のない話は案外少ない。