今週の #韓国ブロックチェーン (2020年10月18日週)

ブロックチェーンの社会的受容についての一考察

~韓国の「仲介人のいない不動産取引」をめぐる議論を中心に~

@AtsushiSeoul

問題の所在

言論空間において、ブロックチェーン(分散台帳技術)の解決すべき問題については多くの議論がなされてきた。社会的に大きな変革をもたらすという見解がある一方で、逆に解決できる問題はほとんど存在しないという意見もある。

韓国においては2020年に政府機関が発表した「仲介人のいない不動産取引」という概念が、不動産仲介業の職を奪うとして関係団体による反発を招き、社会問題として提起されつつある。

本論では、韓国における「仲介人のいない不動産取引」が惹起した議論の経緯を紹介しつつ、韓国社会においてブロックチェーンがどのように捉えられているのかを整理し、社会がブロックチェーンに向き合う上での知見を得ることを目指す。

本論

韓国政府の来年度予算案が呼んだ波紋

大韓民国(以下、「韓国」)企画財政部は2020年9月1日「“コロナ克服、先導国家” 2021年 予算案」というタイトルで来年度予算案を発表した。企画財政部とは、日本や諸外国の財務省に相当する韓国政府の中央官庁であり、英語ではMinistry of Economy and Financeである。

同資料の14ページに「知能型(AI)政府」という項目がある。その中に「福祉給与重複受給管理、仲介人のいない不動産取引など」について「19個の分野でのブロックチェーン活用実証」に133億ウォンを投資するという内容がある。この、韓国語原文では중개인 없는 부동산 거래という「仲介人のいない不動産取引」という文言が、メディアや不動産業界、果ては国会まで巻き込んで韓国社会で波紋を呼んでいる。韓国には不動産取引を専門とする「公認仲介士」という国家資格の職業があるが、予算案は公認仲介士の存在を否定するものではないか、という憶測や反発が広がっているのだ。

「公認仲介士」とは何か

この波乱を読み解くために、まず前提として確認しなければならないのは、「公認仲介士」という職業についてである。

韓国では法令(「公認仲介士法」)の定めるところにより、公認仲介士の資格の無いものは業としての不動産仲介を名乗ることはできない(「公認仲介法」第2条及び第18条)。また、公認仲介士の資格試験を管理監督するのは国家であるため(同第4条)、事実上韓国における不動産開業のために必要不可欠な資格である。業としてではなく、当事者間での不動産取引は禁じられてはいないものの、法的知識や取引相手の選定の難しさもあり、オープンマーケットでの取引としては一般的ではない。

したがって韓国における公認仲介士は、不動産取引業を開業するにあたり必須の資格であると同時に、受験層が国民全体に広がる、非常に一般的な資格である。韓国で不動産取引を行おうとする際にほぼ必ず公認仲介士を介して行う必要があるという面では、同試験の受験を考えない韓国人にとっても身近な存在であると言える。

「仲介人のいない不動産取引」とブロックチェーン

続いて、政府が「仲介人のいない不動産取引」という文言で意図するところは何なのだろうか。これを読み解くための手掛かりが、同文書でも言及されている「ブロックチェーン」という技術である。

ブロックチェーンは、一般的に分散台帳(distributed ledger)技術と呼ばれることが多い。元となる概念は、インターネットコミュニティで匿名(“Satoshi Nakamoto”名義)で公開された論文“Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”の中で提唱されている。同論文はBitcoinという名称で、特定の機関による中央集権的な認証を経ずとも、プロジェクトに自発的に参加したコンピューター(やその持主)が計算能力を持ち寄ることで、数学的に事実上転覆不能な記録台帳を提唱した。この記録台帳が保証する仮想通貨をBitcoinと呼び、また、記録台帳及びその維持システム全体のことをブロックチェーンと呼ぶことが多い。

ブロックチェーンは、中央機関に依存しないネットワークシステムの構築を可能にするため、様々な社会的応用が提唱されている。整理された議論としては『ハーバード・ビジネスレビュー』に掲載された Marco Iansiti and Karim R. Lakhaniによる“The Truth About Blockchain”がある。この論文は、TCP/IP技術がEメールのような比較的単純な技術革新から始まり、ワールドワイドウェブ等の複雑な技術体系の基層を支えつつ全く新しい経済圏を生み出したことを指摘しつつ、ブロックチェーンも同様に新しい技術的生態系を生み出す可能性について言及している。IansitiとLakhaniの議論によれば、TCP/IPが接続コストを劇的に減少させたように、ブロックチェーンは取引コストを劇的に減少させたという面で両技術には共通する面があり、ブロックチェーンはかつてのTCP/IPが実現した最も初期の技術であるEメールのような段階にあり、今後さらに複雑かつ大規模な新たな価値体系の基層となりうる。

今回の韓国政府による「仲介人のいない不動産取引」が念頭に置くのもブロックチェーンのようである。その背景には、上述した中央機関に依存しないネットワークシステムを可能にするブロックチェーンの技術的可能性があるのは間違いないだろう。他方で、ブロックチェーンには社会的には事実上インパクトを与えないとする言説も存在する。ジャーナリストであるJesse Frederikによれば、ブロックチェーンはいくつかの重大な問題(忘れられる権利の侵害・プライバシーの侵害・責任者の不在・環境問題)を抱えつつも、実用化に至るプロジェクトはほとんど無く、「魔術の市場(“a market for magic”)」に過ぎない面があるとしている。

Frederikの議論はブロックチェーン懐疑論の一典型例と言える。しかし、社会がブロックチェーンをどう向き合うかというテーマで世論の関心を惹起するほどの事態になった例というのは探すのが難しい。その意味で、韓国において政府による「仲介人のいない不動産取引」の発表が大統領府への請願やデモ(国会前における一人デモ)まで発展した韓国の例は、ブロックチェーンと社会の関係について興味深い事例と言えるだろう。

議論の展開を読み解く

調査の方法について

議論の展開を追うにあたり、参考としたのは韓国の代表的インターネットポータルサイトであるネイバー(NAVER)である。同サイトは統合検索機能を備えており、特に韓国語によるインターネット上の情報収集に注力している。本論では同サイトのニュース検索機能により表示される記事を中心に議論の展開を追うこととする。

9月1日:企画財政部の予算案の発表と初期反応

まず、振り返っておくと 企画財政部が「“コロナ克服、先導国家” 2021年 予算案」を発表したのは2020年9月1日である。同日の言論空間に見られる言説は、もともと韓国政府が実施を宣言していた「韓国版ニューディール」というプロジェクトの詳細紹介という形で、同予算案の概観を紹介する記事が中心である。経済や技術の切り口から『CBSノーカットニュース』、『イーデイリー』、そしてブロックチェーン専門メディアの『ザ・ブロックポスト』の三社が9月1日に予算案を紹介しつつ「仲介人のいない不動産取引」に言及しているが、公認仲介人の反発が起きていないのでその紹介が無いのはもちろん、メディアとしての賛成反対についての立場の表明なども見られない。

9月13日:公認仲介士の“反発”についての初めての報道

ところが約2週間後の9月13日、『聯合ニュースTV』のニュース記事は、「仲介人のいない不動産取引」に絞って紹介しつつ「不動産仲介業者関係者」による声を紹介している。この人物は「公認仲介士を廃止して取引をするというのは現実には難しい」と述べつつ、『聯合ニュース』も不動産詐欺の危険性や複雑な手続きを考えると、公認仲介士廃止には限界があるとのコメントを加えている。これが、本論調査中に確認された 「仲介人のいない不動産取引」に対する大手メディアの最初の意見表明である。

9月21日:韓国公認仲介士協会による請願

『聯合ニュースTV』の報道から約1週間後の9月21日、韓国公認仲介士協会が「“仲介士のいない不動産取引システムの検討”糾弾のための国民請願参加案内」というタイトルで公示を出し、同日付で青瓦台(大統領府)の国民請願ホームページに「韓国版ニューディール政策で“仲介士のいない不動産取引システムを作る”という文在寅大統領への上書」という請願を立ち上げている。同請願は9月21日から10月21日までの一か月賛同が募られ、最終的に203,274名の賛同を集めている。一方で発端となった韓国公認仲介士協会の公示の照会数は11,097回に過ぎないので、様々なルートを通じて拡散されたことが推測される。

9月22日~31日:公認仲介士の反発・政府の足並み・不動産業界についての報道

こうした公認仲介士たちの反発を受け、メディアも反応し始める。翌9月22日にはdomin.comが、「画面だけ見て取引?仲介士たち“あり得ない”」というタイトルで、仲介士たちの反発を正面から取り上げた。公認仲介士協会メンバーのインタビューや国民請願を取り上げながら、同メディアが初めて言及したのは失業問題についてである。国民請願でも言及されているように、政府が提唱する雇用創出の原則と、公認仲介士のいない不動産取引は、矛盾するという指摘である。ただし、同メディアは韓国国内でも保守色が強く、韓国の現政権に批判的な政治的情緒があるとされる慶尚南道の地域メディアであることに留意が必要である。

企画財政部の予算案についての政府内部の不一致

domin.comの報道に続き、9月23日に再び『聯合ニュース』がこの問題を取り上げている。ただし、この日の報道は公認仲介士の反発を伝えるだけではなく、政府側の反応を取り上げているところが新しい。同社の取材によれば、発端となった9月1日の予算案で言及された「仲介人のいない不動産取引」について、政府内で意思が統一されていないどころか、存在を認識していない部門さえあったというのである。記事内容を整理すると、以下のようになる。

  • 企画財政部:予算案を作成した当事者。しかし、細部については科学技術情報通信部の資料を集めただけと主張。
  • 科学技術情報通信部:ブロックチェーン活用実証事業関連の資料は作ったが、仲介人のいない不動産取引については知らないと主張。
  • 国土部:不動産を管轄する官庁。しかし、仲介士のいない不動産取引について知るところはないと主張。

公認仲介士をめぐる厳しい現状

もう一つ、『聯合ニュース』の指摘で重要な点は、政府がこれまで進めてきた公認仲介士に関連した政策である。これは不動産取引の手数料引き下げに関するものであり、これが公認仲介士たちの反発の土壌となっているというものである。『聯合ニュース』の報道に続き、同日には多くのメディアがこの件を取り上げている。議論のポイントは、以下のとおりである。

  • 公認仲介士は不動産仲介の手数料で利益を上げるのが生業であるが、最近の不動産業界は不況であり、公認仲介士たちは経済的に厳しい状況が続いている。
  • 背景としては政府による不動産所有規制(特定地域についての不動産所有件数制限)や、上昇を続ける不動産価格に伴って手数料が上昇することによる消費者の不満などがある。
  • 特に、手数料については取引金額に関わらず一定の割合であるため、高額な取引であればあるほど手数料が高くなることが消費者の不満になっていることを取り上げ、それが公認仲介士に対する世論の同情が集まらないことが課題であるとしている。

10月7日・10月16日:政府による火消し発言

9月に広がった公認仲介士の反発やその報道を受けて、10月7日についに韓国政府が立場を改めて説明した。10月7日、国会の国政監査においてホン・ナムギ経済部副総理兼企画財政部長官(日本の大臣に相当)は、「科学技術情報部においてブロックチェーン実証研究の一環として提示されたもの」としつつ、「研究のレベルであり公認仲介士が無くなるというわけでは無い」と説明している。

また、10月16日にはキム・ヒョンミ国土交通部長官も国土交通部国政監査において「現在導入を検討しているわけではない」と説明した。

以上が、「仲介人のいない不動産取引」という政府予算案が巻き起こした議論や報道についての経緯である。本論の最期に、こうした議論を通じて韓国社会においてブロックチェーンがどのように捉えられているのかを整理したい。

ブロックチェーンはどう捉えられたのか

上述の議論の中で、韓国社会でブロックチェーンはどのように捉えられてきたのだろうか。それを整理するために、政府予算案とメディアそれぞれおけるブロックチェーンの捉え方を整理してみる。

  • 政府予算案の中のブロックチェーン

そもそもの発端である政府(企画財政部)の予算案内でのブロックチェーンの言及は限定的である。 同資料の14ページ「知能型(AI)政府」の中に「福祉給与重複受給管理、仲介人のいない不動産取引など」について「19個の分野でのブロックチェーン活用実証」に133億ウォンを投資するという内容があるが、ブロックチェーンそのものについての定義は見つけることが出来なかった。

また、既述の通り報道によれば、そもそも政府の内部でさえこの「仲介人のいない不動産取引」については誰の意志で記載されたのかが不明瞭であるため、本論では韓国政府によるブロックチェーンについての定義は不明としたい。

  • メディアによる分類

2.1 技術紙

・予算案発表日である9月1日の『The Block Post』は、ブロックチェーンの特徴を「透明性と保安性を確保できる」と整理したうえで政府の狙いを「取引の便宜性を高める」ことだと報道している。

  • 2 経済・総合紙

・9月22日のdomin.comはブロックチェーンを「多くのコンピュータで同時に資料を複製し保存する分散型保存技術だ」と紹介する。

・10月9日の헤럴드경제は「韓国公認仲介士協会の関係者」の声として、「ブロックチェーンは公文書偽造を防ぎ、仲介者無しに不動産の直接取引が可能になるというのが政府の主張だが、ブロックチェーンが安全な取引の助けにはなるかも知れないものの公認仲介士の業務を代替することは無い」としながら、ブロックチェーンの技術について間接的に言及している。

結論

本論では、韓国における「仲介人のいない不動産取引」の議論を通じて韓国社会がブロックチェーンをどう捉えているのかを考察しようとしてきた。

政府におけるブロックチェーンの捉え方は予算案の中では確認できなかったものの、メディアにおいては「透明性」「保安性」「分散型」「安全」といったキーワードで説明されていることが伺える。この説明自体は的確であると執筆者は考える。

しかし残念ながら、一連の議論の中でそもそもブロックチェーンとどう向き合うかという面から深く考察した言説が見られたとは言い難いのではないだろうか。言論空間においての議論は、どちらかといえば公認仲介士の苦境や政府発表の混乱をあげつらったものが中心であったと言える。

この議論の中から教訓を得るとするならば、そもそも誰にも全体が見えていないのがブロックチェーンの本質であるということではないだろうか。政府予算の作成の際に所轄官庁と予算作成官庁の間での調整が十分でなく、責任の所在が不明瞭なままブロックチェーンというビッグワードが入り込み、ついには公認仲介士の生業を脅かすものとして世論に捉えられたという経緯もそうであるし、それを批判した公認仲介士もメディアも、ブロックチェーンが何かということは問題とせずに、「政府」という主体に対する批判に終始していた印象がぬぐえない。そうした、正体が分かりにくいものとしてのブロックチェーンと社会の付き合いは、まだまだ始まったばかりであるということを強く印象付けられた議論であった。

参考文献及びリンク

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내년부터 한국판 뉴딜 본격 추진…21.3조 통 큰 투자

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이명철 기자

[2021예산안]디지털·그린뉴딜 등 21조 투입…일자리 36만개 만든다

이데일리

2020-09-01 8:30:00

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이설영 기자

[2021 예산안] 정부, 블록체인 실증사업에 예산 집중

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연합뉴스TV

지능형 정부화…중개인 없는 부동산 거래도 시동

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한국공인중개사협회

‘중개사 없이 부동산거래하는 시스템 검토’ 규탄을 위한 국민청원 동참 안내

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대한민국 청와대

한국판 뉴딜정책으로 ‘중개사 없이 부동산 거래하는 시스템을 만들겠다’는 문재인대통령님 전 상서.

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김희곤 기자 

화면만 보고 집 거래? 중개사들 “안될 말”

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윤종석 기자

‘중개사없는 거래’에 놀란 중개사들…정부는 ‘어디서 한대요?'(종합)

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이재빈 기자

정부, 중개수수료 개편·중개사 없는 거래 추진에 업계 반발 이어져

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생존권 투쟁 나선 공인중개사들…냉담한 여론 어떻게 돌파할까

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이민경 기자

文정부 들어 뿔난 공인중개사 왜?[부동산360]

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‘중개인 없는 부동산거래’ 미스터리… 문구 하나로 대혼란

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김준희 기자

위기의 중개업자들… 각종 규제·新거래시스템 도입에 ‘사면초가’

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이영웅 기자

부동산거래시스템 구축 방침에 뿔난 중개사…정부 “실제도입 아냐”

아이뉴스24

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http://www.inews24.com/view/1305535

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성유진 기자

김현미 “공인중개사 없는 주택 거래 검토 안해”

조선일보

2020.10.16

Accessed on October 25, 2020

今週の #韓国ブロックチェーン (2020年10月11日週)

予告です。来週の #韓国ブロックチェーン では、最近韓国社会を騒がせている「仲介人無しの不動産取引」についての解説をします。簡単に言うと以下のような問題意識から解説してみたいと思います。

ブロックチェーンの社会的受容についての一考察

~韓国の「仲介人のいない不動産取引」をめぐる議論を中心に~

@atsushiseoul

問題の所在

言論空間において、ブロックチェーン(分散台帳技術)の解決すべき問題については多くの議論がなされてきた。社会的に大きな変革をもたらすという見解がある一方で、逆に解決できる問題はほとんど存在しないという意見もある。

韓国においては2020年に政府機関が発表した「仲介人のいない不動産取引」という概念が、不動産仲介士たちの職を奪うとして関係団体によるデモを招き、社会問題として提起されつつある。

本論では、韓国における「仲介人のいない不動産取引」が惹起した議論の経緯を紹介しつつ、韓国社会においてブロックチェーンがどのように捉えられているのかを整理し、社会がブロックチェーンに向き合う上での知見を得ることを目指す。

参考サイト

Satoshi Nakamoto, “Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System”

Marco Iansiti and Karim R. Lakhani “The Truth About Blockchain” Harvard Business Review, the January-February issue

Jesse Frederik, “Blockchain, the amazing solution for almost nothing”, the Correspondent,21 August 2020.

기획재정부 “’코로나 극복, 선도국가’, 2021년 예산안 및 2020~2024년 국가재정운용계획”, 14p, 2020년9월1일

한국공인중개사협회 “‘중개사 없이 부동산거래하는 시스템 검토’ 규탄을 위한 국민청원 동참 안내”, 2020년9월21일

국민청원 계시판 “한국판 뉴딜정책으로 ‘중개사 없이 부동산 거래하는 시스템을 만들겠다’는 문재인대통령님 전 상서.”, 2020년9월21일

【韓国】最近のコロナ対策について感動したこと

あにゃーせよ!(안녕하세요!)妻を追って韓国に移住した아츠시(@AtsushiSeoul)です!

私の住む韓国でもまだまだ勢いが消えないコロナ(COVID-19)ですが、最近このコロナ対策で感動したものを二つご紹介したいと思います。

感動したコロナ対策その1:地下鉄改札口での「マスク着用」アナウンス

何だそりゃ、って感じだと思いますが、そのまんまです。

地下鉄の改札口に、交通カード(SUICAみたいなやつ)をピッと接触させます。

すると、”마스크를 착용하세요”(マスクを着用してください)というアナウンスが流れるようになったのです!9月くらいからかな?

最近韓国では、交通機関でのマスク着用の義務に対して法的根拠が出来ました。国会でそういう法律が通過したのです。

これによって、マスクをしない乗客には正式に罰することができるようになったようです。

改札口でのアナウンスは、それに合わせたものでしょうか。

感動したコロナ対策その2:高速道路サービスエリアでの、「ワン切り電話での入場証明」

これまた何のこっちゃだと思います。説明します。

不特定多数の人間が集まる可能性の高い施設、例えばレストランやカフェ、その他公共施設はコロナの感染拡大の危険が非常に高いです。

そのため、その日に誰が入場したのかを記録する必要があります。

今までですと、そうした入場記録を取るために

1.普通の紙に個人情報(名前、電話番号、簡単な住所)を書いてもらう

という方式が主流でした。しかし、これには問題点があって、

「他人の個人情報を他の客が見れてしまう」

というものです。考えてみれば当然ですね。そこで、最近出てきたのが

2.客がネイバー(Naver)のホームページから個人QRコードを生成し、店のバーコードリーダーで読み取る

というスタイルです。これならスマホさえ使えれば誰でもできるし、個人情報も守れる。ネイバーは韓国人ならみんな使っているポータルサイト(日本でいうならヤフーくらいメジャー)なので、だいぶ進入障壁も低いはず。スマホさえ使えれば。スマホさえ使えれば。。。

ところが実際問題、スマホを使い慣れていない人も社会の中には多数います。

コロナはスマホリテラシーなどお構いなしに拡散するので、そういう人も含めて入場記録を取る必要があります。そこで、上述の「電話ワン切り」システムです。

この写真は韓国のある高速道路の休憩所(サービスエリア)で撮影したものです。

赤い丸で囲った部分が、電話番号なのですが、サービスエリアの利用者は、入り口でまずこの電話番号に電話をかける必要があります。

私もやってみましたが、「プルルルル…」と電話がなったと思うとすぐに

“인증되었습니다.”(認証されました)

というアナウンスが流れ、自動で通話が終了しました。電話番号をダイヤルしてからメッセージが流れ、切れるまでの時間、約7秒。これなら簡単だし、速いですね。

その施設専用の電話番号を用意するという手間はかかりますが、お客さんの立場からするとこの電話ワン切りシステムが一番便利でした!今後こういう便利な方法が広まるといいですね。

以上、韓国から、最近感動したコロナ対策を二つお送りしました!

今週の #韓国ブロックチェーン (2020年10月4日週)

#韓国ブロックチェーン #不動産 #公認仲介士 #スマートコントラクト

韓国生活 何気ない日常風景:スーパー

あにゃーせよ!(안녕하세요!)妻を追って韓国に移住した아츠시です。

今日は近所のスーパーの風景を紹介します。

韓国のスーパーで売られているお菓子
韓国のスーパーで売られているお菓子 その2
韓国のスーパーで売られているお菓子 その3
韓国のスーパーで売られているお菓子 その4
韓国のスーパーで売られているカレー
韓国のスーパーで売られているカップラーメン
韓国のスーパーで売られている袋ラーメン
韓国のスーパーで売られているビール
韓国のスーパーで売られているお酒
韓国のスーパーで売られているスパム
韓国のスーパーで売られている海苔
韓国のスーパーで売られているヨーグルト
韓国のスーパーで売られているお芋

以上、韓国では何でもない日常の風景ですが、コロナで韓国に来れなくて韓国ロスの人もいるかと思ってお届けしました。

それでは!

韓国でお葬式に行ってきた【日本婿あつしの韓国生活】

あにゃーせよ(안녕하세요)!妻を追って韓国移住したあつし(@atsushiseoul)です。今回は韓国で初めてお葬式に行ってきたので記事にしました。ご参考までにどうぞ。

韓国でお葬式に行ってきた

・はじめに

  • 韓国での初めてのお葬式
  • 故人との関係

・お葬式について

  • 場所:大邱(テグ)の病院地下葬式場
  • 日時:23
  • 参加者:ほぼ家族のみ。コロナ時代を実感
  • 内容:ひたすら待機のお葬式・涙涙の火葬場・自然へと還る樹木葬

   1日目:突然の訃報・飛び乗るKTX・式場泊

   2日目:徹夜明けの喪主たち・涙の入館・ひたすら待機・親戚との会話・充実した食事

   3日目:早朝の發靷(出棺)・記憶を頼りに進む山中・樹木への散骨・道端での食事

・文化の違い?印象的だったこと

  • 宗教?
  • 「忌引き」について
  • 「泣くこと」について

・韓国で初めてお葬式に参加して、次回から準備したほうがいいと思ったもの

  • 事前の確認:家族の連絡先・お金・忌引き制度・お墓の確認
  • 心の準備:宗教・遺言・外国で死ぬということ

・はじめに

韓国での初めてのお葬式

韓国でお葬式に行ってきた。僕にとっては初めての韓国でのお葬式である。

お葬式と言うのは人が亡くなった時に行うものであるから、誰にとっても悲しいイベントである。韓国人の妻を追って韓国に移住した日本人婿の僕にとっても、色々と大変だった。日本とは違うお葬式文化や、密な親戚同士の人間関係を2泊3日でみっちりと経験することになった。ある意味では貴重な経験をしたと言える。あまり考えたくないお葬式というイベントではあるが、比較的精神的打撃が少ないうちに、今回経験した韓国でのお葬式の流れを記録に残し、将来の自分や、韓国でお葬式を出すことになるかもしれない方々の参考になればと思い筆を執った次第である。

故人との関係

私は韓国に住む日本人男性である。韓国人の妻を追って韓国に移住した、日本人婿である。今回亡くなったのは妻の父方の祖母に当たる方であり、妻にとっては存命の唯一の祖父母であった。

享年95歳の大往生であり、半年ほど前の今年の旧正月にお会いしたときは多少痴呆の気はあったものの矍鑠としておられた。高齢の方が亡くなるときというのは、急に容体が悪くなるものらしい。が、それまで大きな病気も無くお元気でいらしたというのは不幸中の幸いであった。

今年95歳ということは、生まれてから成人するまで日帝強占期を過ごしたということだが、痴呆のためかそもそも日本語教育を受けなかったためか、あるいは他の深い理由かは分からないが、日本人婿の僕と日本語で会話した記憶はない。故人は若くして夫と死別している。30歳ごろに夫に先立たれた故人は、妻の父を含む3人の子供を女手一つで育てていくこととなった。韓国戦争が終わったばかりの混沌とした時代である。3人とも立派に成人されたが、その苦労は想像を絶するものがある。晩年は孫にも恵まれ、特に私の妻は大変可愛がってくださったようである。妻が大学に合格したときは家で踊り倒したということだ。また、愛煙家でもあり、亡くなる直前まで煙草を吸っていたにもかかわらず、医師によると肺はとてもきれいであったという。激動の時代を生き抜いた人らしい、生命力にあふれる方だったようだ。

宗教的には無宗教である。が、息子夫婦(=私の妻の両親)が近年ローマカトリックに入信したこともあり、亡くなる直前に洗礼を受けることとなった。洗礼名マリア。

・お葬式について

今回僕が参席した、韓国でのお葬式について書いていこうと思う。

ところで、世の中には文化人類学という学問があり、人間社会を客観的に観察・研究する知の体系があることは僕も知っている。そういった学問の徒であれば、僕が今回経験したような異国でのお葬式のようなイベントについても深い考察ができるのだと思う。が、残念ながら無知なる一移民に過ぎない僕にとっては、5W1H及びタイムラインを掲示するのが精いっぱいである。あくまでも僕の経験した内容ということをご了承いただければ幸いである。

場所:大邱(テグ)の病院地下葬式場

今回のお葬式は、妻の実家のある韓国南部、慶尚南道に位置する大邱(テグ)のある病院地下の葬式上で執り行われた。

お葬式は韓国語では葬礼式(장례식)といい、葬式場は葬礼式場(장례식장)という。単語は似ているが、その意味するところはずいぶん日本と違う。まず場所からして、病院の「地下」に葬式場が備わっていることを僕は知らなかった。

不幸な出来事であるお葬式という行事の特性をふまえ、今回はあまり写真を撮らなかった。したがって葬式場の雰囲気は文章でお伝えする他ないのだが、まず病院の地下にある。入り口にはお悔やみの花が飾られており、そこで靴を脱いで入場する。

葬式場は大きく二つの場所に分かれている。一つは入り口に近い、広い空間であり、これは完全に食事をするためのスペースである。床に座って食事をする韓国式食堂、たとえば普通の街中のカルグクス(韓国式うどん)屋さん等を想像していただければいいと思う。実際に食事も飲酒もここで行う。

葬式場を構成するもう一つの場所は、祭壇のある小さな部屋である。前述の食堂のようなスペースのすぐ隣にあるものの、壁によって隔てられている。ドアは無い。ここは日本人でも想像がつくと思うが、まず白い棚に故人の写真が供えられている。また、果物のようなお供えもある。そして、お香がある。お香の上げ方は日本とほぼ同じだ。喪主(今回は故人の息子)と家族が弔問客を迎え礼を受け、涙ながらに祈りを捧げるのもこの部屋である。 賻儀金(プイグム)と呼ばれる香典もこの部屋の箱に入れる。喪主は基本的にこの部屋にこもり、食事の時及び弔問客の見送りの時以外は出てこない。

日時:2泊3日

葬式場が病院の地下にあるのも驚いたが、葬式が2泊3日と長いのにも驚いた。日本では不幸があると、訃報を打って葬式をあげるとなるのは一緒だが、ほとんどの場合は一日で終わると思う。

だが、韓国では2泊3日でお葬式をあげるのが一般的であるらしい。今回は故人に不幸があったのが火曜日だったので、火曜日を起点として木曜日までお葬式を行った。

2泊3日の間何をするのかと言うと、基本的には喪主を中心として個人の家族が葬式場に常駐し、弔問客たちを迎え、食事でもてなす。

喪主は、2泊3日の間、一睡もしない。上述した祭壇のある部屋にこもって、お香を絶やさないようにするのである。さらには、喪主は喪服を脱がない。つまり睡眠もシャワーもとらず、故人の冥福を祈るために2日間徹夜で香を上げ、弔問客をもてなすのである。ただでさえ傷心の喪主にとっては辛い時間であるはずだが、大事な人を喪った直後という最も精神的に危うい時間帯に人々と会い続けるのはそれなりに合理的なのかも知れない。

参加者:ほぼ家族のみ。コロナ時代を実感

喪主は2泊3日で弔問客に会うと書いたものの、今回のお葬式では家族以外の弔問客はほとんど無かった。その理由はコロナ(COVID-19)である。韓国でもコロナ対策で、大人数の集会の自粛が呼びかけられており、お葬式も例外ではない。そのため、今回はわたくしども家族の他には、故人が亡くなる直前に急遽入信したローマカトリックの神父さん一名以外は誰も弔問しなかった。葬式場の大きな食堂も、人が集まればこそ役に立つ。また、傷心の喪主を慰め、励ますという意味でも2泊3日の長丁場の葬式には弔問客の来訪が欠かせないと思うのだが、コロナのため人々が来ないために葬式場が余計広く、日程も余計長く感じられたものである。

内容:ひたすら待機のお葬式・涙涙の火葬場・自然へと還る樹木葬

改めてお葬式の具体的な流れを書いていこうと思う。タイムライン形式で書いていくので、長いと思ったら読み飛ばしていただいて構わない。

1日目:突然の訃報・飛び乗るKTX・式場泊

故人に不幸があったのは平日の火曜日だった。妻も僕も仕事中ではあったが、即座に勤め先に忌引きの申請を行い、受理された。翌日と翌々日の水曜木曜の二日間の忌引きである。

そもそも、妻の祖母の具合が良くないということは、前週の秋夕(チュソク)で大邱に行ったときに聞いていた。もともとチュソクでは家族親戚が一堂に会し、近況を共有したりするものだが、今回はコロナもあり、妻の一家とだけ会ったので何となく祖母の印象が薄かった。だが、妻はチュソク後も義母から、「そろそろ危ない」という話を聞いていたようだ。

最初僕は忌引きが一日分で十分かと思ったが、妻に言われて二日分申請することになった。正直、韓国でのお葬式が2泊3日も続くことを知らなかった僕は、「訃報を打ってからお葬式が始まるまでのタイムラグもあるし、長めに忌引き申請をしておけということかな」ぐらいの認識でいた。

妻とソウル駅で待ち合わせ、駅のプンシクチプ(粉もの料理屋)でうどんとキンパプを掻き込む。そのままKTXに飛び乗り、先週チュソクで行ってきたばかりの大邱に向かった。

大邱に到着し、バスを乗り継いで病院に到着すると、すでに夜であることもあり受付が閉まっていた。裏入り口から中に入ると、階段があり、そこを降りていくと葬式場があった。僕はこの時初めて韓国の葬式場は病院の地下にあるものと知った。つまり、韓国の葬式の風習について何も知らずに着替えだけ持って葬式場に来たのである。

靴を脱いで葬式場に入ると、食堂のような空間が広がっている。何故か小さい子供たちが騒ぐ声がすると思ってみると、妻の従妹たちの子供だった。すでに葬式は始まっており、妻の従妹たち(この人たちも故人の孫娘である)が弔問に来てくださったのだ。まずは祭壇のある部屋に入り、妻と一緒にお香を上げ、ぎこちなく故人の祭壇に対して礼をする。ついで義父母に対しても礼をする。食堂スペースに戻り、ひとしきり親戚の人たちに挨拶しながら改めて夕食を摂った。

親戚たちは帰り、義父母と僕たち夫婦だけが葬式場に残された。義父母は僕たちに、シャワーをして寝なさいと仰ったため、「お義父さまからお先にどうぞ」と言ったところ、喪主は葬式の二晩の間、喪服を脱いではいけないのだという。のみならず、喪主は寝てもいけなくて、二晩の間ずっとお香を絶やさないように祭壇の部屋にこもるということだった。ただでさえ、大事な人を喪って傷心状態の喪主に不眠不休でいさせて大丈夫かと心配になったが、考えてみると一番悲しい時間帯なので思いっきり悲しい気分に浸るという意味では合理的なのかもしれない。その間ずっと弔問客を迎えるシステムもある。家族や友人知人に慰めても貰える。故人との気持ちに区切りをつけるという意味ではよくできているのかも知れないと思った。

そんなことを考えながら、葬式場の別室にてシャワー(敷設されていた)を浴びて着替えて布団を敷いて寝た。

2日目:徹夜明けの喪主たち・涙の入館・ひたすら待機・親戚との会話・充実した食事

故人には大変申し訳ないが、平日の仕事終わりにKTXに飛び乗って300KM近く移動した上に異文化の色彩が濃厚なお葬式会場に突入した僕はぐっすり眠った。朝になって起きると、昨夜よりも憔悴した感じの義父母が食事を摂ろうと言う。言われるがままに朝食を摂る。食堂なので、厨房が敷設されている。例の、祭壇のある部屋のすぐ横に厨房スペースがある。そこからごはんと、ソゴギクッと、いくつかのナムルを取ってきてみんなで食べた。ソゴギクッは牛肉ともやしと大根の入ったキムチチゲスープの汁物で、こんな時に何だがとても美味しかった。

食事後、妻も喪服に着替える。僕は黒いスーツに黒ネクタイという万国共通の男の喪服なので特に異国情緒は無いが、妻は黒いチマチョゴリ(普通の服の上から着るようになっている)に、白いヘアピンをして韓国女性の伝統喪服に変身した。しばらくは何もせずに弔問客が来るのを待つ。昨日来ていた妻の叔母(故人の娘)が再合流した以外訪問客は無かった。今年はコロナのせいで、人々は葬式さえも自粛しているという現実が身に堪えた。

そして午前10時、入棺の時間となった。葬式場のすぐ隣にある霊安室に移動する。故人の亡骸と対面する。僕は旧正月や秋夕などで数回お会いしただけだが、それでも胸に迫るものがある。入棺は、故人の亡骸を丁寧に紙や布で包むことから始まる。その道のプロが熟練の技で、てきぱきと動いて故人を送るための服飾に包んでいった。まずは顔を紙で覆い、次いで布のようなもので完全に隠す。それから体も何枚もの紙や布で包み上げ、しっかりと紐で固定する。何となく、魂を高級ラッピングするような感覚であった。しかしながら、いざ故人のお顔を布で隠すのを目の当たりにすると、どうしても人が亡くなったという事実が胸に迫る。故人の娘にあたる義理の叔母と、故人の息子の嫁にあたる義理の母は、今までの明るい態度から一変して、感情を爆発させて号泣していた。故人は、30歳過ぎで夫を亡くし、その後女手一つで子供を3人育て上げた人である。日帝強占期、韓国戦争、その後の経済的困窮と、韓国の動乱時代を必死に生きてきた人であるだけに、遺された家族には万感の思いが去来したことだろう。故人の息子である義父は寡黙な男ではあるが、この時ばかりは大泣きされていた。もちろん妻も泣いていた。僕も思わずもらい泣きしてしまう。

気を取り直して、義父母がローマカソリックのしきたりにのっとり、聖書から有難い祈りの言葉を朗読した。義父母は、数年前にローマカソリックに入信した。また、故人も、亡くなる直前に病院で洗礼を受けている。そのため、棺にはハングルで「マリア」という洗礼名を縫い付けた布が被せられ、霊安室の遺体保管冷蔵室に大事に収められた。ここで故人は明日早朝の出棺を待つ。

入棺が終わると、またもや待機の時間となる。本当にコロナのせいで、誰も来ない。何となく昼食の時間となり、またしても美味しくいただく。故人には申し訳ないが、生きている人間は食べなければならない。昼食後も待機。ひたすら待機。義父母が、「君たちはちょっと横になりなさい」と言ってくださる。お言葉に甘えて別室にて横になる。というかまたしても少し寝た。故人には申し訳ないが、生きている人間は休まなければならない。

昼食(そして昼寝)後にもほとんど人が来なかった。一度、ローマカソリックの聖堂の神父さんが、代表で弔問に来てくださった以外は、家族以外は誰も来ていない。その家族さえ、夕方になってきてくれた親戚のグループが、病院の入り口(そう、葬式場は病院の地下にあるのだ)にてコロナ対策のための発熱チェックにひっかかり、平熱以上の熱があるということで、入り口のところで追い返されていた。本当にコロナという奴は…

夜の時間になって、ようやく複数の親戚が来る。この人たちは故人の孫にあたる人たちで、30代から40代の人たちである。妻のきょうだいの色々な人生相談に乗ってくれたり、僕たちの結婚生活の話をしたりした。何となく女性が多かったので、女の人生は自分も働き、子供を育て、家族に人生を捧げるのが本当に大変だ、という話で盛り上がる。『82年生まれ キム・ジヨン』的な世界である。

妻の家族は、みんな大邱の周辺に住んでいる。大邱というのは韓国南部の慶尚南道というところにあるが、この慶尚南道というのは韓国の中でも独自の文化があることで知られる。有名なのは方言。強烈な訛りがある。イントネーションがソウルと全く違う。日本語で言ったら東京弁と大阪弁くらい違う。僕はソウルでは言葉の聞き取りにほとんど不自由しないが、大邱に来ると韓国語リスニング力が半分くらいに落ちる。その大邱訛りの韓国語で、普段付き合いのない(=よく知らない)義理の家族の近況報告を3~4時間ほどするのに付き合っているうちに疲れてしまった。疲れが顔に出たのか、親戚の一人が、「婿殿、少し休まれては如何か」と仰って下さったので、お言葉に甘えて別室で休憩した。ちなみに葬式場は無料Wi-Fi完備だった。故人には申し訳ないが、生きている人間はツイッターをしなければならない。

3日目:早朝の發靷(出棺)・記憶を頼りに進む山中・樹木への散骨・道端での食事

明けて三日目の朝。例によって僕はぐっすり眠ったが、喪主である義父は二晩徹夜した後である。早朝4時半にみんなで起床し、荷物を整えてから5時半に發靷を行った。

發靷(はついん)は、韓国語である。パリンと発音する。出棺のことである。發靷は、棺の前に屏風と、簡易の祭壇を設けて行う。發靷は霊安室で行うのである。祭壇には例によってお香と、果物の供え物がある。一人ずつお香を上げたうえで、全員で礼をする。これを祭祀(チェサ)と言うらしい。チェサが済んだあと、男たちで棺を担ぎ、火葬場に向かうための大型観光バスに一旦棺を乗せる。棺は男四人で担ぎ、僕は右後方を担当した。その後故人の写真を抱えてバスに乗り込み、火葬場へと向かった。

二日ぶりに外に出ると、秋の早朝のピリッとした空気が出迎えてくれた。今日はいい天気になりそうだ。火葬場までの移動は、大型観光バスに乗って行った。今回はコロナのためそんなに人数がいなかったものの、本来であれば親戚一同集まっての移動ということで、こういう大規模な移動手段があるのだろう。

火葬場に到着する。すでに他の葬式から来た人たちが列を成している。「アイゴー」と泣きながら火葬場に入っていく遺族たちを見て、改めて気が落ち込む。我々もバスを降りて火葬場に入場する。火葬場は、とても事務的だった。棺を台車のようなものの上にそっと置いたところ、制服を着た火葬場の職員の若い男が、「それでは最後にご挨拶ください」と言う。みんなで改めて大泣きしてお見送りの挨拶をする。すると、職員が、「それでは火葬場へ移動させていただきます」と宣言し、台車を押して隣の部屋に行ってしまう。別の職員が「皆様、モニターをご覧ください」と言うので目を上げると、テレビモニターがあり、そこに火葬施設の入り口が映し出されていた。「それでは火葬させていただきます」と職員が宣言し、棺が火葬施設に入っていくのをみんなで見送った。と思うと、またしても職員が「それではこちらにご案内いたします」といって、1時間半ほどの火葬の間の待機部屋まで連れて行ってくれた。

火葬が済むと、お骨をもって再び観光バスに乗り込む。發靷の時は大きな棺を男4人で抱えたものだが、お骨は両手に収まってしまう大きさだ。どうしても、命とは儚いものだという辛気臭い気持ちになる。バスが再び動き出す。

故人の埋葬は、樹木葬だった。樹木葬というのは、先祖代々のお墓(土を盛り上げたもの)の隣にある木の根元に、穴を掘ってお骨を撒き、改めて土をかぶせるというものだ。大邱から車で一時間ほどのある山中に移動しての埋葬なのだが、この移動は義父(故人の息子)の記憶を頼りに行った。ために、途中で一度車を立ち止まらせて道を思い出すというプロセスが発生した。

樹木葬の場所は、のどかな田園地帯の山中であった。朝から好天に恵まれ、義叔母(故人の娘)は、「いい天気の日にオンマを見送れてよかった」と呟いていた。思わずもらい泣きしそうになる。バスが田園の小道に急に止まる。そのままみんなで義父について山の中に入っていく。えらく急斜面の山を20メートルほど登ると、丸い盛り土のお墓が二つある空間に出た。何となく小さな古墳を連想した。義父が、お墓のそばの木の根元をスコップで掘り返す。そこにお骨を撒き、再び土で埋める。埋めた土の上を、家族みんなで歩いて踏み固めた。その後義父母がローマカソリックのお祈りを捧げた。そして一人ずつ、最期のお供え物としてお酒(ソジュ)をコップにそそぎ、一杯ずつ土にかけて礼をした。親戚の一人が、故人が好きだった煙草をお香の横に置いた。こういうのは万国共通らしい。

礼を終えた後、山を降りて観光バスまで戻り、バスの前に茣蓙を敷いてちょっと早いお昼ご飯を食べた。葬式場の厨房でお弁当を作ってくれたらしい。改めて、いい天気だったのが印象に残っている。親戚たちと最後の会話を交わし、今回のお葬式を無事に終えることができた。

・文化の違い?印象的だったこと

宗教?

宗教について。わたくしども夫婦は無宗教である。それどころか酒は飲む、肉は食う、格闘技や投資は大好きという、神が裸足で逃げ出すタイプの夫婦であるが、上述の通り義父母はローマカソリックの信者になった。そのため故人も亡くなる直前にローマカソリックの洗礼を受けたらしい。

調べたところクリスチャンの場合、チェサでの礼などは立式で済ませるということらしいが、故人の場合はほとんどクリスチャンだった時期が無いせいもあってか、伝統的な韓国の葬式となった。なので、どちらかというと儒教式の古い礼節に則ったお葬式だったと思う。喪主が故人を偲んで二晩眠らずにお香を守ることや、喪服を脱ぐのが許されないこと等は、東アジア人の感覚的にはよく理解できる。

「忌引き」について

故人には申し訳ないが、生きている人間は金を稼がなければならない。富裕層ならぬ労働者たるわたくしども夫婦も例外ではなく、急な不幸のあった今回、勤め先に翌日からの忌引き申請を急遽行った。

この忌引きについて、韓国の職場ではチンガとウェガで対応が違うことがあるらしい。チンガは親家と書き、「父方の親戚」のことである。ウェガは外家と書き、「母方の親戚」のことである。そして、今回のお葬式で聞いた噂では、父方の親戚の葬式は忌引きが認められるが、母方の親戚の葬式は忌引きが認められないことがあると聞いた。

それで言ったら僕なんて血のつながりのない故人(妻の祖母なので)の葬式の忌引きが何故認められたのかよく分からなくなるが、何となく父方の親戚こそ本当の親戚とされる韓国らしいと感じた。韓国は夫婦別姓だが、子供たちは基本的に父親の姓を継ぐ。

「泣くこと」について

今回のお葬式では、喪主は故人の息子(妻の父)であった。故人の娘(妻の叔母)や、故人の息子嫁(妻の母)も出席した。女性陣は、長い長い葬式の間基本的には元気そうだったし、明るくお喋りをしているように見えた。だが、弔問客が来たりすると、特に久しぶりに会う親戚であることもあり、祭壇の前に行く度に泣いていらした。もちろん、入棺出棺それぞれでも大泣きされていた。また、火葬場で他の家族たちの様子を見ていても、やはり大泣きされていた。やはり家族との別れと言うのは重い。日本では何となく大人が人前で大泣きするというのは、たとえお葬式でもあまり見かけないが(すすり泣きなら多い)、本来このくらい大泣きするのが自然だと感じた。

・韓国で初めてお葬式に参加して、次回から準備したほうがいいと思ったもの

僕は外国人でもあり、年齢が30代とそれなりに若いのもあって、今回が韓国で初めての身内のお葬式となった。なので色々と知らないことばかりであったが、次回からは準備しておいた方がいいと思ったものを整理しておきたい。

事前の確認:家族の連絡先・お金・忌引き制度・お墓の確認

まずは事前の準備である。これは、事務的なものが含まれる。

家族の連絡先は常に把握しておこう。当たり前かもしれないが、これが出来ていないと、かなり大変なことになると思った。「あれ?親戚のあの人の電話番号何だっけ?」みたいになると不便だし、第一相手にも失礼だったりする。日ごろから電話番号を掌握しておき、できればたまに5分くらいの短い電話をして顔を繋いでおこう。

お金について、今回のお葬式は400万ウォンほどかかったと聞いている。これは葬式場代だけなのか、火葬や移動まで含まれているのかは残念ながら確認できなかった。が、最低でもこのくらいかかるということは知っておいた方がいいかもしれない。いざというときに葬式も出せないとなるとこれまた悲しいので。

勤め人の場合は忌引き制度も日ごろから把握しておこう。上述した父方母方どちらの家族でも忌引きが使えるのか、使えるなら何日まで使えるのか、確認しておけば慌てることは無い。特に、2泊3日がデフォルトであるなら最低でも二日は勤め先にご迷惑をおかけすることになってしまうので、前もって確認しておこう。もちろん、何日の間お葬式を出すのかについてはその都度確認してから忌引きを申請しよう。

お墓がどこにあるのかはしっかり確認しよう。今回、故人は慶尚南道の田舎の山の中に埋葬されたわけだが、本当に何にも標識がない山の中だった。どの盛り土がどこの家のお墓なのか、日本みたいに「何々家の墓」と書いてあるわけでは無いので、関係者以外には分からないだろう。だからこそ先祖の墓を守るという概念が生まれるのだろうけれど。もっとも、納骨堂やその他宗教施設に埋葬する場合はまた違うかも知れない。

心の準備:宗教・遺言・外国で死ぬということ

辛気臭い話が続くが、お葬式について語る上ではこれは避けて通れない。

そもそも家族もしくは自分が何か宗教はあるのか、お葬式はどういうスタイルでやってほしいのかは事前に確認しておこう。わたくしども義父母の場合は最近ローマカソリックに入信したので、韓国伝統葬式とカソリックのミックスとなったが、人によって全然違うものと思われる。

遺言・そして外国で死ぬということについて。この記事は、結婚などで韓国人と家族になって韓国でお葬式をあげる日本語人を対象に書いている。多くの場合、日本で生まれて異国である韓国で死ぬということについて、かなり真剣に考えた上での移住だと思われる。まさに釈迦に説法のようだが、改めて自分が外国で骨をうずめるということについて考えよう。骨は韓国に埋めてほしいのか。それとも日本にも半分持っていく(そういうことが出来れば)のを希望するのか。遺言は誰宛てに、何語(韓国語?日本語?その他?)で書くのか。改めて考えてみよう。

以上、長くなったが韓国でお葬式に行ってきた話をこれにて終えることとする。

韓国に住む日韓夫婦の「秋夕(チュソク)」里帰り@2020年

あにゃーせよ!(안녕하세요!)妻を追って韓国に移住した아츠시です。今年も秋夕(チュソク)の連休を利用して妻の実家のある韓国南部の都市・大邱(テグ)に2泊3日で里帰りをしてきた。色々と興味深いことがあったので、写真や動画で振り返ってみたいと思う。

いきなり言い訳がましくなるが、とても楽しかった。そして、チュソクが楽しかったと言えば言うほど嫌われてしまうのが在韓日韓夫婦の定め…!

そもそもチュソクとは何か?一般的には「韓国版旧暦お盆」と理解されていると思う。僕もそれはほぼ正しい認識だと思う。ご先祖様の霊が、あの世から帰ってくるイベント。日本だってお盆と言えばそういう建前で、田舎の実家にみんなで帰省していたはずだ。そして昔は旧暦でやっていたはずなのだ。韓国(や中国)では、そういう伝統イベント(お盆や正月)は今でも旧暦で行っている。

それでなぜ「チュソクが楽しかったと言えば言うほど在韓日韓夫婦のコミュニティの中で嫌われてしまう」のか?それにはちょっと解説が要る。

まず、韓国在住の日韓夫婦は、「韓国人夫+日本人妻」の組み合わせが圧倒的多数派だと思う。つまり、韓国に嫁入りしたパターンが大部分なのである。そういう家庭では日本人妻は「ミョヌリ(=日本語で言うところの「嫁」)」として、チュソクでご先祖様にお供えする料理(写真は下記に掲載)の準備をするための労働力として期待されるのである。姑と!嫁が!大量の料理を!するのである。それが嫌で嫌で仕方ない、そもそも大人数の(普段別に親しく付き合ってるわけでもない)義理の家族と顔を合わせるだけでもストレスなのに、さらにタダ働きさせられるのはもう精神的に参ってしまう、というのが「一般的な韓国在住の日韓夫婦の日本人妻」のチュソクのイメージであるらしい。

ちなみに韓国と日本の両方で話題を呼んだ『82年生まれキムジヨン』という韓国小説にも、チュソクで夫の実家に帰省して姑と一緒に料理したりタダ働きに汗を流す妻と、そんな妻を横目に自分の実家でくつろぐ夫の姿が対比されている。韓国人女性でさえ夫の実家(シジプという)での姑との労働やそれに付随するもろもろの会話は鬱になるのだから、異国の地に嫁いだ日本人妻にとってはそのストレスは想像に難くない。

『82年生まれ、キム・ジヨン』は名作なので、まだ読んでない方は是非読んでみてください
結局エンジョイした

という、一応日本人妻たちの辛さは認識はしているというアリバイを作った上で、今回の楽しかったチュソクの振り返りを行っていきたい。

ちなみに今回のチュソクは、コロナ(COVID-19)の拡散後初の名節(韓国語ではミョンジョル)となった。2020年初から韓国でも大拡散したコロナだが、旧正月(ソルラル)の時点ではそこまで拡散していなかった。そのため、「民族の祭典」たるチュソクとはいえども、今回ばかりは国民に帰省の自粛を呼びかけるべきかどうかが国政レベルで真剣に議論されていた。結局は国家からは「自粛」というほど厳しい呼びかけは行われず、「帰省はオンラインで」「顔合わせより家族の安全を」といった、奥歯に物が挟まった曖昧な言い方に留まったという印象である。

何となくこんな感想を持った

さて、チュソクの帰省である。ソウル駅からKTXに乗り、妻の実家のある韓国南部・慶尚南道の大邱(テグ)を目指す。

コンユ主演のゾンビ映画『釜山行』をイメージしたツイート。実際は浦項(ポハン)行きでした。
いや4分の1じゃなくて2分の1ですけどまあそこは突っ込まない

わたくしども夫婦はソウルから大邱までの移動を、KTXという韓国の高速鉄道に乗って行った。KTXは、日本で言うなら新幹線のようなものと理解してもらえればよい。前述の通りチュソクでの民族大移動によるコロナの感染拡大が危惧される中、公共交通機関の中でも長距離移動の大動脈であるKTXは、コロナの感染源として最も危険視されていた。そのKTXは、乗客の搭乗を「窓際席のみに限定」するという荒療治で乗り切った。つまり、席を予約する段階から窓際席のみ選択可能とする方法を取ったのである。これなら客と客の間が最大化できる…が、単純に考えてもこれはKTXのチケット売上高を半分まで落としてしまう。(座席をフルで売った場合は一列あたり窓際+通路側+通路側+窓際の4席。窓際のみの場合は2席。ツイートで4分の1と書いてあるのは盛大なる間違いである。)

KTXの東大邱駅を降りると、広々とした駅前が広がっている。どうやら再開発を行っているらしい。噴水などもある優雅な雰囲気である。

ここから、地下鉄東大邱駅へと向かう。この地下鉄東大邱駅が面白かった。

まず、「文学自販機」というものがあった。

東大邱駅の「文学自販機」

東大邱駅の地下鉄構内に「文学自販機」というものがあった。これは、ボタンを押すと無料で詩の書かれた紙がプリントアウトされてくるというものである。さすが文学の国、韓国。詩人の国、韓国。優雅さが違う。

韓国、東大邱駅の地下鉄構内で見つけた「文学自販機」
文学自販機からプリントアウトされた詩

もう一つ面白かったのは、「音の出る階段」。階段を登るたびにドレミの音が出る楽しい仕掛けである。これは色々な駅に設置されているらしいが、僕はここ東大邱で初めて見た。

音の出る階段

地下鉄にしばらく揺られ、無事に妻の実家に到着した。

可愛い猫にお出迎えされたりした。

猫がお出迎え
カカオ エモティコン

注意:ここから先は美味しそうな韓国料理の写真が出て来ます

妻の実家に到着した初日は参鶏湯(サムゲタン)という料理をご馳走になった。ツイッターでお世話になっている韓国人の博士様によると、婿が夜に頑張れるように義母が作る定番料理だそうだ。

サムゲタン.jpg

また、豆腐と大根と牛肉のスープ(ソゴギムックッという)もご馳走になった。地味なようだがとても美味しい。

翌日朝は10月1日。秋夕(チュソク)本番である。先述した通り、ご先祖様の霊をお迎えするというお盆的なイベントであり、より正確にはチャレ(茶礼)というらしい。秋夕や旧正月の年2回、ご先祖様全体に対する礼を執り行う儀式である。一方でチェサ(祭祀)というのもあり、これは具体的に亡くなった方を想定し、その命日に行うものであるらしい。

お供えの料理は妻のお母様(チャンモニム)が準備して下さった。

写真を見れば分かる通り、多くの飲食物が供えられる。米の飯や果物、魚、タコ、ジョン(チヂミ)などである。また、マッコリという酒を何度かに分けてテーブルの上に乗せる。お香を焚き、マッコリの杯を持ってお香の上で円を描くように回し、テーブルに備える。

お供えのセッティングが出来たら、クンジョルという礼をする。両手を頭の上に持っていき、床に両手をつきながら両膝をつく。僕は中学高校時代、弓道の稽古に明け暮れていたので、こうした礼は嫌いでない。

礼がすんだら、お供えを少しだけ残して、家族で食す。これもまた古き良き時代の習慣という感じで良い。朝からマッコリ。

食事後に妻の家の中でわたくしども夫婦の臨時寝室として使わせて頂いている部屋に戻ると、箪笥の立派さに改めて驚いた。昔気質の家には今でも多くあるらしい。

日本と韓国は文化が似ているが、美意識という面では韓国には何というか卓絶したものがある気がする。この箪笥もそうだった。

こうしたちゃぶ台は日本と同じか。

朝食を茶礼のご馳走で大食したせいか、昼食はみんなでスキップすることになった。そこで、天気も良いことだし大邱市内にある大邱水辺公園という自然公園に赴いた。

自然にあふれた公園で、散歩しながら、僕、妻、妻のお母様の3人で色々な話をした。

今回の大邱行きでは、家族の会話というのを多く行ったのであるが、その中でも最も大きな話題はずばり「子供」のことであった。わたくしども夫婦は結婚して2年になるのだが、夫婦の合意の下、避妊を続けてきた。だが、年齢の問題もあり、そろそろ…という話をしている。義実家のご両親や、私自身の希望もあるので、そろそろ本腰を入れて取り組んではどうか、という話をしてきた。繊細な問題であるが、私自身韓国社会である程度基盤を築きつつあるので、夫婦でよく話しながら実行していきたい所存である。こうした、普段意識しながらもなかなか言いづらい話を敢えてできるのも、名節のようなイベント性のある時期ならではのことではないだろうか。

楽しい時間はあっという間に過ぎ、大邱を離れてソウルへと向かう時間となった。ご馳走になったお礼と、日ごろの感謝の気持ちを込めて、わたくしども夫婦はご両親にヨントン(現金のプレゼント)を行った。韓国では、家族の間で口実を見つけてはこのヨントンの交換が盛んにおこなわれる。僕は日本では現金を送りあうなんてしたことが無かったので最初は抵抗があったが、銀行間の送金手数料がタダであることが多いのと、送る回数が多い割には送られる回数も多いので、結局儀式的にお金を「送りあっている」ということが徐々にわかってきたため、いつの間にかわたくしども夫婦もご両親にヨントンを送るのが普通になった。今回は帰省したこともあり、手渡し。

さて、再びの東大邱駅である。帰りは夜になった。

そう、大事なことを言い忘れていた。大邱は韓国の中でも、初期にコロナが大拡散してしまった都市なのである。それもあって、街のいたるところに「マスクを着用しよう!」というメッセージが掲げられていた。ソウル首都圏でも多いが、大邱はそれに輪をかけて徹底されていた印象がある。これも、初期に感染爆発に苦しめられた大邱ならではと言えようか。10月になった今では大邱は韓国でも一番コロナが少ない地域となっている。

【コロナ】マスクをしよう:韓国・大邱(テグ)の看護師からの伝言

さて、今ではコロナ対策もあって、KTXに搭乗する際には、アンタクトで消毒が可能である。アンタクトとはUntact,非接触非対面を意味するコングリッシュ(英語風韓国語)であるが、コロナをきっかけに社会的に急速に普及しつつある。

同様に、コロナ対策のために密を避けてプラットフォームの待合室のような場所は完全に封鎖されていた。

そんなこんなでまた2時間KTXに揺られ、無事にソウル駅へと到着した。本当に楽しい時間を過ごすことができたので、妻と義理のご両親には感謝してもしきれない。このチュソク連休が終わったらまた頑張って働こうと新たに心に決めた次第である。

@AtsushiSeoul

今週の #韓国ブロックチェーン (2020年9月27日週)

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今週の #韓国ブロックチェーン (2020年9月13日週)

#韓国ブロックチェーン #ブロックチェーン #カカオ #新韓銀行

今週の #韓国ブロックチェーン (2020年9月20日週)

#韓国ブロックチェーン #ビジットミー10万人突破 #コロナ #ブロックチェーン振興法 #ディサイファー #ソウル大学 #カカオ #クハダ #新韓銀行 

江南のSMタウンのこと

ソウル中心部にある江南(カンナム)の旧SMタウンに行ってきました。

最近ニュースにもなっていましたが、この巨大スクリーンは定時になると、波の映像を映し出します。ものすごい迫力です!

定時以外の時間には普通のコマーシャルなどを流しているみたいですね!

肝心のSMタウンですが、移転に伴って立ち入りが出来なくなっていました。悲しい。

今後はどこに移転するのでしょうか。気になります。

#韓国生活 #日常 #ソウル

今週の #韓国ブロックチェーン (2020年9月20日週)

#韓国ブロックチェーン #ビジットミー10万人突破 #コロナ #ブロックチェーン振興法 #ディサイファー #ソウル大学 #カカオ #クハダ #新韓銀行 

ブロックチェーン基盤のQRコードアプリ「ビジットミー(VisitMe)」

韓国国会で「ブロックチェーン振興法」を発議した与党「共に民主党」の李相珉(イ・サンミン)国会議員の国会公式ホームページ(韓国語)

ソウル大学のブロックチェーン専門学会ディサイファー(Decipher)の公式ホームページへ

おすすめの韓国ドラマ

あんにょんはせよ!あつしです!今日は私のおすすめの韓国ドラマ・トップスリーを紹介します!

まずは『賢い医師生活』です。

病院を舞台に、お医者さんの生活を描くドラマなのですが、ただの医療ドラマじゃないんです。

主人公は、大学の医学部入学以来の仲良し5人組のお医者さんです。

歳はもうすぐ40歳ということで、いわゆるアラフォーで中堅のお医者さんたちなのですが、

この先生たちの絡みが滅茶苦茶面白いんです。

医療ドラマというと、手術があったり、患者さんが亡くなったり、シリアスなイメージがあると思いますけど、

このドラマはそういうシリアスなのももちろんありますが、むしろ主人公たちの私生活とか、激務の間をどう楽しむかということに焦点が当たっているんです。

こういう、主人公たちがわちゃわちゃ絡む話って、日本だともはや学園もの、少年漫画とかでしかもう見れないような気がするんですが、

このドラマはアラフォーの大人たちが仕事もしっかりこなしつつ、日常をそれこそ賢く楽しんで行く、というのが描かれているのがいいんですよね。

2つ目が『ハイエナ』です。

これは弁護士が主人公の物語です。主人公のチョン・グムジャ、一匹狼の弁護士です。

庶民派で女性ということで、弁護士の世界でも割と非・主流派を歩んできたという設定ですが、

あることがきっかけで『ソンアンドキム』という大手弁護士事務所にジョインすることになります。彼女にはじつは凄惨な過去があるんですが、ストーリーの中でだんだんと分かってきます。

もう一人の主人公は、ユン・ヒジェ。彼は法曹界のエリート一家に生まれて、ソンアンドキムで順調に弁護士としてのキャリアを築いているのですが、チョン・グムジャとあることがきっかけで出会うことになります。

二人の出会いも面白いですし、その後の展開も予想を裏切ることの連続で面白いんです。弁護士ものというと、裁判での派手な立ち回りばかり強調されがちですが、このドラマはそんな弁護士たちの世界、小規模事務所と大手事務所の世界観の違いとか、大手の中での権力闘争、あとは事件として出てくるスタートアップでの過労死とかストックオプションをめぐる争いとか、かなり現代的なテーマが目白押しで面白いんです。

3つ目が『60日、指定生存者』です。

韓国の国会議事堂が爆破され、演説中の大統領を含めて国家の要人がみんな亡くなってしまうという衝撃的なシーンから始まります。主人公のパク・ムジンは、閣僚の中でもあまりぱっとしない環境問題担当の大臣だったのですが、爆破事件によって空席となった大統領の代わりに、大統領権限代行としていきなり国家運営のかじ取りを迫られるようになります。

ご存じの方も多いでしょうが、これはアメリカ版ので”Designated Survivor”(邦題は『サバイバー・宿命の大統領』)ですが、その韓国リメイクです。ただ、韓国とアメリカの憲法の違いや、韓国の置かれた国際的、国内的な政治状況を考慮して、大幅に作りが変わっています。

このドラマの一番の見どころは、やはり普通の市民である主人公のパク・ムジンが、いきなり大統領という重責を背負わされて、苦悩しながらもその都度素晴らしい決断をしていく姿です。 実はパク・ムジンは大学教授であって、選挙で選ばれた政治家ではないという設定なのですが、そういう政治の素人の主人公が、政治の中心のなかで揉まれて、人間としても政治家としても成長していくのが本当に面白いんです。政治が目指すべき正義とは何か、国を率いる政治家のリーダーシップとはどうあるべきか、といったことに興味がある方にはお勧めです。

動画での解説はこちら

ちなみに、三作ともすべてネットフリックスで視聴することができます。

是非観てみてください!

#韓国 #韓国ドラマ #賢い医師生活 #ハイエナ #指定生存者