【ソーシャルディスタンス】コロナ時代の韓国での映画館【韓国】

ソウルの映画館で、『鋼鉄の雨2』を観てきた。

日本ほどではないにしろ、韓国でもコロナウイルスがまだまだ収まらない状況である。

そんな中、韓国の映画館では、どのようにコロナ対策を行っているのか気になっていた。実際に行ってみて、興味深かったので簡単に紹介する。

1.チケット購入の時点から「ソーシャルディスタンス」

私は映画館の券売機でチケットを購入した。その時の操作画面が以下の動画である。

どうなっているのかというと、チケットを映画館で購入する際には、

「“選べる席”がすでに間引きされている」

ということなのだ。

座席選択画面をもう一度見てほしい。

座席選択画面
選択画面の赤い部分を拡大

ちょっと見づらいが、座席の種類が上のように分かれている。

左から、

「選択した座席」(紫色のマス。私が購入しようとしている。)

「予約済み座席」(バツ印のマス。すでに他のお客さんが購入済み。)

「選択不可」(灰色のマス。)

「間を空けるための席」(白いマス。)

という意味である。

つまり、購入済みの座席の他に、「そもそも選択できない席」を確保することによって、映画観客同士のソーシャルディスタンスを実現しているわけである。

2.体温測定

これはシンプルである。チケットを購買し、ポップコーンを携えていざ入館しようとすると、下記の写真のように体温測定が求められる。

ちなみに36.3度でした

写真に2台映っている細長い機械の上の部分がカメラとなっている。顔を映し、体温を計測しないと入れないことになっている。

以上、韓国の映画館のコロナ対策を紹介した。

【韓国ドラマ】『サイコだけど大丈夫(사이코지만 괜찮아)』所感

『サイコだけど大丈夫』というタイトルには、複数の意味がある。自閉症のような発達障がいがあっても、「普通」の人と同じように生きて、幸せを追求する権利があるという意味もあるし、他人に共感することのできないサイコパスのような自己愛が強い人間でも、周りの人間といつしか折り合いをつけて幸せに生きていくことができるはずだ、という意味もあるだろう。

美男美女の恋愛は観ていて美しいものの、このドラマの主人公はやはりムン・サンテである。少年時代に遭遇した事件のトラウマに囚われていたサンテは、1年に1回その悪夢を見てトラウマがよみがえり、逃げるようにして弟のガンテと共に居を転々としていた。そして、偶然にも少年時代に住んでいた町に再び戻ることになる(チャンポンが美味しい店もある)。

サンテの夢はキャンピングカーを買うことである。自分のせいで居を転々とする不安定な生活を弟に強いていることを気にしているサンテは、キャンピングカーを買えば気ままに全国を渡り歩いて暮せると考え、アルバイトを始める。サンテとガンテの兄弟に何故か毎年ついて引っ越しする変わり者のジェスのピザ屋で、アルバイトをする。また、掛け持ちでガンテの勤務する精神病院で壁画を描くアルバイトもする。謝礼は「出来を見て決める」という心もとない条件だったが。

そんな中、弟ガンテのことが「欲しい」と欲を出した童話作家のコ・ムニョンのところで、絵本の挿絵を描くという仕事もすることになる。同じ病院に勤めていたナム・ジュリとその母が暮らす家に下宿していたサンテガンテ兄弟は、コ・ムニョン作家の邸宅で暮らしながら絆を深めることになる。事件も起こる。コ・ムニョン作家の失踪した行方不明の母親や、サンテガンテ兄弟が働く精神病院に入院しているコ・ムニョン作家の父親をめぐり、謎解きが展開していく。一方で、PTSDに苦しむベトナム帰還兵の老人をとっさに介抱したり、徐々に周りの人間を助ける経験を積んだりしながら人間的に成長していく。

最終的に、ある事件においてサンテが決定的な活躍をする。さらに、コ・ムニョン作家が無事に小説を出版したことで、自他ともに認める「作家」となったサンテは、自らのアイデンティティを確認する。「誰かに必要とされている自分」を確認したサンテは、今までのように弟ガンテを束縛する生き方を捨て、笑顔で弟と別れるのだった。

「ムン・ガンテはムン・ガンテのもの!」

劇中何度も登場する台詞であるが、サンテガンテ兄弟ともにこの境地に至る過程を描くのが、このドラマの全てであったと言えるだろう。

【韓国映画】『鋼鉄の雨2(강철비2)』所感

「国民が統一を望まなければ、決して統一は実現しません。国民の皆さん、統一を望みますか?」

米朝国交正常化の交渉のため北朝鮮の東海岸・元山(ウォンサン)に集結した北朝鮮・アメリカ・韓国の3首脳を、国交正常化に反対する北朝鮮の軍部がクーデターを起こして拉致する。軍部は3首脳を、最新式の原子力潜水艦に監禁して東海(トンへ)へと出航する。緊迫する情勢の中、監禁された米国大統領が自白剤で自白を強要され、また、ホワイトハウスや青瓦台での会話から、映画の観客は前代未聞の3首脳拉致事件を引き起こした強大国の思惑を知ることになる。

米国はネオコンが中国をアジアのナチと呼び、戦争を起こして中国を焦土にしたいと考えており、尖閣諸島をめぐり日本と中国を衝突させようと画策していた。その日本は中国との戦争準備をきっかけに再軍備を進め、「日本が勃興する時には常に朝鮮半島での戦争があった」という歴史の教訓をもとに、北朝鮮の軍部に巨額の円を密輸することで北朝鮮軍部に核ミサイルを韓国に発射させ、第二次朝鮮戦争を引き起こそうとしていた。さらにその情報を中国がつかみ、北朝鮮の核ミサイルを韓国でなく日本に発射させようと北朝鮮軍部をけしかけ、このクーデターに至ったのである。韓半島(ハンバンド)の周辺大国が自国の利益のみ考え、大国同士裏切りあっている構図である。もちろん、残念ながらそこに韓半島に対する配慮は微塵もない。

映画の見どころは、3首脳を拉致した原子力潜水艦と、日本の海上自衛隊の潜水艦戦である。音のみで相手の位置を把握し、裏をかき合って戦う潜水艦戦の醍醐味を余すことなく表現している。

もちろん、韓半島をめぐる状況を象徴的に描くシーンにも事欠かない。潜水艦の中での戦闘において、手りゅう弾が3首脳の近くに転がってくる。その手りゅう弾を南北の首脳がチームワークで安全に処理する。その間、米国大統領は恐れをなして隠れてしまう。南北の問題は、結局当事者である南北にしか解決できないし、解決すべきだというメッセージだろうか。チョンウソン演じる韓国大統領は、北朝鮮、米国、中国、日本といった手強い相手に翻弄されながら、生きるべき道を粘り強く模索していく。潜水艦からの脱出シーンでは、北朝鮮の首脳に対して、「対話を模索してほしい」と強く訴える。その呼びかけに応じる北の首脳。

結論を言ってしまうと、映画はハッピーエンドである。米朝国交は正常化し、南北統一に向けた動きも進展する。最後のシーンで、韓国大統領が光化門の前で演説を行う。その内容は、映画全体のメッセージでもある。

「統一は可能でしょうか?そう問われるたびに私は、“もちろん可能です”と答え続けてきました。しかし、今告白します。実は内心、常に恐れてきました。 国民が統一を望まなければ、決して統一は実現しません。国民の皆さん、統一を望みますか?」

「愛してる」は言いにくいが「サランへ」は言えるのは何故か

「サランへ」という。

사랑해、である。

一般的には「愛してる」と訳される。

だが日本語だけが母語の人は胸に手を当てて考えてもらいたいのだが、

人生で何回くらい「愛してる」と口にしたことがあるだろうか。

少なくとも私は一度も無い。

嘘くさい。

本当じゃない気がする。

そんな感覚は無いだろうか?

それもそのはずで、日本語には「愛する」という言葉は元々なかったのだ。

そんなわけないって?

そもそも愛という字は一般的にはせいぜい「めでる」という訓読みくらいしか無い。

「アイ」は音読みであり、それは中国語の諸方言と比較してみても分かる。

よく指摘されるように、「I love you」のような英語を無理やり日本語に訳すために、19世紀に大急ぎで作った言葉の一つが「愛する」なのだ。

だから嘘くさい、本当じゃない感じがする、という言語感覚は正しい。日本語として定着しきっていないのだ。

一方韓国語の사랑해は違う。

家族同士でも使える。息子よ、사랑한다. お母さん、사랑해.

友達同士でも使える。사랑한다, 友よ!

当然、恋人同士でも。자기야, 사랑해.

何なら学校の先生にも使える。선생님 사랑해요~! これは「先生ウェーイw」くらいの語感だろうか。

こうして사랑해の用法を日常会話で学んでいくにつれ、私はそもそも日本語に사랑に相当する言葉は無いことを確信した。

だが、ここで一つの問題にぶつかる。

사랑が日本語に無いというのは、 実は日本語人は人を사랑できない人たちなのではないだろうか?という疑念である。

サピア=ウォーフの仮説というものがある。これは、人間は言語を通して世界観を持つ、という考えだ。

言語は、人が世界を認識する「窓」のようなものだとすると、

サランという窓のない日本人は、果たして韓国人のように人に接することができるのだろうか?

そういう疑念である。

実はこの疑念、韓国語人だけでなく、英語人も持っているという印象がある。

かつてツイッターで見かけたが、

・日本人はThank youのつもりで「すいません」と言い、

・日本人はI love youのつもりで「ありがとう」と言う。

という趣旨の指摘を、日本人と結婚して日本に住む英語人がしていたという。

やはり、I love you に1対1で相当する日本語が無いという感覚を、英語人も持っているのだろう。

【韓国カフェ】植物園風カフェについて

韓国は連日の雨である。もう8月9日だというのに、毎日のように豪雨が降る。韓国全土で大雨洪水の被害が出ている。被害に遭われた方にお見舞い申し上げる。

私も、近所の漢江の増水を肉眼で確認してきた。

さて、暴風雨の中のんきながらカフェに行ってきた次第である。

カフェの名はグリーンパークカフェ(gleenpark cafe)という。

なかなかの店構えである。

どうも最近は、こういう倉庫のような建物を丸ごとカフェに仕立てるのが流行っているらしい。

カフェの世界は奥深いものだ。

日本の情報さえ韓国サイトのほうが見つけやすい件

先日、調べ物をしていた時に驚いたことがある。

あるテーマでグーグル、ヤフージャパン、そしてネイバーで検索したところ、得られた情報はネイバーでのものが圧倒的に整理されており見やすかったのだ。

なぜ驚いたのかと言えば、検索した内容が日本に関連するものだったからだ。

元々、私は妻が韓国人でもあり、妻と一緒に日本旅行に行く際に妻がネイバーで旅行情報を検索するのをしばしば見ていた。

ところが、日本人である私よりも、ネイバーで(韓国語で!)検索した妻のほうが、日本のことに詳しいように見えた。

美味しい料理のお店、洋服屋、温泉旅館等、様々な情報を仕入れてくるのである。

その秘密は、ネイバーブログというものにあるらしい。ネイバーのプラットフォーム上に展開される、ブログである。

日本と違い韓国では、プラットフォームがネイバーに集約されていることもあるため(グーグルの使用率はかなり低い)検索したい情報はますますネイバーに集まることになる。

結果としてネイバーにない情報は無いぐらい、情報が集まってくる。

そして韓国の人は日本の社会、経済、文化のことをよく研究し、現地で働いたり生活している人も多いため、韓国語での情報をネイバーに投稿している。

そうしていつの間にかネイバーに日本の情報が日本以上に集まることになったのかも知れない。

【韓国】【民主主義】光州5.18民主化運動40周年について

本日5月18日は韓国にとって特別な日だ。今からちょうど40年前の1980年5月18日、韓国南部の光州(クァンジュ)という街で、軍部の独裁に反対する市民たちを戒厳軍が無慈悲に虐殺するという悲劇が起こった。

韓国はそれまで20年近く軍事独裁によって国を率いてきた朴正煕大統領が前年に暗殺されたばかりだった。独裁が終わるかという国民の期待もむなしく、権力は新たな軍部によって掌握され、新しい独裁が始まった。それに対抗して民主化を求める市民たちの動きを、国家の暴力機構が残虐に弾圧したのが光州事件である。

今日、韓国は公休日ではなかったものの、大統領が直接光州を訪れ、記念式典が開催された。式典の模様はテレビやインターネットで中継され、私もインターネットで見ることができた。

テレビ中継された式典の様子。余談だが、ソーシャル・ディスタンスをしっかり守っている。

国歌斉唱に始まり、大学生らによる事件への想いの朗読、関連映画のシーンの紹介(口述)、事件の犠牲者遺族による演説に続いて、文在寅(ムンジェイン)大統領からの演説があった。演説の全文を、「ニュースタンス」の徐台教(ソテギョ)代表が日本語訳して記事を発表されていたので、リンクを貼ろうと思う。

https://www.thenewstance.com/news/articleView.html?idxno=2852

演説の中で印象的だったのは、文大統領が当時の国家としての過ちを認めたうえで、真相究明を力強く宣言したことだ。文大統領は軍事独裁時代は人権派弁護士として民主化運動に多大な貢献をした人である。一人の人間の生き方としても首尾一貫しているし、韓国が難しい歴史と正面から向かい合っているのがよく分かる。

私は、大韓民国に暮らす一人の移民として、韓国の人たちが社会を良くしようとしている姿にとても感銘を受けている。植民地や分断、戦争、軍事独裁といった過酷な歴史を持ち、経済格差や人権問題を抱えながらもそれらを解決していく様子がとても印象的だ。日本語で韓国に関する情報を検索すると、ネガティブなことばかりヒットするが、実際にはそのネガティブな現実をダイナミックに解決する様子が見て取れる。個人的にはそうした肯定的な動きを、このブログで伝えていければいいと思う。

さて、光州民主化運動を含む韓国の近代史を知るための韓国映画をいくつか紹介して記事の締めくくりとしたい。

韓国を20年近く軍事独裁で率いた朴正煕の、最期の日々と側近たちとの葛藤を描いた『南山の部長たち』。イ・ビョンホン主演で、長期独裁末期の沈鬱な雰囲気を粛々と描き出す渋い作品である。この作品のクライマックスで朴正煕が暗殺され、側近の一人である全斗煥(チョン・ドゥファン)将軍が新軍部独裁体制を築いてゆく。

https://www.netflix.com/kr/title/81259473

518事件を光州の人たちの視点で描いた『華麗なる休暇』は、生々しいが是非観てほしい作品だ。平凡な市民たちが、軍部による市民の弾圧に怒りを爆発させて武器庫を襲撃して武装し、市民軍を結成する。一時は光州市街中心部から軍を追い出すが、最終的には玉砕してしまう。市民たちの犠牲を生々しく描写している。

https://www.netflix.com/kr/title/70138960

そんな光州での出来事を、外からの取材者の視点から描いたのが『タクシー運転手』だ。ソンガンホ主演で、日本でも有名だが、ドイツのジャーナリストが光州での事件を取材にいくのを手伝うタクシー運転手や光州の人たちの視点から悲劇を描き出す。「どうか生き延びて、外の世界にここで起きていることを伝えてくれ」というメッセージは、事件を韓国の外や未来の世代に伝えたいという、韓国の人たちの心の叫びにも聞こえる。

https://www.netflix.com/kr/title/80200945

光州とは直接の関係は無いものの、『弁護人』は軍事独裁時代の雰囲気を知るために是非観てほしい。これまたソンガンホ主演だが、これには深い縁があるので別の記事で書こうと思う。ソンガンホが演じる主人公は、いわゆる銭ゲバの弁護士だった。ところが、知り合いの学生が軍部に連行され、拷問の末北朝鮮のスパイということにされそうになる。義憤を爆発させた主人公は弁護を引き受け、軍事独裁を支える検察や警察に立ち向かっていく。この裁判をきっかけに民主化運動に身を投じた主人公自身も逮捕されるが、弁護士たちは主人公のために共に立ち上がることになる。盧武鉉(ノムヒョン)大統領をモデルにしているこのストーリーは、まさに民主化を今日まで貫く正義についての訴えである。

https://www.netflix.com/kr/title/80200945

マンガのこと

私は韓国に住む日本人である。妻も韓国人だし、韓国人の友人も多い。古い友人になるともう15年近くつきあっている。

1980年代生まれの私の世代は、いわゆるドラゴンボール世代よりは少し下である。が、一般教養としてドラゴンボールをはじめとするマンガやアニメの知識は持っている。それは韓国でも同じで、私と同世代の友人たちは日本のマンガに詳しい人が多かった。ドラゴンボール、スラムダンク、幽遊白書、るろうに剣心などの少年ジャンプ系統が多かった気がする。NARUTO、ワンピース、その他たくさんの作品が共通の話題としてあった。

たいていの作品は名前を聞けば分かるものだったが、中には全く分からないものもあった。

「お前は『ミスター寿司王(미스터 초밥왕)』を知っているか?」

ある友人の発言である。私はそういわれてもさっぱり分からなかった。

ミスター寿司王とは『将太の寿司』という日本マンガのことだったのだ。前述の例えばドラゴンボールのように、人口に膾炙しているマンガほどの知名度ではないと思うのだが(関係者の方すいません…)、韓国では『将太の寿司』を日本人が知らないなんてあり得ないと皆が断言するほど有名な作品なのである。日本と言えば寿司、寿司と言えば『将太の寿司』ということなのだろうか。

ある種のカルチャーは、自国よりも外国でメジャーになるというケースがあるらしい。ヨン様ことペ・ヨンジュン氏が、韓国よりも日本で人気が出たように。『将太の寿司』はその逆パターンだと言えるだろうか。

メディアではないが、料理でも似た現象がある。韓国で日本料理と言えばラーメンや牛丼といったいわゆるB級料理が人気である。日本で人気の韓国料理の、例えばビビンバやスンドゥブチゲは、韓国ではブンシクチプといって、気楽に食べれるこれまたB級料理に近い存在だと思う。

誓って言うが私は『将太の寿司』が他のマンガに比べて劣っているとか、B級であるとか言う意図は全くない。まだ読んだことがないので、楽しみにしているくらいである。ここで言いたいのは、ホームグラウンドを離れた場所で、コンテンツが受容されていくそのダイナミズムが面白いということなのだ。私も、異国の地に暮らす日本人として、祖国の食の魅力をこの国の人たちに伝えてくれている『将太の寿司』に感謝しつつ、作品を読んでみたいと思う。

【韓国】【コロナ】集団感染を防ぐ希望の光

久しぶりにカフェに来た。アイスコーヒーを注文したところ、ストローの先っぽにかぶせるようにビニール袋が付いてきた。

ストローの先が空気に露出し続けるのを防ぐ工夫のようである。これもコロナの感染を少しでも防ごうという努力なのだと思う。

カフェのような、不特定多数の人が出入りする場所では、このような組織的な防疫努力が不可欠だと思う。

同じ日、韓国政府から韓国に住む人全員に、以下のようなショートメッセージが来た。

「マスク着用で集団感染を防ぐことができます。密閉された施設や、人同士の近接接触がある場所では必ずマスクをしてください。」

「マスク着用で集団感染を防ぐことができます。密閉された施設や、人同士の近接接触がある場所では必ずマスクをしてください。」 という内容である。

“感染を防げます”ではなく”集団感染を防げます”という文章に知性を感じる。散発的な感染は防げなくても、集団が感染するのは防げそうだ、ということである。

この背景には、先日ソウルの梨泰院(イテウォン)というところのクラブで大量感染者が発生したことがあるのだろう。この事件では、性的少数者の人権保護という観点からも大きな話題になっている。

同クラブで感染したソウル近郊の仁川(インチョン)在住の塾講師の若者が、職場に解雇されるのを恐れて当局の調べに対して「自分は無職である」と虚偽の供述をしたことが問題になった。しかも、彼が感染した状態で仁川の教会に通い、200人と接触していたことが明らかになり、韓国社会が一時騒然としたのである。

ところが、同教会は普段からマスク配布、体温監視、定期消毒などの防疫手続きを徹底していたことから、なんと感染者が一人も発生しなかったのである。

上述の「マスク着用で集団感染を防ぐことができます。密閉された施設や、人同士の近接接触がある場所では必ずマスクをしてください。」 という韓国政府のメッセージは、仮に感染者が発生しても、不特定多数が出入りする場所において徹底した防疫措置を持続することによって、少なくとも集団感染は防ぐことができるはずだ、という韓国政府の自信を反映しているのではないだろうか。

コロナに関連して、韓国では2月以降、南部の大邱(テグ)宗教施設における集団感染を抑え切ったこと、4月前半の2週間にわたる国会総選挙を集団感染無しにやり切ったこと、そして5月のクラブ集団感染者の特定と仁川教会での模範的な防疫事例などから、徐々にコロナとの戦い方について当局が自信を深めつつあるというのが筆者の感想である。

まだまだ油断がならないコロナ事態だが、筆者は韓国社会の一員として是非とも前向きに乗り切れることを願ってやまない。今回の仁川での事例は、小さな希望の光を感じさせるに十分だった。

参考:【コロナ】韓国の「新しい日常」のためのソーシャル・ディスタンス指針【日本語訳】

https://goseoulblog.wordpress.com/2020/04/27/%e3%80%90%e3%82%b3%e3%83%ad%e3%83%8a%e3%80%91%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%81%ae%e3%80%8c%e6%96%b0%e3%81%97%e3%81%84%e6%97%a5%e5%b8%b8%e3%80%8d%e3%81%ae%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%82%bd%e3%83%bc%e3%82%b7/ via @wordpressdotcom

【コロナ】韓国の「新しい日常」のためのソーシャル・ディスタンス指針【日本語訳】

新型コロナウイルスに関連して韓国政府は4月24日、徐々に社会的・経済的生活を再起動させていくためのソーシャル・ディスタンスに関する指針を発表した。専門家は2年ほどこうした「新しい日常」を続ける必要があると見ている。日本でもコロナ後の「新しい日常」をデザインする上で参考になるかも知れないので、日本語訳を以下に掲載する。

画像は https://www.newsis.com/view/?id=NISX20200424_0001005082# より

https://www.newsis.com/view/?id=NISX20200424_0001005082#

生活の中でのソーシャル・ディスタンス重要分野 細部指針

(韓国 疾病管理本部中央防疫対策本部より)

【全体】

・発熱・呼吸器症状がある、および14日以内海外旅行をした場合は人と会わない

・列に並ぶ場合は2メートル(少なくとも1メートル)以上の間隔を保つ

・マスク着用、症状の有無や発熱のチェックに協力する

・唾が飛ぶような行為は自制する。症状がある人は即時帰宅する

・保健所担当者の連絡網確保など、防疫協力体制を構築する

 

【職場等】

・発熱(37.5C以上)、呼吸器症状(せき、のどの痛み等)がある場合は家で休む

・柔軟な勤務体制、休暇制度の積極的活用する

・研修などはオンラインまたは映像教育を利用する

・座る方向を調整したり、空いているスペースを利用したりして労働者同士の間隔を2メートル(最低でも1メートル)以上維持する

・国内外出張を最少化する

 

【公共交通】

・マスクを着用し、せきのマナーを遵守する

・不要な対話・通話を自制する

・車内混雑時は次の便を利用する

 

【大型交通施設】

・最少人数でのショッピングを心がける

・化粧品見本に触れての使用を自制する

・会計時には電子決済を利用する

・顧客について歩かないように職員を指導する

・文化センター、子供の広場等は最少化する

 

【結婚式等の家族行事】

・施設管理者は防疫指針を遵守する

・他者と は2メートル(最低1メートル)以上の間隔を維持する

・同じ方向に向かって座る、あるいはジグザグに座って食事する

・食事でなく答礼品を提供する

 

【宗教施設】

・合唱、スローガン、身体接触を自制する

・団体食事を自制する

・個人の用品(本など)を使用する

・オンライン等、非対面・非接触宗教行事を活用する

・入退場時間を分散させる

 

【公共トイレ】

・清潔な使用を徹底遵守する

・便器の蓋をおろした状態で水を流す

・スプレーを使用した消毒剤の噴射禁止(感染性物質がエアゾール化する可能性あり)

・石けん、ハンドタオル、洗浄剤等を配備する

 

【動物園】

・入場券は現場販売より事前販売を

・予約制度の運営等観覧客数を制限する

・人気動物のガラス等に距離維持の位置を表示する

 

【理容・美容】

・シャンプー等マスク着用が難しかったり、利用者と従事者の距離維持が難しかったりする場合、対話は控える。他の客との会話も控える。咳のマナーを守る。

 

【カラオケ】

・マスクを着用する

・マイクはカバーを使用し、使いまわさない

 

【室内体育施設】

・運動服、タオルなどは個人のものを使用する

・更衣室、シャワー室等の利用の自制および適正な使用人数管理を行う

・器具利用後は運用者が器具表面を消毒する

・子供送迎用バス内は全員マスク着用、乗車前後は消毒及び換気する

・密閉された場所での多数の受講生を対象としたプログラム(ダンス等)を自制する

・プログラムのうち、唾が飛ぶ行為(歌を歌う、叫ぶ等)を自制する

・指導者、受講者等のマスク着用及び身体接触を自制する

 

【ネットカフェ】

・マスクを着用する

・大声での会話、叫ぶ等を自制する(対戦ゲーム等で)

・キーボード、マウス、手すり等は毎日表面を消毒する

 

【飲食店・カフェ】

・可能ならテイクアウトや出前を利用する

・滞在時間を最小化する

・接客する従業員はマスクを着用する

・列に並ぶ場合は番号札を活用する

・個人衛生方針の遵守、ソーシャル・ディスタンスの必要性などを定期的に従業員に教育する

 

【伝統的市場】

・商店内を回る時間を最小化する

・集客行為は可能な限り自制する

 

【葬儀場】

・高危険群はなるべく直接弔問を自制する

・30分以上滞在しないことを推奨する

・入出棺に参加する人数を最少化する

・施設・器具は毎日表面を消毒する

【ホテル・宿泊施設】

・他の利用客と隣接したテーブルの使用を自制する

・宿泊客利用前後は15分間換気する

・多人数が接触するものは随時消毒する

 

【沐浴業】

・サウナ等密閉された空間は随時換気する

・消毒・掃除・換気などの時間を見やすい場所に表示する

 

【野外活動】

・水飲み場等、感染の恐れがある公共施設の利用を自制する

・人とすれ違うことを避けるよう、正しい動線で移動する

 

【公演場】

・歌う、叫ぶ、身体接触する等の感染を誘発する行為を自制する

・入場券購買は出来るだけオンラインで行うようにする

 

【映画館】

・オンライン事前予約を活用する

・時間に余裕を持って到着し、ゆっくり入場する

・大規模人数が参加する広告行為を自制する

 

【野球場・サッカー場】

・コールを叫んだり、身体接触したりする等の感染を誘発する応援を自制する

・入場券はオンラインで事前予約を活用する

・飲食物の摂取は自制する

 

【遊興施設】

・滞在時間を最小化する

・顧客に接触する従業員はマスクを着用する

・列に並ぶ場合は番号札を活用する

・個人別の皿やトングなどを提供し、使いまわさない

【健康】ぎっくり腰と付き合う

私は腰痛持ちである。もともと腰が弱かったが、20代前半に大けがをして以来定期的にぎっくり腰が来るようになった。

20代前半、私はテコンドーという韓国の格闘技を練習していた時期がある。その練習中に、いきなり背中から腰にかけて激痛が走り、動けなくなった。難易度の高い技を練習していたのは確かだ。右ミドル、左ミドル、右ミドル、ジャンプからの左ハイ(ジャンプした脚でそのままハイキックするのだ)というコンボを、脚を換えてひたすら繰り返していた。その程度の技なら練習ではよくあることだった。にも拘わらず、その日私は激痛に襲われた。

心当たりがないわけでは無い。その前週、私は東京マラソンに出場し、フルマラソンを完走していた。足腰にかなり疲労がたまっていたのは事実だ。その状態で難易度が高いテコンドーの技を練習した結果、腰が限界を迎えたのだろう。その日は這うようにして家に帰り、次の日から会社に謝りの電話を入れ、休養を取った。よく休ませてもらえたと思う。もっとも出社しろと言われても出社できる状態ではなかったが。寝返りも打てない状態が数日続いた後、整形外科に行った。レントゲン撮影の結果、幸いにして骨や神経に異常はないとのことだった。物理治療(マッサージ等)を数週間受けたが、以前のようには自信をもって運動に挑めなくなった。1年ほどは、運動らしい運動もせずに生活するようになったと思う。テコンドーはもちろん、ジョギングすら数キロ走るだけで腰が痛くなり、しまいには怖くてできなくなった。

この文章は懺悔の文章である。愚かだった若いころの自分を振り返って、反省文を書いているのである。当時の私は、テコンドーという本格的な格闘技に挑むだけの十分な肉体的準備が出来ていたとは言い難い。酒は飲む。ジョギングのような有酸素運動は好きだが、筋トレを含む無酸素運動は碌にやらなかった。ストレッチも、自分の体の特性を理解して行っていたとは言い難い。それら準備不足すべてが、ぎっくり腰に繋がったと言える。

今では私は普通の日常生活を送ることができる。それはこのいわば「テコンドー・ショック」から今に至るまで、少しずつ腰や身体全体の管理方法を見つけてきたからだ。それは、自分自身の体についての「発見」の過程であったと言える。ここからは、ぎっくり腰に悩む人や、体が弱い人、そして何より自分自身のために「ぎっくり腰に関する発見」を書いていきたい。

発見その1:世の中には腰の強い人と腰の弱い人が存在する

当たり前じゃないかと言われるかもしれない。だが、個人差というのは本当に大きいものだ。例えば、中学の部活などでやった(はずの)「腹筋運動」を思い出してもらいたい。仰向けになり、膝を立てた状態で上体を起こすあの運動だ。私は腹筋運動をするだけで腰が痛くなったものだ。ぎっくり腰になる前までは、自分の筋力不足だと思っていたが、色々な運動を行った結果、私は「上半身を前方に曲げる」動作全てが腰痛に直結する体質なのだと分かった。

今では私は、腹筋を鍛えるためにあの上体起こしは行わないようにしている。代わりにスクワット等別の運動を行っている。腰の強い人にとっては何でもない運動も、腰の弱い人には致命的になりうるので、自分自身の体質を見極めたうえで、自分にあった運動を”取捨選択”していくことが重要だと思う。

発見その2:ぎっくり腰は「決して無くならない」。だが、「痛みを減らす」「治りを早くする」ことは可能である。

体質なのか、私の怪我が深刻すぎたのか、テコンドーでの大怪我以来、私は定期的にぎっくり腰を発症する。頻度は1年に2回くらいである。一生この痛みと付き合っていかなければならないのかと考えると憂鬱になるが、いいニュースもある。それは、後述する運動を日常的に行うようになったことで、半年に1回訪れるぎっくり腰の「痛みが減った」ことと、「治りが早くなった」ことだ。

テコンドーの練習中に激痛に襲われたときは、本当に寝返りも打てない状態が3日くらい続いたと思う。もっとも、強烈すぎて記憶が変わっている可能性もあるが。だが、適切なストレッチや筋トレを行うようになった今では、寝返りも打てない状態というのは1日も続かなくなった。日常生活に復帰するまでの時間も、3日程度まで縮まった(以前は1週間)。何よりも、自分の体について知ることで、体のどの部分をどう動かせば痛いのか痛くないのかが分かるので、心に余裕が生まれた。ぎっくり腰というのは筋肉の炎症なので、究極的には時間が薬であるのは変わらないが、自信をもってぎっくり腰が収まるのを待てるようになった。

発見その3:「腰」は常に被害者である。加害者は人体の2大関節(股関節と肩関節)である。2大関節のメンテナンスを通じて、腰への被害を最小化することができる。

考えてほしいのだが、腰そのものを使う運動というのはほとんど無い。それは、腰というのは上半身と下半身の連結部分であり、運動機能を持たないからである。そして、上半身と下半身での血流が滞ると、次第に腰への負担が溜まっていく。最終的には些細な動きが”the last straw”(最後の一撃)となり、ぎっくり腰が発症するのだ。その意味で、腰とは上半身と下半身の機嫌に左右される可哀そうな弱者であるということができる。

では、腰を守る方法は無いのだろうか?そんなことはない。上半身と下半身での血流が滞ることがぎっくり腰に繋がるのであれば、ぎっくり腰を防ぐためには上半身と下半身の血流を良く保てばいいのだ。血流を保つためにはどうすればいいのか?定期的なストレッチと筋トレ、これを行うしかない。特に、関節部の状態を良く保つことが重要だ。上半身なら肩甲骨の関節、下半身なら股関節が、人体最大の関節である。これら関節に適切な運動を行うことで、腰への負担を最小化することができる。

1.肩関節のストレッチ(画像が無くてすいません…):

1-1.正座をし、バンザイの姿勢で上体を床に(前に)倒す。無理のない範囲で出来るだけ腕を前に伸ばし、その状態を30秒ほどキープする。礼拝みたいなイメージ。

1-2.1-1の状態から、右腕を引いて、右手の甲をおでこの下に置く。すると左手がさらに前に伸ばせるので、伸ばす。左の肩甲骨が引っ張られるのを感じながら、30秒ほどキープする。反対の腕でも同様に行う。

1-3.1-1の状態から、右腕を引いて、胸の前で左腕とクロスさせるように左側に倒す(右腕は左腕の下に来る)。右の肩甲骨が引っ張られるのを感じながら、30秒ほどキープする。反対の腕でも同様に行う。

2.股間のストレッチ(画像がなくてすいません):

2-1.アキレス腱伸ばし。自然に歩く姿勢から、右脚を一歩前に出す。左足は進行方向まっすぐ前を向ける。右脚を曲げ、左脚のアキレス腱をゆっくり伸ばす。30秒ほどキープ。反対側も同様に行う。筋肉は繋がっているので、腰から一番遠いアキレス腱や足首の筋肉をストレッチすることで、腰への負担も減らせる。

2-2.股割。両脚を肩幅よりも大きめに開く。両足を外に向ける。ゆっくり腰を落とし、両膝が90度になるくらいまで落とす。その状態で15秒ほどキープ。数回繰り返す。野球選手のイチロー氏が、バッターボックスに入る前にこのストレッチを行うのをご存じの方も多いと思う。

2-3.尻のストレッチ。仰向けに寝る。右脚を立てる。左脚を右脚の上に乗せる(仰向けの状態で、足を組むイメージ)。右ひざの前で両手を組む。この時、左手は左脚の下をくぐるようにする。その状態でゆっくり両脚を右側に倒していく。すると左お尻の筋肉が引っ張られる。その状態で30秒ほどキープ。反対側も同様に行う。このストレッチをすると本当に劇的に腰痛が改善される。

3.上半身と下半身の両方に効くストレッチ(画像なし)

床に座る。左脚を伸ばし、右脚は閉じる(右足が股の前にくる)。両手を組んだ状態で両腕を頭の上にあげ、左脚に向かって上体をゆっくり倒す。すると左脚の裏(ハムストリングス)が伸びるのを感じる。また、右の肩甲骨や、右の脇腹の筋肉が伸びるのを感じる。30秒ほどキープする。反対側も同様に行う。

以上のストレッチを行うと上半身、下半身の血流が劇的に良くなり、腰痛が緩和されるだけでなく日常生活も快適に送れるようになる。これに加えて筋トレ(無酸素運動)を定期的に行うことで、さらに恒常的な健康増進が実現できる。

最後に繰り返し述べると、以上のようなストレッチを行っても、ぎっくり腰そのものは定期的にやってくる。これは体質上避けられないようだ。だが、それでも「自分の体調は自分でコントロールできる」という自信を得られることは、ぎっくり腰と今後の人生も付き合っていく上で、この上ない財産である。

検証の支配

『法の支配』の時代は終わり、『検証の支配』の時代が始まる。

暴力に裏打ちされた国家機構達は解体され、数学に基づいた相互”不”信頼のネットワークが人類を結びつけることになる。

その核心技術こそ #ブロックチェーン であり、人類の歴史を前に進める原動力である。

あなたは人類の進歩の側に立つのか?

妨害する側なのか?

選択の時が来た。