先日、The Economistを読んでいて、思わず読み間違えそうになった単語がありました。 Causality 最初は、 「Casualty(死傷者)?」 と思ったのですが、よく見ると違います。 実はこの単語、英語学習者だけでなく、投資家やビジネスパーソンにとっても非常に重要な単語です。 CasualtyとCausalityの違い まずは比較してみましょう。 Casualty→ 死傷者、犠牲者 Causality→ 因果関係 スペルはかなり似ています。 CasualtyCausality しかし意味は全く異なります。 例えばニュース記事では、 “The war caused many casualties.” (その戦争は多くの死傷者を出した。) のように使われます。 一方、The Economistや学術論文では、 “Causality” が頻繁に登場します。 Economistで出会った文章 今回読んでいた記事には次の一文がありました。 “Causality works both ways.” 直訳すると、 「因果関係は両方向に働く」 という意味です。 記事では、 「楽観的な人は経営者や起業家になりやすい」 という研究結果を紹介していました。 ここで普通は、 楽観的↓起業家になる と考えます。 しかし筆者は、 「それだけではない」 と言います。 起業家になったり、組織の上位に立ったりすると、 今度はその立場そのものが人を楽観的にする。 つまり、 楽観性↓出世・起業↓さらに楽観性 という循環が生まれるということです。 だから、 “Causality works bothContinue reading “Casualtyではない。The Economistで学んだ「Causality」という超重要単語”
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Increase と Increment の違い
アメリカ系商社で働いて初めて気づいた「増加」の英語 英語学習をしていると、Increase という単語はかなり早い段階で習います。 Increase = 増加 中学校や高校でも出てくる基本単語です。 一方で、私がアメリカ系商社で働き始めてから頻繁に見かけるようになったのが Increment という単語でした。 辞書を引くと、どちらも「増加」と書いてあります。 しかし実際のビジネス現場では、かなり使い方が違います。 今日はその違いについて紹介したいと思います。 Increase は動詞でも名詞でも使える万能選手 まず Increase です。 Increase の強みは、動詞としても名詞としても自然に使えることです。 例えば動詞。 Prices increased by 10%. (価格が10%上昇した) Demand increased significantly. (需要が大幅に増加した) Supplier costs increased again this month. (仕入れコストが今月も上昇した) 半導体業界では毎日のように目にする表現です。 次に名詞。 We received a price increase notice. (値上げ通知を受領した) The increase in demand caused shortages. (需要増加によって供給不足が発生した) このように IncreaseContinue reading “Increase と Increment の違い”
不動産とはなんだろうか
地方選挙が終わった。 大勢としては民主党の勝利だが、 不動産政策が我々民主勢力へのアキレス腱になることを再認識した選挙だった。 一坪6000万ウォンを超えた地域は国民の力に投票する傾向が顕著だったという。 その傾向は、2018年にはなかったものだともいう。 そもそも不動産とはなんだろうか。 家。そこに人が住むための商材。 車とも株とも違う、人生を通貫する重さがある。 何年もかけて稼ぎ、家を買い、その後も何年もかけて借金を返すという前提がある。 韓国の場合は単純な家賃だけでなく、貸切(チョンセ)という制度もありややこしい。 「セ(貸家)」 「ウォル(月)セ(貸家)」(日本でイメージする普通の家賃。貸し家。月毎に家賃を払う) 「チョン(全)セ(貸家)」。まとまった金があれば、チョンセも悪くない。入居のタイミングで、入居者は家主にまとまった金(日本円で言うと1000万円単位)を預ける。退去のタイミングで、全額帰ってくるという期待、前提がある。 「セ(貸家)を挟んで買う」(チョンセ契約を通じて入居し、金を貯め、その家の売買価格にてあらためて家を買い取ること。) 「逆チョンセ」(持ち家の所有権を手放し、他人に権利を売り渡し、本人は元々自分の所有だった家に、入居者として住み続ける)みたいなハイコンテクストな言葉もある。 チョンセは順調にいけば、入居者は追加の家賃は発生しないので、貯金に励める。家主も、まとまった現金を元に資産運用ができる。 まとまった金があれば、だ。 仁川のような街でも、1000万円以上はザラだったし、 ソウルならチョンセといえども1億円近いことも珍しくない。いや、珍しくなかった。 しかしながら、最近は、ソウルなどではチョンセが滅びつつある。 文化の問題というより、政策的なもので、李在明大統領の不動産政策の一環で、実居住奨励が根底にある。実居住以外の形態を、不動産投機であると規定してみることで、不動産高騰を抑えようとしているのである。 不動産高騰を抑えるのは正しい。 インフレーションというのがあって、ジャジャンミョンの値段も、今では7000ウォンくらいするのが珍しくない。数十年前は3000ウォンとかだっただろう。物価というのは年々上がるものだ。図体が大きい家は、ジャジャンミョンより遥かに値上がり「幅」が大きくなるのは、自然の成り行きだ。 だからこそ、家を売り買いすることで、差額を儲けるメリットが大きい。どうせ売買するなら利益が大きい方がいいに決まっている。 しかし、家というのはそもそも投機の道具になるべきではない。そこに人が住む以上、そして動く金額が大きい以上、多くの人の人生を左右してしまう。 そして家のような大きな金額(数億円)を、数十年もの間、資産の形で埋めておくのは、「死に金」を経済の中で大量に発生させるので良くない。 ましてや、自分が住むわけでないのに借金して家を買い、値上がりを待ち、売り払う、というのは、投機だし、本当に住みたい人にとっては不動産価格が上がるばかりで困る一方だ。 不動産高騰を抑えるのは正しい。 また、上記の理由から、他人の金で不動産投機を行う勢力を抑えるのも正しい。 ここでジレンマが生じるのは、 他人の金での投機を抑えるためにはどうすればいいか、ということ。 そこで出てきたのが「実居住するのが税制的に、経済的合理的であるようにしよう」という政策論。 明快だ。明快なのだが、人々が実居住をすることで、貸し家市場が激減してしまった。 人に貸すと税的に損するようになったので、複数の家持ちの人は、自分で住むようの実居住ようの家を売り払ってしまった。そして自分で住むようになった。いい傾向なのだが、 「貸し手」が市場からいなくなりつつある。 地方から出てきた人、新婚夫婦でマイホームを持ちたい人、そういう人が、持ち家への第一歩を歩み出しにくくなってしまった。 色々と補足は必要だが、僕は今は上記のように情勢を見ている。 不動産は難しい。 株式市場を刺激するのは正しい。 だが不動産で「失点」すると、売国内乱勢力は、ここぞとばかりに民主化勢力を叩く材料にしてくるので、うまく切り抜けて欲しいと切に願うばかりだ。
同じニュース、なぜここまで違って見えるのか― ホンダ韓国撤退をめぐる「日韓の思考差」
2026年4月、本田技研工業が韓国での四輪車販売を終了するというニュースが報じられた。 このニュース自体は、数字だけ見れば静かなものだ。販売台数は年1,500台程度、シェアも限定的。「撤退もやむなし」と感じる人も多いだろう。 しかし興味深いのは、同じ事実に対する日韓メディアの解釈がまったく異なることだ。 参考リンク 日本経済新聞 https://nikkei.com/article/DGXZQOUC236YU0T20C26A4000000/?n_cid=dsapp_share_ios 한국경제신문 https://hankyung.com/amp/2026042326891 日本の見方:「市場が厳しかった」 日本の報道では、主にこう説明される。 ・韓国市場は現代自動車と起亜で約9割・日本車の存在感は小さい・経営資源の集中のため撤退 つまり、 「韓国市場は特殊で、外資には厳しい。だから仕方ない」 という物語だ。 この説明は間違ってはいない。だが、どこかで思考が止まっている。 韓国の見方:「競争に負けた」 一方、韓国の報道は全く違うストーリーを描く。 ・ホンダはかつて輸入車販売1位だった・アコードやCR-Vで「1万台クラブ」を達成・しかしEV・ハイブリッド化の波に乗れなかった・結果として販売は急減し、撤退 つまり、 「市場が拒絶したのではない。かつては選ばれていた。しかし今のホンダには、選ばれる理由がなくなった」 という説明である。 どちらが正しいのか 結論から言えば、どちらも正しい。だが、深さが違う。 日本の説明は「構造」を見ている。韓国の説明は「競争」を見ている。 しかしビジネスの本質は後者だ。 なぜなら、市場が厳しいのは前提であり、その中で勝てるかどうかが企業の価値だからだ。 見落とされている事実 ここで重要な事実がある。 ホンダは韓国で「一度は勝っている」。 これは決定的だ。 もし最初から売れていなかったなら、「市場が合わなかった」で終わる。 しかし実際は違う。 ・2008年:輸入車販売1位・年間1万台達成・「壊れない日本車」として評価 つまり、 韓国市場はホンダを拒絶したのではない。ホンダが市場の変化についていけなくなっただけだ。 EV時代という分岐点 韓国市場の特徴は明確だ。 ・EV+ハイブリッドで新車販売の約6割・技術トレンドの変化が極めて速い・消費者の要求水準が高い この中で、 ・トヨタはハイブリッドで存在感を維持・テスラはEVで市場を牽引・韓国勢は両方で攻勢 一方ホンダは、 ・EV投入が遅れ・ハイブリッドでも突出できず・内燃機関にも戻りきれない 結果として、どの土俵でも勝てない状態になった。 日本的思考の落とし穴 このニュースで浮かび上がるのは、日本側の思考の癖だ。 それは、 外部環境の説明で満足してしまうこと である。 ・市場が悪い・為替が悪い・政治が悪い・現地事情が特殊 もちろん、それらはすべて事実だ。 しかしそれだけでは、 「では、なぜ他社はその中で勝っているのか?」 という問いが消えてしまう。 韓国的思考の厳しさ 一方で韓国側の見方はシンプルだ。Continue reading “同じニュース、なぜここまで違って見えるのか― ホンダ韓国撤退をめぐる「日韓の思考差」”
若者が高市総理を支持していることに、どうしても感じてしまう違和感について
正直に書く。 最近、「若者に高市総理が支持されている」という話を目にするたび、強い違和感を覚える。不快感と言ってもいいし、もっと率直に言えば、吐き気に近い感覚だ。 理由は単純だ。今の若者はリベラルで、そのリベラルさをもって高市総理を支持している──もしそれが本当だとしたら、あまりにも話が噛み合っていないからだ。 「若者=リベラル」という前提は、もう壊れている かつて「若者はリベラル」というのは、かなり分かりやすい図式だった。権威を嫌い、多様性を尊重し、国家や軍事には距離を取る。少なくとも、そうした傾向があると理解されてきた。 しかし、今の若者を見ていると、その前提自体がすでに成立していないように思える。 ジェンダーや表現の自由には比較的寛容である一方、国家・安全保障・秩序といったテーマには、むしろ強い関心を示す。曖昧さよりも「強さ」や「分かりやすさ」を好み、対立構造がはっきりした言説に安心感を覚える。 これは、リベラルでも保守でもない。価値観が混ざり合った、かなり歪なハイブリッドだ。 支持されているのは「思想」ではなく「スタイル」ではないか 高市総理が支持されている理由を、政策や思想の中身から説明しようとすると、どうしても無理が出る。 むしろ、支持されているのは以下のような要素ではないだろうか。 ・断定的な言葉遣い・敵と味方をはっきり分ける構図・迷いのなさ、強気さ これは、政治思想というよりもスタイルの問題だ。 YouTuberやインフルエンサーが支持を集める構造と、非常によく似ている。中身が右か左か、リベラルかどうかは二次的で、「強そう」「言い切ってくれる」「不安を断ち切ってくれそう」そうした感覚が消費されている。 本当にリベラルなら、あんな立ち位置にはならない ここで、どうしても言っておきたい。 本当にリベラルな政治家が、 ・極端な国家主義的発言を繰り返し・分断を前提とした言説を好み・特定の政治路線の「純度」を担保する役割を期待される ──そんな立ち位置に立つだろうか。 答えは、ほぼ自明だと思う。 高市総理が評価されてきた理由は、包摂性でも、熟議の姿勢でも、社会的弱者への想像力でもない。 忠誠心、強硬さ、対立を恐れない態度。それは、リベラルの対極にある資質だ。 気持ち悪さの正体は、「言葉の空洞化」だと思う だから、私が感じている不快感の正体は、「高市総理が右寄りだから」ではない。 リベラルという言葉が、意味を失ったまま使われていること。その軽さ、その無自覚さが、どうしても耐え難い。 リベラルとは、本来もっと厄介で、面倒で、勇気がいる立場だったはずだ。分かりやすい敵を作らず、簡単な答えを提示せず、弱い側に想像力を向け続ける態度だったはずだ。 それが今、「強そう」「スッキリする」「管理してくれそう」という理由で消費されている。 この違和感を、見なかったことにしたくない 若者が支持しているから正しい、という論理には与したくない。支持率があるから安心、という話でもない。 この違和感は、たぶん間違っていない。少なくとも、考えることを放棄していない証拠だと思っている。 気持ち悪いと感じる自分の感覚を、「時代についていけないから」と切り捨てたくない。 だから、こうして書き残しておく。これは断定でも結論でもない。ただの記録であり、問いだ。 それでも、問いを放棄しないことだけは、今の空気の中で、せめてものリベラルでありたいと思う。
日経新聞「強硬・中国が誘う解散風」への批判
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD120LR0S6A110C2000000/?n_cid=dsapp_share_ios ■ 記事の概略紹介日経新聞の本記事は、中国が高市政権に対して連日連夜の強硬な批判キャンペーンを展開している状況を描き、その狙いと「誤算」を分析している。中国共産党の宣伝機構を総動員した対日圧力、輸出規制や観光制限、さらにはレアアース輸出制限という「切り札」をちらつかせる動きまでを整理しつつ、筆者は次のような構図を提示する。 ・中国は「高市政権は基盤が弱い」「圧力をかければ折れる」と誤認した・しかし実際には、対中強硬姿勢が日本国内で支持率を押し上げた・その結果、中国の圧力は裏目に出て、高市政権の延命に寄与している 記事全体を貫くトーンは、「中国は日本政治を理解していない」「やりすぎた結果、逆効果になっている」という冷笑的な分析であり、日本側の姿勢や歴史認識そのものは、ほとんど問題として扱われていない。 しかし私は、この論調そのものに強い違和感を覚える。 中国が高市政権に反発する理由を、「内政理解の不足」「プロパガンダの暴走」「戦術的ミス」として処理するのは、本質から目を逸らす行為だ。 問題の核心はもっと単純で、かつ重い。 日本が、かつての軍国主義と侵略の歴史を、いまだに正面から清算していないこと。そして高市政権が、その未清算性を「開き直り」という形で体現していること。 ここにこそ、中国の怒りの正当性がある。 中国側の視点に立てば、・歴史修正主義的な発言・台湾有事をめぐる強硬な国会答弁・戦後秩序に対する挑発的な態度 これらはすべて、「反省を終えた国家」ではなく、「反省を拒否する国家」から発せられているように映る。 日経記事は、中国の宣伝手法の「異様さ」を強調するが、それは怒りの表現方法を問題にしているだけで、怒りが生まれた原因には踏み込まない。 だが、歴史的加害の記憶を背負わされた側にとって、「冷静で上品な抗議」だけが許されるという道理はない。 中国の強硬姿勢は、日本が過去を十分に反省していないにもかかわらず、戦略的・軍事的に再び前に出ようとしている、その二重構造に対する、極めて一貫した反応である。 それを「やりすぎ」「誤算」「理解不足」と評するのは、日本側の自己正当化に過ぎない。 ■ まとめ本来問われるべきなのは、中国の圧力が日本の政局にどう影響したか、高市政権の支持率がどう推移しているか、といった政治技術論ではない。 問うべきは、どちらが歴史と正面から向き合っているか、どちらが過去の加害を自国の問題として引き受けているか、という点だ。 その意味で、少なくとも現時点では正義は中国側にある。 日本は「戦後」を生きているが、中国にとって日本の過去は、まだ終わった歴史ではない。 それにもかかわらず、反省ではなく開き直りを選ぶ政権が現れ、それを「国内政治的には成功」と評する言説が主流になる。 この構図こそが、日中対立を深めている真因である。 中国の強硬姿勢を笑う前に、日本はまず、自らの歴史認識の浅さと向き合うべきではないか。それを避け続ける限り、日中関係は決して安定などしない。
大人には、紙の手帳を眺める時間がもっと必要だと思う
最近、久しぶりに紙の手帳を買った。ページを開いて、ただカレンダーをぼんやり眺めているだけなのに、なぜだか「もっと計画的に働かなければ」という気持ちが自然と湧いてくる。 不思議だけれど、同時にとても健全な感覚だと思う。 大人になると、仕事や家庭や将来のことなど、目の前の情報を処理するだけで一日が終わってしまう。スマホのカレンダーも便利ではあるのだけれど、そこには通知やタスクや他人の情報が混ざり込み、どこか“自分の時間”を見失いやすい。 その点、紙の手帳は静かだ。紙の質感、ページの厚み、余白の広さ。そこにあるのは、必要最低限の情報と、手を止めて考えるための空間だけ。予定がぎっしり書かれていなくても、不思議と心が整っていく。 「この空白をどう使おうか」「来月の自分はどこに向かっているだろうか」 そんな問いが、自然と浮かんでくる。 スマホでは起きない感覚だ。効率が良すぎる画面は、考える前に答えを出してしまう。一方、紙の手帳は、考えるための余白を残してくれる。その余白こそが、大人になればなるほど必要になるものだと思う。 忙しいと、未来なんて考えている余裕がないように思えるけれど、実は逆で、少し立ち止まる時間を持った方が、毎日の判断が静かに、確実に良くなっていく。 手帳を眺めている時間は、「仕事していない時間」ではなく、むしろ「自分の未来を整える時間」なのだ。 そんなことを、紙の手帳を眺めながら思った。
営業の9割は「綺麗な心」で決まる——成果を最大化するための“内的OS”をどう作るか
営業の仕事に6年携わってきて、僕はようやく一つの結論にたどり着いた。営業は、テクニックよりも「心の透明度」で決まる。 商品知識でも値段でもロジックでもない。調達の裏側やサプライチェーンの複雑さでもない。 最終的に勝つのは「綺麗な心を持ち続けられる人」だ。 なぜそう言い切れるのか。僕自身、その理由を人生の中で徐々に理解し始めている。 この記事では、営業の成果の9割を決める「綺麗な心」のつくり方を、僕自身の実践から抽象化して共有したい。 細かいテクニックは後回しでいい。まずは “内側のOS”を設計することがすべての始まり だからだ。 1. 営業の目的は「未来を軽くすること」 心が濁る時というのは決まって・焦り・不安・承認欲が膨らんでいる時だ。 だが、営業本来の目的はそんなところにはない。 「自分の力で誰かの問題を小さくし、未来の選択肢を大きくする」これだけだ。 この“目的の軸”があるだけで、心は驚くほど透明になる。メールの文章も、声も、提案の重さも変わる。 毎朝の問いはたった一つでいい。 「今日、自分は誰の未来を少しでも軽くする?」 これだけで仕事に入る前の“心のノイズ”がほぼ消える。 2. 綺麗な心は「仕組み」で作るもの 感情論ではない。“清らかであるべき”という道徳でもない。 綺麗な心は、次の3層の構造で維持できる。 1)第一層:自分の澄み(Self-Clarity) ・今日の目的・大事にしたい姿勢・自分の弱さの認識 これがあると、人に振り回されなくなる。 2)第二層:相手の利他(Other Elevation) 相手の立場・制約・言えない本音を理解する力。綺麗な心の営業は、相手の“説明しづらい苦しみ”を理解しにいく。 3)第三層:誠実の積み重ね(Integrity) 小さな約束を守り続けるだけ。最も地味だが、長期戦では最も強い。 僕の場合、この第三層はもともと強い。だからこそ、第一層の「澄み」を整えると飛躍が起こる。 3. 毎日のOSメンテナンス(たった3つで十分) 綺麗な心を維持するのに、特別な習慣は不要だ。必要なのは 「心のOSの再起動」 だけ。 ① 今日の目的 「誰の未来を軽くするか?」 ② 今日の感謝 「誰に支えられているか?」 ③ 今日の誠実 「何を守ると自分は強くなるか?」 これだけで、営業の“迷い”と“雑念”の7割は消える。 4. 綺麗な心は最高の営業武器になる 綺麗な心を持つ営業は、全方位で強い。 1)相手が安心する 営業の本質は「相手の不安を消すこと」。透明な心は、声・表情・メール文の端々まで滲み出る。 2)長期戦で勝てる 裏表がないから、紹介や指名が増える。 3)意思決定が速い 心が澄んでいると判断が痛くない。迷わない。変に悩まない。 5.Continue reading “営業の9割は「綺麗な心」で決まる——成果を最大化するための“内的OS”をどう作るか”
「Don’t let them get the best of you」という英語表現の意味と使いどころ
日常のちょっとしたストレスや、人間関係のすれ違い。そんな瞬間に英語圏の人がよく口にするフレーズがあります。 “Don’t let them get the best of you.” 直訳すると「彼らにあなたの一番いい部分を取らせるな」。しかし実際の意味はもっとシンプルで、とても実用的です。 意味:相手に振り回されるな、心を乱されるな この表現が伝えるのは、 というメッセージです。 相手の態度や言葉が気に障っても、あなたの気分や行動まで支配させないように――そんなニュアンスが込められています。 どんな場面で使う?(具体例でイメージ) 1. 嫌味を言われたとき Don’t let them get the best of you. Just stay calm.「気にするな、冷静でいろ。」 イライラし始めた友人にかける言葉として自然です。 2. 同僚の態度がストレスなとき Don’t let them get the best of you. They’re not worth your energy.「相手に飲まれるなよ。そんなことのためにエネルギーを使わなくていい。」 “your energy” がポイントで、「あなたの大事なリソースをそんな人に使うな」という励ましです。 3. SNSで批判コメントが来たとき Don’t let them get the bestContinue reading “「Don’t let them get the best of you」という英語表現の意味と使いどころ”
「韓国は棚ぼた独立」論に感じる違和感――歴史の筋を見失った日本の言説へ
日本のSNSでは時折、こんな主張を見かける。 「韓国は原爆投下で日本が敗戦したから独立できた。つまり棚ぼたで解放された国だ」 さらに、 「朝鮮人被爆者も数万人いた。」 と付け加える人すらいる。 これらの言説を目にするたびに、私は強い違和感と怒りを覚える。なぜなら、この二つの主張には共通して「日本の加害の歴史」を都合よく抜き、 植民地支配に抵抗した韓国人の努力を丸ごと消し去る構造があるからだ。 この記事では、感情ではなく事実に基づいて、この問題を整理してみたい。 ■1. 「棚ぼた独立」論が踏みにじるもの 朝鮮半島の人々が1910年から1945年まで黙って支配され続けた、と思っている人がいる。 しかし事実は全く逆だ。 韓国の独立運動は国内・国外・武装・非武装の多層構造で、長期にわたり続いた。 その蓄積があったからこそ、米軍は南朝鮮を軍政下に置いたが、同時に“朝鮮人による自治政府の樹立”を前提に行政の主役を朝鮮人に任せた。これは独立運動の歴史が国際社会に認識されていたからであり、朝鮮が日本の敗戦の“棚ぼた”で独立したという説明は歴史的に誤りである。 もし本当に無抵抗で、主体性のない社会だったなら、米軍はもっと短絡的な軍政を敷いていただろう。 つまり、朝鮮半島の独立は「敗戦の結果として自動的に転がり込んだもの」ではなく、 独立を求める運動が国際社会に認識されていたから成立したという筋道がある。 棚ぼたなどでは断じてない。 ■2. 朝鮮人被爆者は「日本の被害者」論のための道具ではない 次に、「朝鮮人も被爆した」という主張について。 それ自体は事実だ。広島や長崎には数万人の朝鮮人が動員されており、多くが犠牲になった。 しかし、ここで決定的に重要なのは次の点だ。 なぜ朝鮮人がそこにいたのか? 理由は一つしかない。 日本が植民地支配のもと、朝鮮人を徴用・徴兵・強制動員したからだ。 三菱重工などの軍需工場には朝鮮人労働者が多数集められていた。自ら望んで日本に来たのではない。 つまり、朝鮮人被爆者の存在が示しているのは、 「日本もかわいそうだから同情してほしい」 ではなく、 「日本の加害構造の中で、最も弱い立場の人々が最大の被害を受けた」 という現実だ。 被爆者を“日本の被害者性”を補強するために利用するのは、歴史の因果関係を逆転させる危険なロジックである。 ■3. 因果関係を整理すれば、日本の責任は明白 感情論ではなく、因果関係だけを並べる。 これを「全部日本が悪い」と感じるのは、道徳ではなく歴史構造の理解として正しい。 もちろん現代の日本人が個人として責められるべきではない。しかし、歴史の中で誰が何をしたのかは変わらない。 ■4. この問題は「日韓どちらの味方か」という話ではない これは日本人 vs 韓国人の対立構造ではなく、歴史の筋道を正しく見つめられるかという問題だ。 過去の加害を正確に理解することは、日本の尊厳を傷つける行為ではなく、むしろ成熟した社会として不可欠な態度だと思う。 私は韓国に住み、日本人として仕事をしながら、両方の社会の空気を肌で感じている。 その立場から見ても、「棚ぼた独立」論や「朝鮮人被爆者=日本への同情材料」論は、日本社会自身の歴史理解を貧しくするものだと感じる。 ■結び――歴史を矮小化する言説に流されないために 歴史認識は国民感情に影響する問題だが、SNSでよく見られるような軽率で選択的な言説は、議論を不毛にし、尊厳ある対話を難しくしてしまう。 朝鮮半島の独立も、原爆投下も、その背景には複雑で痛ましい人間の歴史がある。 それを単純化し、都合のいい形に歪める言説にはこれからも断固として異議を唱えたい。
峯岸博論考の「設計図」を暴く
――“嫌中・反米”を梃子に日本を押し上げる物語 ■ はじめに 日本経済新聞の編集委員・峯岸博による「韓国・慶州に舞う嫌中・反米の風、日本を高みに吹き上げる」という記事は、一見すると韓国情勢の分析のように見える。だがよく読むと、そこには「日本を中心に据え直す物語」を組み立てる意図的な構成がある。これは筆者が呼ぶところの「コリア・ハンドラー」的言説――旧宗主国意識に基づき、朝鮮半島を再び日本の勢力圏的文脈に戻そうとする“言論上の工作”――の典型だ。 1. 「風」で始まり「風」で終わる記事構造 記事のタイトルにある「嫌中」「反米」「風」は、いずれも感情語である。しかし、本文で示される事象はそれぞれ異質だ。 これらを「一つの風」に束ねるのは、分析ではなくレトリックだ。現実の韓国社会では、外交・労働・貿易の文脈はまったく別の層で動いている。それを“民心”という曖昧な言葉で一括りにすることで、政治を感情劇にすり替えている。 2. データの使い方が恣意的すぎる 峯岸は「EAIの調査で中国への否定的認識が71.5%」と書く。これは事実だが、質問内容や年度の推移に言及しない。数値を一枚切りにして「嫌中」という感情の証拠に使うのは、社会科学的な分析ではなく政治的な演出だ。 同様に、李在明大統領の支持率が「外交が不支持理由の首位」とするくだりも、実際の世論調査の設問や時期差を無視しており、“外交=不人気”という物語を補強するための道具化にすぎない。 3. 因果の飛躍 ― “だから日本が上がる” 記事後半の転調は見事に「コリア・ハンドラー」的だ。“嫌中”“反米”を踏み台に、「日本のポジションが上がる」と結論づける。その根拠は薄く、数字も成果も出てこない。ただし読者の心理には「日本はまだ頼られている」という快感だけが残る。 極めつけは「原子力潜水艦建造の承認」までを“風”の副産物のように書く点だ。国家戦略級の安全保障決定を“空気”の流れで説明する――これこそ旧宗主国的マインドの象徴である。 4. 「民心」という万能の呪文 峯岸は繰り返し「韓国の民心が外交を揺さぶる」と書く。しかしこの言葉は便利すぎる。民主主義社会の世論や政策決定を“気分”で説明することで、韓国の政治的主体性を奪い、常に「感情で動く国」として描く。一方で日本の政策判断は「現実主義」として高みに置かれる。これがまさに「コリア・ハンドラー」言説の根っこにあるヒエラルキー構造だ。 5. 「日本の正常化」を“自然現象”に見せるトリック 記事終盤、「嫌中」「反米」の風が日本を“高みに吹き上げる”と書く。ここで日本の首相交代、高市早苗政権、靖国参拝、安倍継承といった右派的要素が登場するが、それらは安全保障の強化=自然な流れとして処理される。つまり、 6. もし本当に分析するなら 本来、ジャーナリズムなら以下の三点を分けて書くべきだ。 だが本稿はそれを避け、“感情の風”で物語を閉じる。分析を装った物語の操作である。 7. まとめ ― 「風が吹けば日本が儲かる」 峯岸の筆は上手い。構成もテンポも読みやすい。だが、その物語構造は「韓国の混乱 → 日本の高み」というワンパターンであり、読者の“安心感”を装った旧宗主国的願望にすぎない。 つまり―― 風が吹けば、日本が儲かる。 この単純な構図こそ、「コリア・ハンドラー」的言説の最も危うい魅力である。
【韓国経済新聞 解説】オープンAI×AMD提携で半導体業界激震――最大の受益者はサムスン電子か?
2025年10月11日付の韓国経済新聞(강해령記者)の記事によると、人工知能(AI)業界を代表する OpenAI と AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ) が、前例のない規模のAI半導体パートナーシップを発表した。 両社は、6ギガワット(GW)級の超大型AIデータセンターをAMD製のAIチップで構築する契約を締結。これまでNVIDIAの独占状態だったAI半導体市場に、AMDが本格的に参入することとなり、「AIチップ二極化時代」の幕開けを告げるニュースとして注目を集めている。 サムスン電子は“最大の受益者”となるのか 記事によると、AMDの最新AIチップ「MI450」には、サムスン電子が供給するHBM(高帯域幅メモリ) が採用される可能性が非常に高いという。 サムスンはすでにAMDに対し、HBM3E(12層構造)を大量供給しており、今後登場する次世代品 HBM4 においても、AMDとの共同開発を進めている。つまり、OpenAIとAMDの提携は、サムスンのメモリ事業にとって直接的な追い風 となる可能性が高い。 記者による推計:1GWデータセンターに必要なHBMは約400万個 韓国経済の記事では、OpenAIが建設する1GW規模データセンターのGPU・HBM需要を具体的に試算している。 HBM4(12層)単価を500〜600ドルと仮定すると、1GW分で約2.8〜3.4兆ウォン(約3,000億円前後)の規模となる。 さらに、OpenAIとAMDの契約が5年間・6GW規模で継続する場合、サムスンのHBM関連売上は最大20兆ウォン(約2兆円)に達する可能性があると試算している。 ファウンドリー事業にも波及の可能性 現在、AMDのGPUは主にTSMCで製造されているが、米国政府による「半導体の国内生産強化」方針を受け、将来的にはサムスンの米国ファウンドリー(テキサス州など)で一部チップを委託生産する可能性もある。 サムスンがHBMメモリ+ファウンドリーの両面でAMDと関係を深めれば、TSMC一強体制への強力な対抗軸を築くことも不可能ではない。 まとめ:AI時代の「同盟構造」再編が始まった OpenAI×AMDの提携は、単なる製品供給契約ではなく、AIインフラの地政学的バランスを変える可能性を持つ動きである。 NVIDIA中心の構造に“AMD+サムスン”が食い込むことで、半導体業界の勢力図は新たなフェーズに突入した。サムスンにとっては、AI時代における「メモリ王国」から「AIプラットフォームの核心プレイヤー」への進化を示す転換点となるかもしれない。 📰 出典:韓国経済新聞(한경)記事タイトル:「반도체 뒤흔든 ‘충격 발표’…’수혜자는 삼성?’ 기대감 폭발」発行日:2025年10月11日記者:강해령(カン・ヘリョン) https://www.hankyung.com/amp/202510112163i