韓国と日本と

たとえば日本人と韓国人がアメリカや中国みたいな”第三国”で知り合うと、あっという間に仲良くなるのは海外に住んだことのある人ならわかると思う。それだけ気質もよく似ているのだが、よく見ると違うところも結構ある。でも、「日本と韓国は違う」というのは、すごくレベルの高い問題(テストで言うと応用問題みたいなもの)なので、世界の人に説明する時には「日本と韓国はほとんど同じ」と説明するのが楽。でも英語圏の人でこの記事のように、ここまで観察している人は本当にすごいと思う。

遠距離恋愛について その2

僕たちは付き合い始めの時点から遠距離だった。

多くの遠距離カップルは、さすがに付き合い始めのころは一緒にいたのではないかと思う。何しろ「付き合う」というのは、「一緒にいる」ということとほぼ同一視されているのだ。

その点で僕たちカップルは変わっていた。交際のきっかけは僕の告白だが、それすら便箋と封筒を国際郵便で彼女に送ったくらいだ。交際前から頻繁にSkypeでビデオ通話をしていたが、僕の告白を彼女がOKしてくれたことから、毎晩決まった時間にビデオ通話をするようになった。

だから僕たちの経験は決して一般化できるものではないと思うが、それでも遠距離恋愛で悩んでいる人たちに何かしらのヒントのようなものが提供できればいいというのが僕のささやかな望みだ。

さて、改めて僕たちの遠距離恋愛はどんな感じで進行していったのかを振り返ってみたい。

彼女の居住地はソウル(大学生)→ヨーロッパ(交換留学先)→ソウル(大学生、社会人)と変わっていった。

一方僕はずっと東京在住だった。

正直、彼女が大学を卒業し社会人になるにあたって、日本に来てほしいという思いが無かったわけではない。先に社会人になっていたのは僕の方だったのだから。それでも、彼女には自分のキャリアを描いてほしい、僕たちが一緒になるのはそのあとでも構わないと思った。いつかは結婚したいと思いながら、結婚を焦ってはいなかったように思う。

結局彼女は韓国で就職した。僕のほうは相変わらず東京で働いていた。僕たちは毎晩のようにスカイプで1時間~2時間ビデオ通話し、何かにつけてカカオトークで写真やメッセージを送りあった。僕たちの会話は、最初は英語で行われていたが、僕がだんだん片言の韓国語を覚えると、英語より韓国語のほうが日本語にずっと近く、細かいニュアンスまで伝えられることもあって、韓国語で話すのが当たり前になっていった。気づけばTOPIK6級などという資格も取っていたし、考えてみれば語学の問題もあって僕が韓国に行くことが、僕たちカップルの暗黙の了解になっていたのかも知れない。

お互い会いたくてたまらなかったが、お金の問題もあり、実際に会えるのは3か月に一回といったところだった。四半期決算のような話だが、勤め人をしながら金を貯めるとなるとどうしても会社のリズムに近くなるものらしい。僕が韓国に行くことが多かったが、彼女も時々日本に来た。ソウル市内でデートしたり、韓国の地方都市に足を延ばすことも多かった。韓国は国内交通網がよく整備されている上に安いので、地方旅行は結構快適で楽しかった。彼女にしても、東京でデートをすることは僕に会いながら日本のあれこれを体験できる楽しい時間だったと思う。遠距離で始まった僕たちの恋愛関係は、いつしか遠距離で時々会うことが当然のようになっていった。

(続く)

遠距離恋愛について

僕たち夫婦は遠距離恋愛のサバイバー(生存者)である。

遠距離恋愛というのは、カップルが物理的に離れていることを意味する。僕たちカップルの場合は、僕が東京で彼女がソウルに住んでいた。6年半遠距離で関係を続けたのちに、最終的に僕が韓国に移住し、結婚した。

6年半の遠距離恋愛、かつ海外との遠距離恋愛というケースはあまり多くないと思う。さらに言えば、男性の方が移住するケースはさらに少ないと思う。

もしかしたら昔の僕と同じような境遇で未来の心配をしている人がいるかもしれないので、そんな奇特な人のために僕の経験したことをこれから書いていこうと思う。

僕は日本生まれ日本育ちの日本人である。彼女は韓国生まれ韓国育ちの韓国人である。では僕たち二人はどこでどう知り合ったのか?

僕たちは、僕の大学の格闘技サークルを通じて知り合った。僕の大学と、彼女の大学には交流があったため、毎年交流戦があった。僕と彼女はそこで知り合った。

が、その時は本当に「知り合った」だけで、連絡先を交換したくらいだった。しばらくはメール友達のような形で、連絡を取り合っていた。正直なところ、当時は付き合うことになるとは思っていなかった。

その年の秋に韓国に遊びに行った。彼女は交換留学で、ヨーロッパに行っておりソウルにはいなかった。僕はソウルで彼女と僕の共通の友人と食事をしながら、僕の妻になる女性が僕のことをすごく好きであるということを聞いた。「いい子なので、よろしくお願いします」と友人は冗談めかして言ったものだ。

変な話だが、その話がすごく心に響いた。メールの交換は楽しかったが、付き合うというほどではなかった。でも友人氏から、彼女が僕のことを好いていてくれているという話を聞いた後では、意識せざるを得なかった。僕たちはメールに次いでFacebookの友達になり、Skypeを交換し、毎晩ビデオ通話するようになった。彼女の誕生日に合わせて手紙(Eメールではなく紙の手紙)を送って交際を申し込み、年末年始のヨーロッパで彼女と久しぶりに対面してデートした。

彼女と僕は正式に遠距離カップルになった。その時点で彼女は留学期間が残っていたので、最初から僕たちはSkypeでデートするカップルだったと言える。半年後、彼女が韓国に帰国してから僕はまた彼女に会いに韓国に行った。その時のデートで言われた言葉を覚えている。

「こうして会えるのはすごく嬉しいけど、これから私たちどうしよう?」

彼女はまだ学生だったが、僕は東京で社会人として働いていた。かといって僕も彼女に韓国を捨てさせるようなことはしたくなかった。彼女も同様で、

「お互いのヒセン(犠牲)が大きいよね」

とため息をついていた。僕たちの国際遠距離恋愛はまだまだ始まったばかりだったのだ。

(長くなってしまったので続きは次の投稿で)

韓国の公共交通機関における「妊産婦配慮席」について

韓国の妊産婦配慮席(임산부배려석)についてツイッターで紹介したところ、思ったより反応があったのでブログにまとめたい。

日本でも痛ましい事件が絶えないが、韓国でも妊産婦が満員電車に乗車する際に十分な配慮がされにくいことは社会問題であると認識されている。そこで、ソウル首都圏や釜山、その他大都市の多くの地下鉄やバスで妊産婦配慮席というのが配置されている。これは従来の老弱者席とは別個である。

韓国の地下鉄における妊産婦配慮席
出典: https://m.insight.co.kr/news/215717

これが妊産婦配慮席である。ソウルに旅行に来たことのある人なら、空港とソウルを結ぶ空港鉄道という列車の車内や、ソウル市内の地下鉄車内で見たことがあるのではないだろうか。

この妊産婦配慮席だが、誕生のみならず運用でもかなり苦労しているようだ。本来は妊産婦のために設けられた席だが、そもそも誰が妊産婦なのかは見た目では分からないことも多い。 また、ラッシュアワーに利用してみればわかるが、混雑時にはこの席だけを空けておくことはまずない。

上の写真(ネットでの拾い物)のように、ソウル首都圏の空港鉄道では、人形を置いておくことで、本来は妊産婦配慮席は妊婦専用の席であることを訴えている。乗客は人形をわざわざどかさないと座れない。だがもちろん、人形など意に介さず座ってしまう乗客も多い。年配の乗客などはこの人形の「上に」座っているのを時々見かける。また、前述のように混雑時にはそもそも妊産婦配慮席を空けておくことのほうが珍しい。

地下鉄の車内だけでなく、インターネット上でも論争が見られる。女性嫌悪的なコメントは、妊産婦に配慮すること自体に懐疑的なスタンスから妊産婦や女性全般を攻撃している。ここでは、論争について紹介したオンライン上の記事を一つ紹介しておくにとどめよう。

「一か月に5600件の問い合わせ…地下鉄妊産婦配慮席の”配慮にかける”現実」韓国日報

ではどうすればいいのか?妊産婦は体力的に大衆交通の利用が困難なのは明らかだ。妊産婦に配慮することは社会的に当然に見える。他方で、悪意のある乗客や、悪意はなくとも配慮する気のない乗客も多数いる。これらを考慮しつつ必要な時に妊産婦が配慮席に座ることができる運用が実現できないだろうか?

一つの解決案が釜山から提示されている。釜山地下鉄では「ピンクライト」というシステムが導入されている。これは妊産婦配慮席に固定ライト(「ピンクライト」)を設置し、一定の手続きに従って妊産婦に配布された「ビーコン」を操作するとピンクライトが光るというものだ。

釜山地下鉄の妊産婦配慮席の「ピンクライト」とビーコン。
出典: http://m.etnews.com/20191231000060
釜山地下鉄のピンクライトは、妊産婦がビーコンを操作すると点滅する仕組み。
出典: http://www.kookje.co.kr/news2011/asp/newsbody.asp?code=0300&key=20180917.99099006987

ピンクライトは、妊産婦配慮席に既に乗客が座ってしまっている状態で、席を譲るよう声をかけるのがためらわれるという妊産婦の声にこたえる形で導入されたらしい。ライトが光ったら妊産婦が近くにいる、あの妊娠マークを見たら譲りましょう、という啓蒙とセットで運用されている。

また、ソウル大学のスタートアップ와이닷츠(WhyDots)は、ビーコンのアプリ代用によるピンクライト導入を交通公社に提案した。この提案は受け入れられなかったが、「ホームに来る電車の妊産婦配慮席をアプリで事前に予約」というUXはかなりいい線行っていたと思う。

ソウル大学のスタートアップ・WhyDots(ワイダッツ)によるアプリのデモ映像

ちなみに 僕が何故そんなマニアックなプロジェクトまで知っているかというと、そのスタートアップに一瞬だけ絡んでいたから。WhyDotsはその後ピンクライト関連からピボットして、認知症予防用の喋るロボットの開発に取り組んでいるので興味ある人は調べて見てほしい。

3Dプリンターを使って起業する韓国のスタートアップに関する報道

話がちょっと脱線してしまったが、韓国では社会問題に対して結構真正面から取り組んでいるということが言いたかった。交通公社が妊産婦配慮席を作ったのもそうだし、ピンクライトを追加したのもそうだし、さらには元気のいいスタートアップがテクノロジーでそれを改良しようともしている。

本来ならば、妊産婦配慮席など無くても乗客が席を譲ってくれるのが一番いい。僕もプロジェクトに関わる中で、妊産婦対象のアンケートを取ったことがある。その中で本当に多くの妊産婦が、身体的な苦痛に加えて社会からの悪意に苦しんでいることを知った。女性にしか見えない世界が確かにあった。

参考

ツイッターのハッシュタグ #男と女で見えてる景色が違う

同胞諸君、冬のソウルで死にたくないならとにかくペディンを買ってくれ

僕は日本生まれ日本育ちで、成人後だいぶたってから韓国人の妻と結婚するべく韓国に引っ越してきた。

大人になってから外国に引っ越すのは大変である。たとえ覚悟を決めてきても大変である。たとえすぐ隣の国でも大変である。

今年の冬で3回目の韓国の冬越しになる。

今年は暖冬だし、もうだいぶ慣れたのもあって冬越しもそれほど辛くない。

何がどう慣れたのか、もしかしたら誰かの参考になるかもしれないので書いていきたい。

僕は結婚前から遠距離恋愛中にも韓国にはしょっちゅう遊びに来ていたが、そのころから

「もしも将来韓国に暮らすことになったら不安なことリスト」

のトップにあったのが、ほかでもない

「冬の寒さ」

なのであった。

僕の住む韓国ソウル近郊では、冬はマイナス15度くらいまで下がる。

風も吹くので体感温度はさらに低いだろうか。マイナス20度くらいの気分だ。(一方夏は30度くらいまで上がる。年間の気温差が50度もあるということだ。)

あまりの寒さに妻(当時は恋人)の住んでいたアパートの水道が凍ってしまい、1週間水なしで暮らすことを余儀なくされたことも聞いていたし、僕自身も妻を訪ねていったはいいものの寒すぎて風邪をひくなどしていた。

「こんな寒い国で生きていけるのだろうか」

と、僕は不安に思ったものだ。

結論を言おう。こんな寒い国でも生きていける。それには秘訣がある。

それが「ペディン」である。

僕が愛用しているペディン(후아유)のモデル写真

「ペディン」とは韓国語では페딩と書く。

もともとは英語のpadding jacketからきた言葉らしい。羽毛をpad(詰める)して、暖かい空気を逃さないようにする仕組みからできた言葉のようだ。

このペディン、本当に温かい。

どのくらい温かいかと言うと、長袖のTシャツ一枚の上にこのペディンを羽織るだけで、マイナス15度の中を平気で外出できるくらい温かい。

実際、韓国では建物の中が非常に暖かいので、

  部屋:Tシャツ一枚の薄着

  外出時:薄着の上にペディンを羽織る

という生き方が合理的なのだ。

ところでこのペディン、最近ようやく日本でも知られるようになってきたようだが、ソウルに来る日本人観光客はまだまだ日本風の薄手のコートを着ている人がほとんどだと思う。

「あ、あの観光客の人、寒そうな恰好してる」

と、日本人観光客を見るたびにペディンを着た僕は思うわけである。まあ僕も昔は薄着だったわけだが。

日本人の同胞が寒そうにしているのを見るのは僕も心が痛いので、ぜひ声を大にして呼び掛けたい。

日本人観光客諸君!

もし冬にソウルに来るのなら、ロッテマートみたいな大型店でいいから、すぐにペディンを買うのだ!

そして日本から持ってきた中途半端な厚みのコートはトランクにしまって、薄着+ペディンでソウルの街を闊歩するのだ!

きっとソウルっ子の気分を味わえるのだ!

お箸とスプーン

我が家では、食事のさいにお箸とスプーンの両方を準備するのだが、ある日のこと、食後に次の点に気がついた。

  僕:お箸のみ使用、スプーンは一切使わずきれいなまま

  妻:スプーンのみ使用、お箸は一切使わずきれいなまま

その日のメニューはごはんにテンジャンチゲ(味噌汁)、キムチポックム(キムチ炒め)だったと思う。

そう、韓国人の妻は、お箸を一切使わずにこのメニューを平らげたのだ。ごはんも、である。

韓国と日本はいろいろな面で似ている。

文化、言語、人々の顔形までそっくりだ。

しかし、似ているところが多い反面、時々

「あれ?ここは違うの?」

ということがある。

その一つが、お箸とスプーンの使い方だ。

日本人でもお箸やスプーンは使う。

でも、妻と暮らすようになってから、日本人と韓国人で使い方が違うことに気が付いた。

日本人はお箸をメインで使う。お箸を使って、ごはんを食べ、お味噌汁を食べ、おかずを食べる。

一方韓国人にとってはお箸はメインというより、スプーンと併用する。お箸とスプーンのツートップという感じだ。

例えばごはんを食べるときには、韓国人はあまりお箸を使わない。もちろん使うこともあるが、ごはんはスプーンで食べることのほうが多いようだ。(麺類はもちろんお箸を使う、念のため)

妻に聞いたところ、

「子供のころ、お箸でごはんを食べていたら親に怒られた」

「それからごはんはスプーンで食べるようになった」

とのこと。そこまでするのか!

親が子供に躾ける内容の中に「ごはんはスプーンで食べなさい」というものまであるとは。

僕たち夫婦に子供が出来たら躾け方に迷いそうだ・・・

このブログについて

はじめまして!このブログ・「男の韓国移住」にアクセス頂きありがとうございます。

私は日本生まれ日本育ちの男性ですが、格闘技を通じて知り合った妻(韓国人)と結婚するため韓国に来ました。

韓国では私のように韓国人と結婚して韓国に住む外国人配偶者を、

「結婚移民者」

と呼んでいます。

結婚移民者は、圧倒的に女性が多いそうです。(=旦那さんが韓国人、というケースがほとんど)

私のように男性で韓国人と結婚してしかも韓国に住むというケースはあまり多くないようです。

このブログではそんな珍しい男性結婚移民者である私が、韓国に住みながら見聞したこと、感じたことなどを書いていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いします!